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センター員もりもとの生活者研究記録 【Vol.3】男性の化粧品購入をインタビューで掘り下げる

ごあいさつ

こんにちは!生活者研究センター 森本です。
2021年、早くも半分が過ぎ去っており、年々早くなる1年のスピードに気持ちが追いつきません。
バスケのB.Leagueもシーズンが終了し、毎日飛び交う移籍情報に一喜一憂しています。余談ですが、わたしの推しの選手は移籍が決まりました。寂しいような、でもプレータイムが伸びるのであれば嬉しいような、21-22シーズンが待ち遠しい、今日この頃です。

今回のテーマは・・・・

さて、前回のVol.2では基礎化粧品を購入している若年男性を定量データで分析いたしました。定量データから見る“女性用の基礎化粧品を使う若年男性”はコスパやパッケージデザインを重視する傾向がありました。では、そもそもどういった経緯で女性用を自分向けと認識しているのでしょうか。このような実態をさらに深堀したくなったため、今回は定性的にインタビューをしました。購入に至る経緯などをさらに深堀し、若年男性へのアプローチのヒントを探っていきたいと思います。

女性用化粧水利用男性 実態調査インタビュー

インタビューの対象者は、筆者であるわたしの知人から選定いたしました。
(同僚から話を聞くのが一番手っ取り早くはあったのですが、業種除外の対象となる同僚を対象にするのはいかがなものかと思い・・・。)

選定にあたって、Instagramのストーリーズのアンケート機能を用いて、化粧水を利用している男性が“男性用”と“女性用”どちらを利用しているかを確認し、回答者の中から業種や年齢を加味してインタビューの依頼をしました。(SCRとインタビューがぱっと自分だけでできるなんてすごい時代です)

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今回は対象者(男性用化粧水利用者1名/女性用化粧水利用者1名の計2名)に対して、
(1)現使用品の購入に至るまでの行動・気持ち
(2)スキンケア全般に対する行動・気持ち
(3)その他自身に投資していることを、インタビューいたしました。

これらの回答から、若年男性の化粧品購入について考察を深めていきたいと思います。

(1)現使用品の購入に至るまでの行動・気持ち

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インタビューをしてまず驚いたのが、たまたまとはいえ、2人ともコロナ禍のマスク着用によるニキビ悩みで現使用品を選択・購入していたということです。「肌の粗が逆にマスクで隠せてよいかも」という考えもある一方で、彼らにとってニキビは隠すのではなく無くしたい・取り除きたい対象であること、そしてその対処法として“化粧水”が選択されているところにイマドキっぽさが伺えます。

また、前回のプロファイリング分析から、「男性用基礎化粧品購入者」は情報収集を積極的に行い、品質を重視するという特徴が出ていました。Bさんのインタビューの結果からも、Instagramやインターネットでのクチコミなど複数の媒体を駆使して情報収集を行い、より効果の高そうなものを選んでいる点が伺え、プロファイリング分析と一致しています。
AさんBさんともに、商品購入時には“男性用”、“女性用”との区別はしておらず、「自分の悩みを解決してくれるものはなにか」という視点で商品を選んでいるようです。

情報収集に関しては、AさんBさん共通して、SNSやインターネットが中心。知りたいことをダイレクトに検索窓に打ち込み、そのままECで購入している点が特徴的です。

(2)スキンケア全般に対する行動・気持ち

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前回のプロファイリング分析では、「女性用基礎化粧品利用者」はコスパ重視の特徴が出ていましたが、Aさんのインタビューをして分かったのは、ここでいう“コスパ”というのは価格を気にするいわゆる価格コンシャスのようなイメージではなく、“コストパフォーマンス”であるということ。安すぎても効果が不安、自分の手の届く価格で、価格に見合った効果がありそうなもの、を選び購入しているようです。またAさんはコスパ以外にもパッケージデザインも重視するとのこと。これも前回の分析の結果と一致しており、Aさんが商品検討段階で『無印良品』『オルビス』で悩んでいるところからも、華美な装飾のないシンプルでスタイリッシュなものを好む様子が、手に取るようにわかります。

(3)その他自身に投資していること

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インタビューをしていたら、お2人に共通して出てきたのが「ヒゲ脱毛」。Aさんはもともと気になっていて、Bさんはニキビ対処の一手段として、ということで理由は異なりますが、ファイスケアへの投資が男性にとっても身近になってきていることがわかります。

余談ですが、ボルダリング仲間の男性は、タンクトップで登るために腋毛の脱毛を始めたと言っていました。今や脱毛は女性だけのものではないようです・・・!

おわりに

化粧水購入者実態インタビュー、いかがでしたでしょうか。

インタビューをしてみて、もちろん今回はそれぞれ1名、計2名のインタビューになるので、一概にはこの通りと言えませんが、女性用男性用という区別はしておらず、“自分のニーズを満たすものは何か”という視点で自ら情報収集を行い購入に至っていることがわかりました。
(他にも何人かに雑談程度で話を聞いてみると、「女性用を使っていたけどなんとなく自分の肌に合っていないような気がして男性用に変えた」と話していた方もいました。)
また、大きな傾向として、情報収集~購入までをインターネットで完結させる点が特徴的です。

女性と違い、ドラッグストアや百貨店等、店頭に行って比較検討することが少ないため、店頭での視認性よりも調べた時に適切な場所に適切な情報があるか、気になったときにすぐに購入できるかどうか、ということが重要になりそうです。

2回にわたる男性の化粧品市場分析、少しでもみなさまのビジネスのお役に立てましたら幸いです。

 


生活者研究センター概要

インテージの生活者理解の拠点として2020年8月3日に誕生。
長きにわたり蓄積している生活者の消費行動やメディアへの接触行動、さらには生活意識・価値観データなど膨大な情報を連携・横断して用いるとともに、社内の各領域におけるスペシャリストの知見を織り合わせることにより、生活者をより深く理解し、生活者を起点とする情報を発信・提供することを目的として設立された。また、お客様への直接的な貢献を目的として、共同研究や具体的なプロジェクトへの参画などにも積極的に取り組んでいく予定。


著者プロフィール

生活者研究センター コンシューマーチームリーダー 森本 瑠奈(もりもと るな)プロフィール画像
生活者研究センター コンシューマーチームリーダー 森本 瑠奈(もりもと るな)
2016年インテージへ新卒入社。2018年までインテージのアンケートモニターであるキューモニターの管理・運営を担当。
2018年から社内の膨大なファクトデータを用いた生活者のプロファイリング分析ツール「生活者360°Viewer」の開発プロジェクトに参画。
現在は生活者研究センター コンシューマーチームのリーダーとして、事業開発、商品・サービス開発、コミュニケーション・プランニングなど幅広い領域において、生活者理解を武器としたコンサルタントを行っている。
コロナ禍でのマイブームはパン屋さんを目的地にしたお散歩。時間と体力が許せば2時間以上歩き続けてパン屋さんを3軒ハシゴすることも。
趣味はスポーツ観戦で、B.League(バスケ)とXLeague(アメフト)の試合に足繁く通う。

2016年インテージへ新卒入社。2018年までインテージのアンケートモニターであるキューモニターの管理・運営を担当。
2018年から社内の膨大なファクトデータを用いた生活者のプロファイリング分析ツール「生活者360°Viewer」の開発プロジェクトに参画。
現在は生活者研究センター コンシューマーチームのリーダーとして、事業開発、商品・サービス開発、コミュニケーション・プランニングなど幅広い領域において、生活者理解を武器としたコンサルタントを行っている。
コロナ禍でのマイブームはパン屋さんを目的地にしたお散歩。時間と体力が許せば2時間以上歩き続けてパン屋さんを3軒ハシゴすることも。
趣味はスポーツ観戦で、B.League(バスケ)とXLeague(アメフト)の試合に足繁く通う。

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