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スマホの利用率はどのくらいまで伸びた?2016年度のスマホ利用実態

スマホの機能やサービスは年々拡張されて多くの人にとって生活に密着したものとなり、生活行動に影響しています。最近では毎日のように情報番組で“インスタ映え”するモノや場所の情報が流れ、インスタグラムに載せるために食事や遊びの計画を立てるといった行動も珍しくありません。これもスマホのサービスが人の行動を変えた例。一日にスマホを触る回数が増えた人も多いのではないでしょうか?

今現在、スマホはどのくらい使われているのか、インテージでは、協力モニターのテレビ、パソコン、スマホのメディア接触ログを捉えたデータベース、i-SSPを使用し、この1年のスマホの利用実態を振り返ってみました。 

 

スマホの利用率はどのくらいまで伸びた?

図表1は2013年から2016年の4年間、パソコン、スマホ、タブレットの利用率を調査した結果です。
スマホの利用率は2015年から約10ポイント伸びて70%。パソコンの利用率が下がったこともあり、とうとうスマホの利用率がパソコンの利用率を上回りました。スマホの浸透はまだまだ進行中の様です。

図表1 デバイス別の利用率推移

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データ: マルチデバイス利用調査 (2016年12月実施) RDD調査 ※各年同様に調査を実施
対象:15歳~69歳男女 計9,000名

ちなみに、冒頭で触れたインスタグラム。スマホで自分の食べたものや行った場所の写真を撮ってそのまま共有する、生活に密着したスマホアプリの象徴的な例です。2016年 4月からの1年でどのくらい浸透が進んだかを見てみると、もともと多くの人が使っていた10代の利用率にはほとんど変化は見られませんでしたが、20代以上の利用率が伸びたことがわかります。
もちろん利用といっても見るだけの人もいるので一概には言えませんが、「インスタにあげるため」という、スマホがあるからこその行動を取る人は20代以上でも増えているのではないでしょうか。

図表2 スマホ利用者におけるインスタグラム利用率

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データ: i-SSP

Key Point 1

スマホの利用率は2016年にパソコンを越えた。インスタグラムは20代以上への浸透が進んだ。 

1日に何回スマホを触る?行動ログから見えたスマホの使い方。

すっかり生活に浸透したスマホ。一口に「スマホを利用する」といっても、電話をするときもあればアプリを使うときもあります。また、ロック画面上でメッセンジャーの通知を確認するだけのときもあれば、時計代わりに時間を確認するときもあります。それでは実際、1日に何回スマホを使っているのでしょうか?

i-SSPの行動ログデータを用いて「スマホの利用回数(ロック画面で通知、時間などを確認した回数も含む)」とそのうちの「ロックを解除した回数」、さらに「一日にスマホを利用する時間」を調べてみました。
1日にスマホを利用する回数はロック画面での通知チェックなどを含め48回。そのうちロックを解除して使うのは23回と2回に1回はロックを解除している事がわかりました。(図表3)

スマホユーザーの平均的な利用時間は3時間14分ほどでしたが、1日に6時間以上スマホを利用するヘビーユーザーでも、スマホの利用回数自体は50回ほどで、平均的なユーザーとほぼ変わりませんでした。ヘビーユーザーは1回あたりのスマホ利用時間が長い、ということのようです。

図表3 1日のスマホ利用実態

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データ:i-SSP データ期間:2017年1月 ※利用回数、利用時間は中央値を採用

この利用回数を性年代間で比較すると(図表4)、男性より女性が、そして年代が若いほど利用回数が高いという傾向があり、10~20代女性の利用回数は60代女性の約2倍となっていました。やはり若年層ほど、よりスマホが生活に密着したものになっているようです。

図表4 一日のスマホの利用回数(性年代別)

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データ:i-SSP データ期間: ※利用回数、利用時間は中央値を採用

スマホの利用回数を時間帯別に見てみると、男女ともに朝7:00頃からスマホの利用回数が増えていき、12:00にピークを迎えていました。通勤時間、お昼休みに利用回数が増えている様子がうかがえます(図表5)。
その後午後は少し利用が落ち着き、18:00頃に2度目のピークが見られました。女性の利用回数は18時以降もしばらく多いまま。仕事終わりは頻繁にスマホを触るという人が多いようです。

 

図表5 時間別のスマホの利用回数(男女別)

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データ:i-SSP データ期間:2017年1月 ※利用回数、利用時間は中央値を採用

ここまで、アプリの利用有無に限らずスマホの利用実態を見てきましたが、そのうちアプリの利用状況はどうなっているのでしょうか。アプリを1日にどのくらい使っているかを調べてみたところ、1日に10種類、のべ利用回数は90回という結果でした(図表6)。

この10種類という結果は性別や年代によってあまり変わらない一方で、アプリの利用回数は若いほど多くなっていました。若い人ほどアプリに親しんでいる、とはいえ特別多くのアプリを使いこなしているというわけではない、ということのようです。

図表6 アプリ利用実態

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データ:i-SSP データ期間:2017年1月 ※利用回数、利用時間は中央値を採用

Key Point 2

人は1日にチェックを含め48回、3時間14分スマホを利用する。ロックを解除して利用するのは2回に1回。1日に使うアプリの種類は10種類で、90回ほど利用する。

どんな時にどのデバイスを使う?WEBサービスの使い分け

●スマホとパソコン、WEBサービスを利用するならどっち?

スマホがより生活に密着したものとなり、利用率がパソコンを上回ったとはいえ、併用している人もまだまだいます。ではどのように使い分けているのでしょうか?主要なWEBサービスについて、スマホでの利用率とパソコンでの利用率のどちらが高いのかを見てみました(図表7)。

結果としては、多くのサービスにおいて、スマホで利用する人の方が多いという様子が見られました。スマホが持ち歩いていつでもどこでも利用できるデバイスだからということもありますが、それぞれのサービスがスマホでの利用を想定したモバイルファーストな設計になってきており、使い勝手がよくなっていることも背景にあると思われます。一方でAmazonや楽天といったECサービスはパソコンで利用する人の方が多くなっています。商品の検討はパソコンで、といった行動を取る人が依然多いようです。

図表7 スマホとパソコンのサービス使い分け実態

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データ:i-SSP データ期間:2016年4~6月 ※利用回数、利用時間は中央値を採用

●アプリとブラウザ、スマホのサービスを利用するならどっち?

スマホでのサービス利用にも、アプリをダウンロードして利用するケースとWEBブラウザ内で利用するケースがあります。

アプリを使う主なメリットとしては目的に特化していて使いやすいことや、プッシュ通知などの便利な機能が使えることがありますが、いまどきはアプリとWEBブラウザをどのように使い分けているのでしょうか。主要なサービスについて調べてみました(図表8)。

目的に特化した利用が多いGoogle MapやYouTube、プッシュ通知機能が重要な役割を果たすFacebookやTwitterはアプリで利用する人がブラウザで利用する人より多く見られました。

一方で、アプリで利用する人よりもブラウザで利用する人の方が多いサービスも多数みられました。たとえば情報取得に関わるサービス。レシピやお店情報などはブラウザでも同様の情報が得られることが多いため、特定のサービス内の情報を得るよりもサービスの枠を超えて広く情報を得たいということでしょう。

また、Amazonや楽天といったECサービスはアプリで利用する人よりもブラウザで利用する人の方が相当数多く見られました。「どのECサービスで買い物をするか?」が先に決まっているわけではなく「これを買うならどこがいいか?」という買い方をするため、情報取得と同様にサービスの枠を超えてブラウザで広く探したい、ということの様です。

図表8 スマホアプリとスマホブラウザのサービス使い分け実態

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データ:i-SSP データ期間:2016年4~6月

Key Point 3

商取引はパソコン、情報検索はスマホのブラウザ、目的に特化したサービスはスマホのアプリ、とデバイスが使い分けられている

今はパソコン、スマホブラウザ、スマホアプリそれぞれの良さを踏まえてデバイスが使い分けされているという状況。今後ますます進むと思われるスマホアプリを中心とした機能・サービス拡張は、使い分けをはじめとしたデバイスの利用行動をどう変えていくのでしょうか。

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今回の分析には、i-SSPを用いました。i-SSPとは、インテージの主力サービスであるSCI(全国個人消費者パネル調査)を基盤に、同一対象者から新たにパソコン・スマートフォン・タブレット端末からのウェブサイト閲覧やテレビ視聴情報に関して収集したデータです。当データにより、テレビ・パソコン・スマートフォン・タブレット端末それぞれの利用傾向や接触率はもちろん、同一対象者から収集している購買データとあわせて分析することで、消費行動と情報接触の関係性や、広告の効果を明らかにすることが可能となります。また、調査対象者に別途アンケート調査を実施することにより、意識・価値観や耐久財・サービス財の購買状況を聴取し、あわせて分析することも可能です。

※ i-SSP(読み方:アイエスエスピー)/シングルソースパネルは株式会社インテージの登録商標です。