変わる入浴剤市場 ~使用者が増えている”タイプ”とは?
2月6日は「お風呂の日」。この冬は暖冬とはいえ、やはり寒い日には温かいお風呂が恋しくなる人も多いのではないでしょうか。インテージは全国の20~69歳の男女3,324人を対象にアンケート調査を実施、お風呂実態をたずねました。
冬は「毎日/ほぼ毎日」バスタブにつかる人が6割以上。過半数が「シャワーのみ」の夏とは対照的
冬・夏それぞれで、バスタブにつかる頻度、シャワーのみで済ませる頻度を聞いたところ、冬は「毎日/ほぼ毎日」、「バスタブにつかる」人が6割以上と多いことが分かりました。やはり寒い冬は、温かいお風呂が恋しくなる人が多いようです。
一方、夏は過半数が「毎日/ほぼ毎日」、「シャワーのみで済ませる」と回答。夏も、4割近くが「毎日/ほぼ毎日」、「バスタブにつかる」と回答しているものの、冬と比べるとバスタブにつかる頻度はだいぶ下がることが分かりました。
冬のお風呂は、熱いお湯にゆっくりと
冬の方がバスタブにつかる頻度が高いだけではなく、バスタブにつかる時間が長く、お湯の温度も高いことが分かりました。
バスタブにつかる時間は、夏は4割超が「10分未満」なのに対し、冬は「10分以上~15分未満」「15分以上~20分未満」がそれぞれ夏よりも5ポイント程度高くなっています。また、バスタブに張るお湯の温度も冬の方が高く、8割超が40度以上のお湯を張っています。
入浴剤市場は2019年に大きく成長
さて、お風呂といえば入浴剤。入浴剤市場は、2016年に400億円を超えて以来2018年までほぼ横ばいでしたが、2019年には前年比106%と成長、売上規模は432億円に達しました。
形態や効果効能、香りなどバラエティに富んだ商品が展開されている入浴剤ですが、成長をけん引しているのはどういった商品なのでしょうか。2015年から2019年の入浴剤の市場規模をタイプ別に見てみました。
最も売り上げが多いのは、体を温めることを訴求している一般的な入浴剤「温浴」タイプですが、2015年に比べて87%にまで減少しています。一方、「温浴」タイプの4割程度の売り上げではあるものの伸びが目立つのが、冷えや疲労、肩こり、腰痛などへの高い効果効能を謳っている「薬泉・保温」タイプです。2015年には19億円だったものが、2019年には49億円にまで成長しました。
また、2015年から2019年の間に2.5倍強の市場拡大を見せたのが「エンジョイ(玩具入り)」タイプ。中から玩具が出てくる子ども向けの入浴剤で、ボール型やタマゴ型の商品が多く展開されています。人気アニメや映画のキャラクターを使い、大きく売り上げを伸ばし、2019年には20億円規模にまで成長しました。
「ボール型/バスボム」は、未就学・小学生の子どもと同居する入浴剤ユーザーの4人に1人が使用
アンケート調査からも、子ども向けの入浴剤が人気を得ている様子がうかがえます。使用している入浴剤のタイプを質問したところ、未就学・小学生の子どもと同居している入浴剤使用者のうち、4人に1人が「ボール型/バスボム」を使っていると回答、全体よりも10ポイント以上高い使用率となりました。
また、未就学・小学生の子どもと同居する親たちは、「ボール型/バスボム」の入浴剤に「お風呂時間を楽しくする」ことを期待していると回答。「疲労回復/疲れを取る」「体を温める/冷えを取りのぞく」といった機能的な効果効能が期待されている「顆粒・粉末」タイプや「錠剤」タイプとは対照的な結果となりました。
小さな子どもを持つ親にとって、お風呂の時間は子どもと一緒に過ごす大切な時間でもある様子です。未就学・小学生の子どもと同居している親でバスタブにつかる人の半数近くが、バスタブの中で「子どもや孫と遊ぶ」と回答。
暖冬とは言え、これからが寒さの本番。お気に入りの入浴剤を見つけて、お風呂の中で家族の絆を深めるのもよいかもしれません。
※本レポートに使用した当社調査データ
【インテージのネットリサーチによる自主企画調査データ】
調査地域:全国
対象者条件:20~69 歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター(弊社キューモニター+提携モニター)」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を、2015年度実施国勢調査データをベースに、人口動態などを加味した2017年度の構成比にあわせてウェイトバック
標本サイズ:n=3,324
調査実施時期: 2019 年11月27 日(水)~2019 年11月29日(金)
【SRI®(全国小売店パネル調査)】
スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約4,000店舗より収集している小売店販売データです。このデータからは、「いつ」「どこで」「何が」「いくらで販売された」のかが分かります。店頭での販売実態を捉え、ブランドマーケティングや店頭マーケティングにご活用いただけます。
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