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生活者インデックスデータ

人流変化から「アフターコロナの休日の過ごし方」を読み解く

2023年はコロナ禍の影響が落ち着きを見せ、花火大会をはじめとする屋外イベントの多くが復活しました。一方で、長く続いた新型コロナウイルスの流行(以下、コロナ)は、私たちの生活スタイルや行動に少なくない影響をもたらしています。
この記事では、スマートフォンから得られる位置情報データなどを用いて、2019 年から 2023 年における娯楽施設や行楽地の人流の変化を見ていきながら、コロナ禍を経た生活者の「休日の過ごし方に対する意識・行動変化」について考えていきたいと思います。

コロナ禍を経た平日の人の動き

図1に、2020年1月を100%とした東京の主要4駅(新宿駅、渋谷駅、東京駅、池袋駅)を合わせた平日昼、平日夜それぞれの人流と、コロナへの不安意識を月ごとに示しました。人流データはドコモの携帯電話ネットワークのしくみを使用してエリアごとの人流データを提供する「モバイル空間統計®」を用いました。全体の傾向として、コロナに対する不安が小さくなるとともに人流は回復していますが、昼と夜でその経過には違いがありました。

昼の時間帯では、2023年の4月で90%まで人流は回復しましたが、第9波とも言われる夏から秋にかけてはコロナに対する不安が増加し、人流も減少傾向になりました。その後、秋から冬にかけてコロナへの不安が減少し、人流が増加傾向に転じた結果、12月にはコロナ禍に入って以来最高の水準となる91.2%まで回復しました。定着しつつあった「リモートワーク」ですが、直近のデータ傾向からは徐々に出社をする人が増えてきたことがうかがえます。

夜の時間帯は昼の時間帯と比べて人流の回復が遅れていましたが、2023年12月には前月から大きく増加し、85.8%まで回復しました。2022年まではアフターファイブの過ごし方として 自宅でゆっくり過ごす生活スタイルが定着していたかと思われましたが、 2023年はコロナの不安も少なくなったことで忘年会などが増加し、人流が回復したのではないかと考えられます。

図1

東京の主要4駅(新宿駅、渋谷駅、東京駅、池袋駅)の平日昼・夜の人流と新型コロナへの不安

コロナ前後における休日の人流変化

ここからは、娯楽施設や行楽地などの人流データから、2019年から2023年にかけての休日の過ごし方の変化を見ていきましょう。

図2は夏に人が集まるプール、海水浴場、遊園地、ショッピングモールの昼間の人流変化を、図3は飲み会でよく利用される東京の主要4駅とクリスマスマーケットの冬の夜の人流変化を示しています。

図2

夏の娯楽施設・行楽地の人口推移(8月の休日14時台 2019年-2023年で比較)

図3

冬場における人口推移(12月の休日20時台 2019年-2023年で比較)

プールや海水浴場、遊園地、東京の主要4駅はコロナの影響を受け、2020、2021年と営業停止や、入場制限などにより来訪者が大きく減少し、2023年でもコロナ前とおなじ水準までは回復していないことがわかります。一方で、ショッピングモールやクリスマスマーケットでは、コロナ禍でも来訪者数を大きく減少させることがなく、2023年にはコロナ前以上に来訪者が増加していました。

まず、コロナ禍でも来訪者の減少が顕著でなかった理由としては、徹底したコロナ対策が挙げられます。ショッピングモールやクリスマスマーケットでは、一度に入れる人数を制限したり、チケット制にしたりすることによって、密にならない施策が行われていました。また、食事をする際にはアクリル板を設置するなど、感染を防ぐための施策も徹底されており、安心して訪れられる場所となっていました。
では、ショッピングモールやクリスマスマーケットでコロナ前以上に来訪者が増えているのはなぜでしょうか。次の章でもう少し詳しく見てみましょう。

ショッピングモール・クリスマスマーケットの来訪者分析

ショッピングモールとクリスマスマーケットの来訪者の増加について、さらに詳細にデータの分析をしていきます。図4は8月の14時台のショッピングモールの来訪者を、図5は12月の20時台のクリスマスマーケットの来訪者を、それぞれ性年代別に出して2019年と2023年で比較した結果です。

図4

図5

どちらの施設も全年代で来訪者数が増えています。幅広い層でショッピングモールやクリスマスマーケットの人気が向上していることがうかがえます。近年では物価が上昇傾向にあると同時に生活者の節約志向が強くなっています。遊園地やプールなどの施設では入場料やお土産などの価格が上昇していますが、ショッピングモールは入場料がなく、クリスマスマーケットも入場料がかかった場合でも500円程度と、あまりお金をかけずに楽しめることが評価されているのではないでしょうか。また、ショッピングモールやクリスマスマーケットでは、買い物だけでなく食事やイベントなどの多様な選択肢から自分の好きなことを選んで好きに時間を使うことができ、誰でも楽しむことができる施設になっていることが、来訪者を伸ばしている一因になっているのではないかと考えられます。

中でも特に来訪者が増加しているのは20代です。ショッピングモールは約1.5倍、クリスマスマーケットでは約2倍と、ほかの世代と比較しても大きく来訪者数を伸ばしていることがわかります。20代が友達や恋人と訪れる場所として、遊園地やプールなどのレジャー施設だけでなく、ゆっくりできるショッピングモールやクリスマスマーケットが積極的に選択されるようになっているのではないかと考えられます。

コロナによる自粛が緩和されたことから外食する頻度も増えてきました。InstagramなどのSNSで知った食事やスイーツをもとめてショッピングモールや商業施設を訪れる、といった新しい動きも、ショッピングモールやクリスマスマーケットへの若年層の来訪者が伸びている一因かもしれません。

アフターコロナの休日の過ごし方

この記事では、休日の様々な外出先に着目して、コロナ禍での人流の落ち込みとその後の回復についてみてきました。データからは、プールや遊園地などの行楽地の人流がいまだコロナ前の水準には回復していないのに対し、ショッピングモールやクリスマスマーケットはコロナ前以上の賑わいをみせていることが分かりました。

2024年はさらなる人流の回復が期待されます。しかし、異常気象ともいえるほどの猛暑や暖冬傾向にあること、物価の高騰など、生活者の行動に影響を与えうる変化は次々に起こっています。その中で生活者は、近場で、快適に、あまりお金を使わずに楽しむことを求めるようになっているようです。このような環境や生活者の需要の変化を早くとらえて施策につなげていくことが、コロナ前以上に、休日の過ごし方として選ばれる鍵になるのではないでしょうか。


モバイル空間統計®
ドコモの携帯電話ネットワークのしくみを使用して作成される人口の統計情報です。
集団の人数のみをあらわす人口統計情報であるため、お客様個人を特定することはできません。
インテージは「モバイル空間統計」の1次販売店です。
※モバイル空間統計®は、株式会社NTTドコモの登録商標です。

著者プロフィール

古茂田 翔(こもだ しょう)プロフィール画像
古茂田 翔(こもだ しょう)
事業開発本部 プラットフォームデータビジネス部 セールスエンジニア
武蔵野大学データサイエンス学部卒業。大学時代に位置情報データを活用したWebアプリを開発。2023年に大学卒業後インテージに入社し、位置情報データを用いてお客様課題の解決に従事。
趣味は硬式テニスと小物集め。

事業開発本部 プラットフォームデータビジネス部 セールスエンジニア
武蔵野大学データサイエンス学部卒業。大学時代に位置情報データを活用したWebアプリを開発。2023年に大学卒業後インテージに入社し、位置情報データを用いてお客様課題の解決に従事。
趣味は硬式テニスと小物集め。

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