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近年大注目のグミ!市場の盛り上がり実態を深掘り

続々と登場する新商品、専門店や詰め放題イベントなど、急速に存在感を増しているグミ市場。香料や食感の工夫によって、様々なフレーバーが登場したり、SNSでは「推しグミ」「食べ比べ」「ASMR」などの企画が盛り上がりを見せたり、「味わう」だけではない新しい楽しみ方も広がっています。作り手であるメーカーがユニークな商品を発売するだけでなく、受け手である消費者も様々な食べ方を試したり、SNSで共有したりして新しい楽しみ方を生み出しています。

そこで、この連載では、以下のように3回にわたってグミを取り上げ、「作り手と受け手がともに築く遊び場」として捉えなおす試みを行います。

第1回 近年大注目のグミ!グミ市場盛り上がりの実態を深掘り
第2回 文化としてのグミを育てる──日本グミ協会・武者氏インタビュー
第3回 香料会社の研究所レポ!フレーバーのプロと考えるグミ市場

第1回は、インテージのパネルデータから、グミ市場の盛り上がりについて深掘りします。

1. 2022年から急速に伸びたグミ市場

グミの市場規模は、2017年から2021年までは600億円前後で横ばいでした。しかし、2022年から急速に伸びています。2021年の635億円から2024年には1,138億円に達し、3年間で約1.8倍に成長しました(図表1)。

図表1

グミ市場規模の推移

2. グミはどんな層に買われているのか?

それでは、どのような人がグミを購入するようになったのか、性年代別の購入率の5年間の変化を見てみましょう(図表2)。

図表2

グミ購入率

15歳から69歳の男女のグミ購入率は、2019年に42.8%だったのが、2024年に49.3%になり、6.5ポイント伸びています。伸び幅が大きいのは、女性だと40代で、10.3ポイントの増加です。また、グミは女性に好まれる印象をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、男性の購入率も伸びていることは注目に値します。特に男性のミドル層の伸び幅が大きく、男性30代が+9.7ポイント、男性40代が+13.0ポイント、男性50代が+8.9ポイントとなっています。どうやら、特定の性年代だけでスポット的に購入率が伸びているわけではないようです。

続いて、2019年と2024年のグミ購入金額を比較します。図表3はグミ購入者1人あたりの年間グミ購入金額を、性年代別に示したものです。TOTALの購入金額は、942円から1,506円に達し、1.6倍の増加となっています。バラつきはあるものの、どの性年代でも伸びていることが分かります。

図表3

グミ購入者1人あたり 購入金額

市場規模が拡大する理由を分解すると、購入率の伸びと、購入者あたりの購入規模の伸びが考えられます。どちらか一方の伸びだけでも市場規模は拡大しますが、グミではどちらも伸びており、理想的な状態と言えるでしょう。

3. 人気商品も新商品も続々登場!市場全体で盛り上がりを見せるグミ

1年間に発売されるグミの新商品の数は近年、増加傾向にあります。2017年に発売された新商品は179種類でしたが、2024年には269種類になり、約1.5倍に増えています(図表4)。

図表4

グミ新商品の数

一定の売上規模のあるグミのブランドについても、変化を見てみました。
図表5は、年間10億円以上売り上げているグミのブランド数を示しています。2017年は
14ブランドでしたが、2024年には23ブランドに増えています。これにより、特定のブランドだけが高い売上を誇っているのではなく、グミの市場全体が盛り上がっていると推測できます。

図表5

年間10億円以上売り上げているグミブランド数

グミ購入者の買い回り行動の変化を見るために、購入ブランド数にも注目してみました。2024年のグミ購入者の中で、1年間に5ブランド以上購入した人の割合は30.7%です(図表6)。2019年には22.8%だったので、5年で7.9ポイント伸びています。

図表6

年間5ブランド以上購入する人の割合

多くの新商品が発売されていることにより、商品バリエーションが豊富になりつつあるなか、グミの購入者の多くが、特定のお気に入りだけを楽しむのではなく、多数の商品を楽しんでいる様子がうかがえます。また、グミと似たようなシーンで食べられているハードキャンディやガム、キャラメルと比較したところ、5ブランド以上購入する人の割合が伸びているのはグミだけでした。

市場規模が拡大し、バラエティ豊富な人気ブランドが続々と登場しているグミ。人口減少し、市場が縮小する傾向にある今日において、このような盛り上がりを見せているグミは特異な存在と言えるでしょう。

連載の第2回は、「文化としてのグミを育てる──日本グミ協会・武者氏インタビュー」です。日本グミ協会は、「グミニケーション」を合言葉に活動する、グミ好きの同人団体です。インタビューでは、協会の取り組みや、グミ市場で起きているメーカーと生活者の認識の変化、グミ市場の未来についてさらに深掘りしていきます。お楽しみに!

著者プロフィール

本田 朱理プロフィール画像
本田 朱理
2021年、インテージに新卒で入社。
消費者パネル調査「SLI(全国女性消費者パネル調査)」のモニター管理に4年間従事。
2025年7月から「Genometrics」のサービス運用を担当。

2021年、インテージに新卒で入社。
消費者パネル調査「SLI(全国女性消費者パネル調査)」のモニター管理に4年間従事。
2025年7月から「Genometrics」のサービス運用を担当。


今回の分析は、以下のデータを用いて行いました。
【SRI+®(全国小売店パネル調査)】 
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 一部業態

【SCI®(全国消費者パネル調査)】
全国15歳~79歳の男女70,000人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データです。食品、飲料、日用雑貨品、化粧品、医薬品、タバコなど、バーコードが付与された商品について、「誰が・いつ・どこで・何を・いくつ・いくらで、購入したのか」という消費者の購買状況を知ることができます。
※SCIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開しておりません

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(*パネルデータ:「SRI+」「SCI」「SLI」「キッチンダイアリー」「Car-kit」「MAT-kit」「Media Gauge」「i-SSP」など)

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