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バレンタインのチョコレートはいつ買う? デイリーデータに見る需要の山

今年もバレンタインデーが迫ってきました。職場での義理チョコの廃止やご褒美の自分チョコ買い、若年層を中心とした友チョコの定着、と年々あり方が変わっていくバレンタインですが、盛り上がりの中心はやはりチョコレート。1月半ばから様々な売り場で特集されているのが目につきます。

そこでこの記事では、全国約6,000店舗より収集しているスーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアといった小売店の販売データ、SRI+®(全国小売店パネル調査)のデイリーデータ※百貨店は含まれません を用いて、当日に向けた売上の盛り上がりを追いました。

バレンタイン時期のチョコレートの盛り上がり

図表1は、SRI+で見た2023年の日別のチョコレートの販売金額です。

図表1

バレンタイン前後のチョコレートの日別売上

数週間前から緩やかな伸びが見られますが、バレンタイン直前の休日である2月11日に急激に伸び、当日の2月14日に最も売れている様子がわかります。
この傾向は毎年同じなのでしょうか?2018年からの6年分のデータで、バレンタイン直前の売上の変化を見てみました(図表2)。

図表2

バレンタイン直前のチョコレート売上 各年比較

「直前の休日から売上が伸びる」という傾向はどの年も共通して見られましたが、2021年までは売上のピークが前日の2月13日であったところ、2022年から2月14日に移っていました。 また、日別の売上の規模はコロナ禍に入った2020年に下がって以降、コロナ前の2019年以前の水準には戻っておらず、コロナ禍を経てバレンタインのあり方が変わった様子がうかがえます。

2023年のバレンタイン前にインテージで行った調査で「チョコにかける総額の予算を減らす」と答えた人にその理由を聞いたところ、「昨年まで控えていた手作りを復活させるので」「義理チョコをやめるため」「物価高のため買い控える」といった回答が聞かれました。コロナ禍だけでなく、物価高の影響もバレンタインのチョコレート購入行動に影響しているようです。

チョコレートのタイプやチャネルで違う、盛り上がりタイミング

売上の変化をもう少し詳しく見てみましょう。チョコレートにもいろいろなタイプがありますが、ここでは、バレンタインやホワイトデー用に販売されている「催事チョコ」と、手作りチョコレートの材料としてよく使われる「割りチョコ」に注目してみました。

図表3はそれぞれのタイプについて、バレンタイン前後の一日当たりの平均売上金額を100とした時の、各日の売上水準を比較した結果です。催事チョコ、割りチョコ共に2週間前、1週間前の土日にも少し山が見られ、行動が早い人が休日に吟味を始めていることもわかります。
また、チョコレート全体で見ると2月14日のバレンタイン当日の176がピークであるのに対し、割りチョコは直前の休日である2月11日に408と集中的なピークが見られ、催事チョコは直前の休日である2月11日から200以上と盛り上がりはじめ、平日である前日の13日にピークが見られました。

図表3

バレンタイン前後のチョコレートの種類別売上推移

手作りチョコは早めに材料を入手して週末に作る一方で、バレンタイン用のチョコは前日に駆け込みで買う、といった動きがみられます。

催事チョコのピークは、チャネルによっても違いがみられました。スーパーとコンビニエンスストアの売上のピークを比較したところ、スーパーでは前日の2月13日がピークであったのに対し、コンビニエンスストアでは当日の2月14日に561と急激に売上を伸ばしていました(図表4)。

図表4

コンビニエンスストアは、棚数の制限もあるため、催事チョコの売上規模全体に占める割合は数%と小さいですが、当日に買って渡す、といった需要に対しては重要な役割を果たしていることがわかります。

5類化後初めてのバレンタイン 今年はどうする?

今年は新型コロナウィルス感染症の5類化後、初めてのバレンタインデーです。リアルで人に会う機会が戻ってきたことで、チョコレートを渡す機会も増えることが見込まれます。手作りチョコに対する敷居も下がったのではないでしょうか。
また、知るギャラリーでも、物価高が続く中、「節約疲れ」で「高いデザートやお菓子を購入するようになった」といった調査結果をお伝えしてきましたが、自分のために高いチョコを、という人もいるでしょう。

今年、2024年のバレンタインデーは水曜日。直前の休日は2月10日から12日までの3連休です。同じ曜日並びだった2018年も、10日から売り場の盛り上がりがみられていました(図表2)。今年はどこまでの盛り上がりを見せるのか、今後も追っていきたいと思います。


【SRI+®(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo.1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2024年1月現在

著者プロフィール

鳴本 理子(なるもと りこ)プロフィール画像
鳴本 理子(なるもと りこ)
2023年インテージへ新卒入社。清涼飲料のSRI+パネルデータの運用を担当。
パネルデータの元となる、企業から受領しているデータの整備・管理も行っている。
チョコレート好きが転じて、バレンタインに関する記事を執筆。
趣味は読書、K-POP鑑賞、ゲームなど多岐にわたる。特に太宰治が好き。

2023年インテージへ新卒入社。清涼飲料のSRI+パネルデータの運用を担当。
パネルデータの元となる、企業から受領しているデータの整備・管理も行っている。
チョコレート好きが転じて、バレンタインに関する記事を執筆。
趣味は読書、K-POP鑑賞、ゲームなど多岐にわたる。特に太宰治が好き。

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