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生活者インデックスデータ

With コロナ ~長いながいトンネルの先に

この記事は、インテージが生活者理解の拠点として立ち上げた、生活者研究センターのセンター長 田中宏昌による「Withコロナの新しい日常」に関するコラムの第16弾です。

1. はじめに

一日の感染者数が過去最多の25,851人を記録した感染拡大の第5波。この拡大に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が10月1日からすべて解除となりました。飲食店では営業時間の短縮やアルコール類の提供時間の制限などはありますが、ようやく通常営業への兆しが見えてもきました。

新型コロナワクチンの2回目までの接種率もNHKのニュースによると全人口で64%、そのうち、12~19歳は34%、20代は46%となっており、着実にワクチン接種も進んでいるようです(10月11日現在)。※1

振りかえると2021年は年明けすぐに緊急事態宣言やマンボウが発令されて、9月30日までの9か月間で国内においてそうした宣言がなかった日数はわずかに28日しかありませんでした。

ようやく長いながいトンネルの先にわずかですが灯りが見えてきたようにも思います。

2. 第5波の鎮火とともに ~ 内閣府 景気ウォッチャーから ~

内閣府が景況感の把握のために実施している調査に「景気ウォッチャー調査※1」があります。この景気ウォッチャー調査はさまざまな仕事に従事する約2000人に現在と将来における景気の実感を質問し、指数化して発表をしています。
最新の調査結果(9月データ:10月10日リリース)では、現在の景況感をあらわす「景気の現状DI」や将来的な景況感をあらわす「景気の先行きDI」は「家計動向」、「企業動向」、「雇用」ともに回復に向かっています(図表1)。

一時は全国の一日の新規感染者数が25,851人(8月20日時点)に達して病床がひっ迫し、東京における感染者の自宅待機人数が2万人を超える日もありましたが、10月11日現在、新規感染者数は全国で一日369人と大きく減少に転じています。また、緊急事態宣言なども解除されたことから、各業界・業種ともに、少しずつ回復への希望を抱き始めたように感じます。
以前も同じように感染者数の減少とともに、現状DI、景気の先行きDIが回復することが繰り返されてきましたが、今回は新型ワクチンの2回接種の普及もあり、やや強い回復傾向にあるように思います。

図表1

内訳を見ていくと、この間厳しい状態が続いた「飲食関連」も大きく回復に転じています(図表2)。他の指標と比べると営業時間やアルコールの提供に関する制限があること、さらには、まだまだお客様の戻りに時間がかかることから厳しい見通しであることには変わりはありませんが、ワクチン接種の更なる普及とともに回復の兆しが本物であることを願いたいと思います。

図表2

3. 新型コロナ感染不安もようやく減少へ

定点で追い続けている新型コロナの感染拡大不安をはじめとしたさまざまな「不安」についても見ていきましょう。

新型コロナ感染不安は新規感染者数の減少を受けて減少に向かっています(今回60%、前回64%)。また、「今後3ヵ月先」として尋ねている今後の家庭の暮らし向きについては、「今より悪くなる」も緩やかながら減少に向かいました(今回13%、前回12%)。先の景気ウォッチャーの回復傾向と同様にようやくトンネルを抜けて、という気分が芽生えてきたようです。

一方の「家計の節約を心がけている(節約意識)」については大きな動きはなく59%の方があてはまるとしています(前回60%)。節約意識に関しては、経済や景気、さらには家計の回復がより強く影響を及ぼすため、新型コロナの収束とは異なる根深さがあるため回復までにはもう少し時間がかかりそうです(図表3)。

また、「飲食店での食事」や「テーマパークや繁華街・人が集まる場所への外出」、さらには「国内旅行」といった不特定多数の人との接触リスクが心配される場所への外出行動についても不安は大きく減少しています(図表4)。これまでにないほどの猛威を振るった第5波の感染者数が減少に転じていることやワクチン接種の広がりによって、生活者に安堵が広がっているようです。
これまで新規感染者数の動きに合わせて増減を繰り返してきた行動不安。慎重な見方では寒くなる時期に感染拡大が再び、という意見もあります。また、3回目のワクチン接種についても議論が進み、12月から開始、とのニュースも目にしました。そうした状況を勘案しながら、まさに慎重に周囲を探りながら日常を取り戻していくのかもしれません。

図表3

図表4

4. 日常への兆し ~年末・年始の旅行や帰省への期待

「国内旅行」をはじめとした外出行動に関する不安が減少していることから、今回の調査では年末・年始の旅行や帰省の予定について質問をしてみました(図表5)。

今年のお盆休みは第5波感染拡大に伴う行動抑制が感染拡大の状況に合わせて都道府県ごとにアナウンスされていましたが、この年末・年始については、ご実家への帰省を予定している方も1割ほどいらっしゃるようです。また、「国内の日帰り旅行(6%)」あるいは「宿泊ありの国内旅行計(10%)」を予定している人もおり、長いトンネルを抜けて、ホッと一息、という機運も芽生えてきたようです。一方で、「海外への旅行」を予定している人はわずかとなっており、海外の新型コロナの感染者の発生状況や海外への渡航条件などを落ち着いて確認しつつ、という状況のようです。

図表5

感染拡大不安をはじめとした行動不安もほんの少しだけ緩和され、景気への期待も膨らんできたようです。まだまだリバウンドの心配をしつつも、一方ではワクチンの普及などとともに明るい兆しも感じ始めているのでは、と思います。この間、特にダメージが大きかった飲食業や旅行などへの意向が戻ってきていることは、なによりもうれしい兆しでした。

まだまだ予断を許さない状況ではありますが経済や家計もまた確かな「実感」とともに少しでも回復へ向かってくれたら、と思います。

おわり
※1 NHK ニュース9(2021.10.11放送)   
※2 内閣府 景気ウォッチャー(DI ※ディフュージョン・インデックス)

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生活者研究センター概要

インテージの生活者理解の拠点として2020年8月3日に誕生。
長きにわたり蓄積している生活者の消費行動やメディアへの接触行動、さらには生活意識・価値観データなど膨大な情報を連携・横断して用いるとともに、社内の各領域におけるスペシャリストの知見を織り合わせることにより、生活者をより深く理解し、生活者を起点とする情報を発信・提供することを目的として設立された。また、お客様への直接的な貢献を目的として、共同研究や具体的なプロジェクトへの参画などにも積極的に取り組んでいく予定。


著者プロフィール

生活者研究センター センター長 田中 宏昌(たなか ひろまさ)プロフィール画像
生活者研究センター センター長 田中 宏昌(たなか ひろまさ)
1992年 広告代理店系の調査会社に入社。1994年より親会社の広告代理店における生活者データベースの立ち上げメンバーとして参加。以後、2012年まで、広告代理店の消費者研究や広告コミュニケーションプランニングセクションに駐在勤務する形で、広告コミュニケーションプランニングや商品・サービス開発の場面などで、データに基づく生活者理解をテーマとしてプロジェクトを支援してきた。その間、消費財、耐久財、サービスなどさまざまな領域を担当。
思春期よりTVCMの映像やコピーに魅了され、TVCMだけを録画して繰り返し見るような子どもだった。記憶に残る作品を選ぶとすれば「1983年 サントリーローヤル ランボオ編(広告代理店 電通)」と「2004年 ネスカフェ 谷川俊太郎 朝のリレー・空編(広告会社 マッキャンエリクソン)」を迷うことなくあげる。趣味は自転車(ロードバイク、マウンテンバイク)、落語鑑賞など

1992年 広告代理店系の調査会社に入社。1994年より親会社の広告代理店における生活者データベースの立ち上げメンバーとして参加。以後、2012年まで、広告代理店の消費者研究や広告コミュニケーションプランニングセクションに駐在勤務する形で、広告コミュニケーションプランニングや商品・サービス開発の場面などで、データに基づく生活者理解をテーマとしてプロジェクトを支援してきた。その間、消費財、耐久財、サービスなどさまざまな領域を担当。
思春期よりTVCMの映像やコピーに魅了され、TVCMだけを録画して繰り返し見るような子どもだった。記憶に残る作品を選ぶとすれば「1983年 サントリーローヤル ランボオ編(広告代理店 電通)」と「2004年 ネスカフェ 谷川俊太郎 朝のリレー・空編(広告会社 マッキャンエリクソン)」を迷うことなくあげる。趣味は自転車(ロードバイク、マウンテンバイク)、落語鑑賞など

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