
人の流れは、そのエリアの特性を映し出します。
そこで、特定のエリアについて、人の流れをデータで見ることで、プロファイリングを行ってみます。
今月は府中(東京都府中市)に注目します。
コロナ前と比べて、まちの顔はどのように変わってきているのでしょうか。
府中は人口約26万人を擁し、調布や立川、八王子と並んで東京・多摩地域にある中核都市のひとつです。 京王本線府中駅の再開発計画は1991年の府中駅高架化を機に本格化し、駅南口には公共施設と商業施設・住宅施設を一体化するかたちで 大規模な再開発が進められてきました。 コロナ直前の2019年は伊勢丹府中店が閉店した年ですが、その後の開発でル・シーニュやミッテン府中など5つの主要商業施設が 広いペデストリアンデッキで接続され、回遊性が高い都市空間を形成しています。 https://www.keiofudosan.co.jp/column/post-9 |
2024年10月の平休日・14時台の滞在者数を、コロナ前の2019年10月と比較してみました 平日では3%と微増ですが、休日では12%強の増加となっています。
時間帯の推移をみてみると、 平日は通勤・通学時間帯の朝9時台から昼過ぎにかけて増加、14-15時台にいったん落ち着いた後ふたたび増加に転じて17-18時台にピークを迎えています。
休日も同様に昼過ぎと夕方16-17時台に2つのヤマがある波形ですが、平日がコロナ前の3-4%増程度なのに対して、休日は11-18時台にかけてずっと12%前後の増加を維持しています。
駅前再開発が進んだことで休日の集客力が大幅に増加した、とみることができます。
14時台での性年代構成をみてみると、 平休日ともに5年前よりも全体的に女性の割合がやや高くなっていることがわかります 特に平日では30代男性の減少幅が大きいのは、コロナ禍を経て定着した在宅勤務(テレワーク)の影響かも知れません。
休日では、男女ともに20代・50代の構成比が、5年前より増加しています。
これも駅前地区のショッピングタウンとしての繁華性が高まったことのあらわれといえるでしょう。
同じく14時台で、居住地別の構成比を比較してみます。
2019年当時は休日での府中市内在住者の構成比が平日より7%ほど大きく、その分東京都内・他県からの流入者比率が小さかったのですが、 2024年の平日と休日では、市内在住者と東京都民、都外からの流入者の割合はほとんど変わらなくなっています。
市区町村レベルでブレイクダウンしてみると、平休日とも上位15市町の顔ぶれ自体はほぼ5年前と同じで、東京西南部および川崎市の一部が上位を占めています 5年前からの増減数を平日と休日で比較すると、 平日ではさいたま市・蕨市や葛飾区など埼玉方面からの流入者が増加しているのに対して、 休日では日野市・多摩市・三鷹市・立川市など、多摩地域内の他都市からの流入者数の増加が顕著となっています。
今回は、駅前再開発が一段落した府中駅周辺について、コロナ前からの変化を中心にデータを見てきました 休日の集客力が大幅にアップし、大型商業施設などに市内や多摩地域の周辺都市から多くの人たちが流入している様子がよくわかったと思います。
府中駅周辺の再開発事業は、今後もまだ継続しています。
2027年には新市庁舎が全面稼働、図書館やカフェなどの市民向けサービス機能も充実していくほか、2029年には三井不動産による 大型商業施設の開業も予定されており、多摩地域を代表する市街地として、さらに発展していくことが期待されてます。
データについて:
【モバイル空間統計®・国内人口分布統計(リアルタイム版)】
※モバイル空間統計®は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
ドコモの携帯電話ネットワークのしくみを使用して作成される人口の統計情報です。
集団の人数のみをあらわす人口統計情報であるため、お客様個人を特定することはできません。
インテージは「モバイル空間統計」の1次販売店です。
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