arrow-leftarrow-rightarrow-smallarrow-topblankclosedownloadeventfbfilehamberger-lineicon_crownicon_lighticon_noteindex-title-newindex-title-rankingmailmessagepickupreport-bannerreportsearchtimetw

情報発信にも積極的な「口コミ重視者」に刺さるコミュニケーションをするには?

昔から、多かれ少なかれ、わたしたち生活者の消費行動に影響を及ぼしてきた口コミ。インターネットの普及で情報量が爆発的に増え、SNSが重要なコミュニケーション手段として定着している現代において、口コミは量的にも質的にも大きく広がり、わたしたちの生活に及ぼす影響力も大きくなっています。
インテージの生活者価値観データベース『i-SSP® Media Profiler』のデータによると、「この1年で、買い物中に商品の口コミや評価を調べた」人は全体の約25%も。この口コミの影響を受けやすい人はどのような人なのか、その消費行動や生活価値観を理解することで、口コミで生活者を動かすコミュニケーションのヒントが得られるのではないでしょうか。

今回はインテージの生活者プロファイリングサービス『生活者360°viewer』を使って、「口コミで評判のものに弱い」と回答し、かつ「この1年で、お店で買い物中に商品の口コミ・評価を調べた」と回答した人を「口コミ重視者」と定義して、その特徴を男女別に調べてみました。

口コミ重視者は情報収集だけでなく、よい情報を発信・循環させる情報サーキュレーター

口コミ重視者は男女ともに、10代から30代の若年層が多くなっています。(図表1)

図表1

kuchikomi_02.png

まずは男性に注目してみましょう。男性の口コミ重視者は、情報に関してどのような行動をとっているのでしょうか。図表2に特徴的な項目を示しました。 意思決定をする前にSNSなどでたくさんの情報を集めて検討したり、気になったことがあるとすぐにインターネットで検索をしたりといった、情報収集にアクティブな、情報処理能力が高い人物像が浮かび上がってきます。
さらに、情報を集めるだけでなく、「自分で良いと思ったり気に入った商品を、自信を持って人に薦める」など、自らが発信者になっている人が多いという特徴もみられました。男性の口コミ重視者は、自分で調べたい・選びたい・判断したいという情報収集へのこだわりがあるだけでなく、情報の発信者として周囲に影響を及ぼしているようです。

図表2

kuchikomi_03.png

同様に、女性の口コミ重視者の、情報に関する特徴的な行動を見てみましょう。男性の口コミ重視者同様、情報収集に積極的で、ソーシャルメディアへの関与も高いようです。(図表3)
そして集めるだけでなく、情報を自分の中で消化して自ら発信者にもなっている点も男性の口コミ重視者との共通点です。

図表3

kuchikomi_04.png

もう少し情報収集について掘り下げてみると、「その道のプロや専門家が薦めているものを選ぶ」という項目が高いことから、インターネット・SNSだけでなく、テレビや雑誌などそれ以外のメディアからも情報を収集しており、情報に対してとても貪欲で処理能力が高い人たちであると想像できます。(図表4)

図表4

kuchikomi_05.png

男女ともに、口コミ重視者は、口コミを気にしてチェックするだけでなく、情報を集約、選別して自らも発信するという、情報の拡散の一翼を担うアクティブな側面を持っている人が多いことがわかります。

このような良い情報を拡散し循環させてくれるような特性は、マーケティングにおけるコミュニケーション施策を考えるうえで非常に重要な人たちだといえるでしょう。

男性の口コミ重視者は「ワンランク上にこだわるアクティブな先進派」

図表5は生活の中で大切にしていることやこだわりがあることについて、男性の口コミ重視者で特徴的だった項目です。ショッピングをする時間を大切にし、スマートフォンやテレビ・AV機器といった生活スタイルを形作るものにこだわりを持っている人が多いということがわかります。

図表5

kuchikomi_06.png

こだわりの裏側にはどのような価値観があるのでしょうか。生活についての考え方を見たところ、特に特徴的だったのは「人よりも、ワンランク上の生活がしたい」という意識。男性全体と比較して24ポイントも高くなっていました。(図表6)

図表6

kuchikomi_07.png

普段の買い物行動からは「日本ハムの豊潤」や、「湖池屋のKOIKEYA PRIDE POTATO」といった、価格帯が1つ上のプチ贅沢を味わえる商品を購入する人が多い傾向がみられました。(図表7)
また、家でもお店でも、サワー、チューハイ、カクテル、梅酒など多様なお酒を飲んでいるようです。ちょっといいものを食べたり、いろいろなお酒を飲むことも、彩り豊かな「ワンランク上の生活」なのかもしれません。

図表7

kuchikomi_08.png

では男性の口コミ重視者に購入してもらうためにはどのようなコミュニケーションが必要なのでしょうか。「響く言葉」を見ることで、購入を促すためのヒントを探ってみましょう。
男性の口コミ重視者に響きやすいのは「限定」「No.1」「人気」「贅沢」といった言葉。(図表8)ワンランク上の生活を実現する希少価値があるものや贅沢なものに惹かれるだけでなく、意外と「NO.1」「人気」といった分かりやすい言葉にも弱いようです。

図表8

kuchikomi_09.png

さらにもう一つ、男性の口コミ重視者に特徴的な価値観として、先進的なことや新しいことにも積極的な傾向が見られました。(図表9)企業の新しい取り組みにも積極的に興味を持ってくれる貴重な人たちと言えそうです。

図表9

kuchikomi_10.png

男性の口コミ重視者には「こだわりが強く、世の中の先端をいく新しい生活や、ワンランク上のちょっと贅沢な生活を望んでいる」という価値観が見られました。彼らのアンテナに引っかかるようにするためには、前述した「限定」「贅沢」といった響く言葉に加えて、「こだわり」「ワンランク上」「最先端」といったキーワードも刺さりそうです。

女性の口コミ重視者は、承認欲求から「たくさんの情報を集めてよいものをみんなにもシェア」

女性の口コミ重視者の、生活におけるこだわりが特に見られたのは、美や健康に関する領域です。(図表10)ダイエットへの関心がとても高く、こだわりを持って美を追求する美意識の高さが見られます。

図表10

kuchikomi_11.png

このこだわりの裏で、どのようなことに重きを置いて生活しているのか、その価値観の特徴が表れているのが図表11です。普段の生活で「周りの人たちから愛されること」を大切にしていたり、「人に認められたい/尊敬されたい」といった承認欲求が強いことが読み取れます。その価値観が、前述の美へのこだわりや、「他人を楽しませたり喜ばせたりすることが好きだ」「楽しいことややりたいことは誰かと分かち合いたいほうだ」といった、利他的な行動志向につながっているようです。

図表11

kuchikomi_12.png

彼女たちに刺さるコミュニケーションのヒントを探るべく、「響く言葉」を確認してみると、「No.1」、「人気」といった口コミ重視者らしい言葉に加えて、「ロングセラー」が女性全体と比較して高い傾向が見られます。(図表12)実際に「ブルボン プチシリーズ」や「カルビー じゃがりこ」といったロングセラー商品が特徴的に買われていました。(図表13)他人と分かち合うことを好む女性の口コミ重視者たち。こんなロングセラー商品をみんなでシェアして食べているのかもしれませんね。

図表12

kuchikomi_13.png

図表13

kuchikomi_14.png

女性の口コミ重視者の特徴からは、自分のためだけでなく周りの人のためにも、様々なルートからたくさんの情報を集めて、良い物、楽しいことを積極的に発信して共有している、とてもアクティブな女性の姿が浮かび上がってきました。彼女らのアンテナに反応してもらうためには、前述した響く言葉に加えて、「プロが薦める」「みんなが喜ぶ」「みんなで楽しむ」「こだわりの」といったキーワードを含んだコミュニケーションメッセージが刺さりそうです。

「口コミ重視者」は男性女性ともに口コミを気にしてチェックするだけでなく、情報を集めて自分なりに消化しており、自ら発信するアクティブな側面を持つ人も多くいます。

したがって、口コミ重視者に刺さったコミュニケーションは、その口コミ重視者によって再発信されて、ポジティブに拡散していく可能性が高いということになります。「限定」「贅沢」「みんなで」といった、彼ら、彼女らの心に響く要素を上手に活用して、口コミ重視者に刺さるコミュニケーションを実現することは、今後ますます重要になりそうです。

この記事で紹介した「生活者360°Viewer」のサービスを用いた「口コミ重視者」の詳細なプロファイルデータは、サンプルレポートとして無料でダウンロードしていただけます。


今回の分析は、インテージの提供するi-SSP Media Profilerのデータと生活者360°Viewerによる出力結果を用いて行いました。

i-SSP® Media Profiler】

生活者モニターからパソコン・スマホ・タブレット端末からのウェブサイト閲覧やテレビ視聴情報に関して収集しているi-SSPのモニターから、各種オフラインメディアの接触情報、生活時間や保有デバイスなどを幅広く聴取。生活者のオンライン、オフラインを含めた網羅的なメディア接触行動を捉えられるデータです。メディアプランニング、ターゲットプロファイリングの基礎データとしてご活用いただけます。

※i-SSP(読み方:アイエスエスピー)/シングルソースパネルは株式会社インテージの登録商標です。

【生活者360°Viewer】

多面的で精緻なターゲット像を描き出すことにより、生活者理解に基づいた商品・サービス開発やコミュニケーション・プランニングを支援する分析サービスです。インテージの持つさまざまなパネルデータを横断・連携した15,000項目におよぶ膨大なデータから、各お客様企業のマーケティング課題に応じて柔軟にターゲット・セグメントを設定することが可能です。

※さまざまなパネルデータを横断・連携するという性質上、出力結果のサンプルサイズはデータによって異なります。

転載・引用について

本レポートの著作権は、株式会社インテージが保有します。本レポートの内容を転載・引用する場合には、「インテージ調べ」と明記してご利用ください。お問い合わせはこちら

【転載・引用に関する注意事項】
 以下の行為は禁止いたします。
・本レポートの一部または全部を改変すること
・本レポートの一部または全部を販売・出版すること
・出所を明記せずに転載・引用を行うこと
・公序良俗に反する利用や違法行為につながる可能性がある利用を行うこと

※転載・引用されたことにより、利用者または第三者に損害その他トラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いません。
※この利用ルールは、著作権法上認められている引用などの利用について、制限するものではありません。