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生活者インデックスデータ

価格調査で使える質問・分析方法~アンケート調査の質問例と活用例②-2

前編では、価格設定の考え方と、設定したい価格の消費者受容性調査の基本質問をご紹介しました。
後編では、より具体的な価格設定で利用されるPSM分析、Gabor Granger、BPTOの3つの分析方法をご紹介します。

3つの分析方法の主な特徴

図表1は3つの方法の特徴をまとめたものです。それぞれ、前編で紹介した価格設定の視点にもとづいて検討する際、重要な示唆が得られます。

図表1
price-2_02.png

PSM分析は、消費者が感じる価格感を答えてもらい、最適な価格を導きます。特に新商品・新サービスで、消費者が純粋に抱く価格感を知りたいときに利用します。
Gabor GrangerとBPTOは、競合品との関係を考慮して最適な価格を導きます。Gabor Grangerは自社商品の価格を変えると競合品から消費者がどれだけ流入してくるか、流出するかを知りたいときに利用します。BPTOは競合商品も価格が変わる状況で、消費者の商品選択がどのように変化するのかシミュレーションすることができます。

それでは、それぞれについて詳しくみていきましょう。

①PSM分析

調査対象者に、商品の画像や説明文を提示して、次の4つの質問に、価格を直接答えてもらう方法です。

  • 少し安いかなと思う価格は?
  • 少し高いかなと思う価格は?
  • この価格なら高すぎて買わないと思う価格は?
  • この価格だと安すぎて品質が不安だと思う価格は?

消費者は、提示された商品・サービスに対して、自らの記憶の中にある価格情報にもとづいてふさわしいと感じる価格(内的参照価格)を抱きます。その価格の基準に従って高い、妥当、低いと判断するといわれています。PSM分析は、内的参照価格や受容される最適な価格を明らかにする方法です。
この分析では、得られた回答を図表2のようにグラフに表します。

図表2
price-2_03.png

横軸が価格で、縦軸がその価格に対して感じている人の割合です。 この事例では、200円では100%の人、つまり全員が安すぎると感じる(緑の曲線)ことがわかります。 400円くらいになると、安すぎると感じる人は半分くらいになっていることがわかります。 青の曲線の「高くない」は、高いと感じない人の割合です。価格が上がっていくと高いと感じる人が増えていくので、逆に高いと感じない人の割合は減っていきます。

4本の曲線がそれぞれ交わった点の価格に意味があり、価格設定の判断に活用します。
● 最適価格:「安すぎる」曲線と「高すぎる」曲線の交点。その価格を「安すぎる」と思う人と「高すぎる」と思う人の割合が低くなる点で、「市場に受け入れられる価格」を意味し、推奨される価格です。
● 妥協価格:「高くない」曲線と「安くない」曲線の交点。その価格を「高い」と感じない人と「安い」と感じない人の割合が高くなる点で、「価格に対して無関心になる消費者の割合が多くなる価格」を意味し、この価格が内的参照価格といえます。

②Gabor Granger(ガボール・グレンジャー/ゲイバー・グランジャー)

自社商品と競合商品を一緒に提示して、自社商品の提示価格を変えることで、競争力がどれくらい変化するかを知るための方法です。
質問方法は次のようになります。

price-2_04.png

自社ブランドBは、競合商品と一緒に提示して、通常価格は348円とします。

●ブランドBの値上げを想定している場合
ブランドBのユーザー(ブランドBを348円で選ぶ人)が調査対象者になります。ブランドBユーザーは、348円で提示されているブランドBを選んだ後、次の質問でブランドBの提示価格が398円に上がります。価格が上がってもブランドBを選び続けてくれるかを知ることができます。自社が想定している最高価格まで選び続けるか、他のブランドや「買わない」を選んだら質問は終了になります。

●ブランドBの値下げを想定している場合
ブランドBを選ばない人を対象に調査を行います。348円で提示されているブランドBを選ばなかった後(競合商品を選んだ後)、次の質問でブランドBの提示価格が298円に下がります。いくらまで価格を下げればブランドBを選んでもらえるかを知ることができます。

この質問で集められた回答は図表3のようにグラフで表すことができます。

図表3
price-2_05.png

横軸が自社ブランドBの提示価格で、赤線がブランドBを選んでくれた調査対象者の割合です。
提示価格が右に上がっていくほど、選んでくれる人の割合は下がっていきます。
ブランドBの選択率が下がるにつれて、競合商品の選択率は上がっていきます。ブランドBから競合商品にスイッチしているからです。
このグラフを読むポイントは値上げを想定する場合、選択率が大きく減少してしまう値上げポイントがないかを押さえます。それ以上の値上げは実施すべきではないと判断します。

③BPTO(Brand-Price Trade-Off)

Gabor Grangerに質問方法が似ていて、自社ブランドだけでなく、競合商品も選ばれたら提示価格が上がる方法です。

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Gabor Grangerと違う点は、競合ブランドが選ばれたら、次の質問で自社ブランドの提示価格が下がるのではなく、競合ブランドの提示価格が上がります。そのためBPTOは、競合ブランドの価格が上がっていくことで、自社ブランドに流入してくるかを知ることができます。原材料高騰や、税率の改定など市場にあるブランドが一律に値上げする場合に有効な方法です。質問の回答は、いずれかのブランドの最大価格が提示されて選ばれるか、「買わない」が選ばれるまで続きます。

この質問の回答を活用して、図表4のようなグラフをつくることができます。

図表4
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価格のシナリオごとの各ブランドの選択率です。価格のシナリオは様々な状況を想定します。現在の価格からすべてのブランドが一律に50円上がるシナリオや、低価格帯のブランドだけが100円上がるシナリオ、競合ブランドが値上げする中、自社ブランドだけ値上げしないシナリオなど、様々なシナリオを設定して自社商品の選択率をシミュレーションします。

最後に

本記事でご紹介した価格についての質問・分析方法は、1つの調査の中で組み合わせて実施されます。それぞれの質問・分析から価格設定に関する情報が得られるので、総合的に評価して、「最適な価格」を決定しましょう。

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