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多様化する広告効果測定手法
その特徴と適切な選び方とは?

メディアの多様化に伴って広告コミュニケーションのプランニングは複雑性を増しており、それに応じるように新たな効果測定の考え方や方法論・ツールが開発されています。
一方、自社の課題に適している効果測定手法を、多様な選択肢の中から、何を基準に選び取るべきか悩む企業も多くなっています。また、効果測定の設計をきちんと組み立てないと、正しい評価ができない危険性もあります。
そこでこの記事では、広告効果測定の現状を整理した上で、目的に応じた手法の選び方、そして効果測定の設計方法について解説します。

※この記事は2023年11月28日に開催したセミナー「メディアを横断した広告効果測定の手法と実践」の内容を再構成したものです。

広告効果測定の必要性

近年、メディアの多様化に伴い、広告を取り巻く環境は大きく変化しています。まずは生活者のメディア接触行動の変化を見てみましょう。図表1はインテージが実施したデバイス利用調査を集計した、デバイス別の利用率と年代別のテレビとスマートフォンの利用率の推移です。
テレビ(地上波)は、依然としてスマートフォンよりも利用率が高いですが、年々減少傾向です。若者のテレビ離れという印象の通り、20代・30代の利用率の減少幅が特に大きくなっています。一方で、スマートフォンの利用率は大幅に上昇しています。特に40~60代の上昇が顕著で、今後も伸びる余地がありそうです。

図表1

デバイス利用率の推移
年代別テレビ・スマートフォン利用率

また、図表2の媒体別広告費の推移を見ると、企業のインターネット広告費が急増し、2019年にはテレビメディアの広告費を上回っています。

図表2

媒体別広告費の推移

このように、生活者のメディア接触行動が絶えず変化している中で、企業の投資先のメディアも大きく変化しています。また、マーケティング予算の費用対効果に対する問いは、以前より厳しさを増しており、広告効果測定の重要性は高くなっています。

広告効果測定の難しさとは?

広告効果測定についてお客様からよくいただくご質問としては、「広告接触による購買増などのコンバージョン効果を人ベース(シングルソース)で可視化できないか?」「メディア横断で効果を可視化したいが、どんな手法があるか?」「テレビCM、デジタル広告の効果を、ログデータを用いて評価できないか?」「MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)を実施したいがどんな手法か?」などがあり、手法に注目する傾向があることが伺えます。
手法に注目する要因としては、デジタルシフト、技術進化、個人情報保護等、環境変化が著しく、情報のキャッチアップが難しいことが挙げられます。

改めて、図表3に広告効果測定手法の変遷を整理してみました。2012年までは、テレビが中心の広告出稿だったため、アンケートによるテレビCMのクリエイティブを評価することが中心でした。2013年以降、デジタルシフトが加速し、デジタル広告接触ログでのアンケート調査手法が多くリリースされました。

図表3

広告効果測定の変還

2018年以降はGDPR施行により個人情報の取り扱いが厳しくなり、広告接触ログでの調査が制限される中、現在では、個人情報を取り扱わずに効果測定を行えるMMM(マーケティング・ミックス・モデリング)が再度注目されています。また、インテージでも広告接触ログを基にしたYouTube効果測定が実施できるようになるなど、個人ベースの評価手法は進化していますが、以前実施可能であった広告接触ログでの調査はできなくなっています。
現状では、広告効果測定において「万能な手法」はなく、活用目的によって、取り得る手段がかわることを認識して、広告効果測定の手法を選択する必要があります。

目的に応じた手法の選択の仕方

では、目的に応じた手法の選択とは、どのように考えるのがいいのでしょうか。そのフローを図表4に示しました。
効果測定の主目的は、事業やブランドといった大きな枠組みでの「マーケティング予算の適正な配分」、複数メディア展開時のキャンペーン単位での「統合的な広告・キャンペーンのPDCA管理」、そして個別のメディア単位での「広告効果・効率向上」と大きく3つに分かれます。

図表4 

広告効果測定手法の選定フロー

「マーケティング予算を適正に配分する」という目的の場合は、MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)を選択します。MMMはマーケティング投資が売上等の実績に与える影響を、時系列の変動から統計的に分析する手法です。マーケティング施策別の売り上げ貢献・ROIを明らかにし、各施策の適正な配分を算出することができます。一方で、認知や好意度・イメージ・購入意向といった、人ベースの評価の分析ではないので、具体的なアクションの検討につながる手法ではありません。

「統合的な広告・キャンペーンのPDCA管理」を目的とする場合は、3つの手法があります。
まず、認知・イメージ・購入意向の変化を把握できればよい、といったケースでは、「簡易的なKPIアンケート調査」を選択します。一方、メディア横断で精緻な効果を把握する必要があるケースでは、「広告接触機会推定(*OTS)によるアンケート調査」か「複数メディア広告接触ログによるアンケート調査」を選択します。キャンペーンでの出稿メディアへの接触有無がすべてログデータで取得できる場合は、広告接触ログによる調査を選択するのがオススメですが、現在では取得できない場合が多いため、「広告接触機会推定(OTS)でのアンケート調査」をオススメします。

「個別のメディア単位での効果効率の向上」を目的とする場合は、「単体メディア広告接触ログによるアンケート調査」や「露出効率データ(CPM、CPVなど)」を選択し、各メディアの効果をフリークエンシーや広告メニュー別に深く分析します。

このように、活用目的や検証に求めるレベルによって、手法は変わります。加えて費用等の制約も踏まえて適切な広告効果測定手法を選択することが重要です。

メディア横断リサーチの代表的な手法

最近、最も要望が多い「統合的な広告・キャンペーンのPDCA管理」を目的とした3つの手法について、もう少し詳しく違いを見てみましょう。図表5にメディアカバレッジと結果の妥当性の軸でまとめました。

図表5

「メディア横断リサーチ」の手法

「メディア広告接触ログでのアンケート」は、確実に広告接触をした人が対象となるため、メディア評価の精度が高く、納得感があります。ただ、広告接触ログが取得できるのは動画サービス・SNSの一部であるため、メディアカバレッジは限られます。今後も個人情報の観点から、メディア横断でデジタル広告接触をログで捕捉できるようになるのは難しい見通しです。

一方、広告接触ログは使用せず、「広告を見た」と答えた人に調査する「簡易KPIアンケート」はメディアカバレッジが広く、比較的コストも低いため採用しやすいのですが、回答結果のバイアスに留意する必要があります。図表6に示したように“広告を認知している人”には“カテゴリー高関与者”や“ブランド高関与者”が含まれやすく、広告効果を過大に評価してしまいかねない、という点です。汎用性は高いが、バイアスが大きく評価の妥当性が低いことがデメリットとなります。

図表6

想定される認知バイアス

これらのリサーチ手法に課題がある中で、比較的バランスが取れているのが「広告接触機会推定(OTS)でのアンケート」です。図表7のように、“生活者のメディア行動習慣”と“各メディアへの出稿状況”より、生活者の広告接触機会、つまりリーチを推定して効果を検証していく方法です。広告接触機会推定(OTS)によるアンケート調査は、デジタル広告への接触は推定となりますが、カバレッジと妥当性を両立しており、汎用度・精度面で有望な手法となります。

図表7 

OTS(広告接触機会推定、Opportunity To See)

このアプローチによって、図表8や図表9のように、リーチ、広告認知獲得、態度変容効果などを、メディア横断で可視化出来ます。また出稿金額と効果(認知、購買意向、イメージ等の獲得人数)の関係から、目標指標に対する獲得効率の良し悪しが明らかになり、さらに、“のびしろ”を加味した評価を実施します。
この検証結果をもとに、次回のメディアプラン(メディア選択や配分)の改善を行うことができます。

図表8

広告接触機会推定(OTS)を活用したメディア横断リサーチのアウトプット

図表9

メディア評価事例

まとめ

現状、すべてに対応できる「万能な調査手法」はなく、目的によって、取りうる手段が変わるため、向き・不向きを認識しながら手法を選択する必要があります。
生活者のメディア行動は、日々進化していき、それに伴い広告効果測定は、できること・できないことが変化していくことが予測されます。今後も広告効果測定の個別ソリューションの最新情報をキャッチアップすることが重要となるでしょう。

インテージでは本コラムでご紹介した広告効果測定において、独自データやノウハウを活かし、ご課題や出稿状況に応じた広告PDCAを支援しております。お悩みなどございましたら、お気軽にお問合せ頂けますと幸いです。

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