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スマホの利用率はどこまで伸びた?年代別の浸透実態

いまや多くの人にとって生活に欠かせないものとなっているスマホ。人によってはテレビに代わる存在であったり、決済の手段であったりと、その機能と活用の幅は広がっています。
現在のスマホの浸透状況はどのようになっているのでしょうか?
インテージが保有する調査データからみてみました。

スマホ利用率の最新データはこちらの記事で公開しています。

スマホの利用率はどこまで伸びた?

図表1は、2014年以降、7年間のインターネットの利用率とパソコン、スマホの利用率の推移です。調査は各年末に行っています。

図表1

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インターネットの利用率は、直近5年間、ほぼ横ばいとなっていますが、使用するデバイスは大きく変化しました。2016年にスマホの利用率がパソコンの利用率を上回って以降、スマホの利用率は伸び続け、2020年末には約80%に達しました。一方で、パソコンの利用率は下がり続けています。

この変化を年代別に追っていきたいと思います。図表2は年代別のインターネット利用率の変化です。

図表2
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10代~30代はほぼ100%に近く、それ以上の年代は、年代が上がるほど利用率が低くなっています。2020年末には40代が約96%、50代が約90%、60代が約75%となっています。
変化が特に大きかったのが60代です。2014年から2016年にかけて大きな伸びが見られ、その後も徐々に増加が続いています。

では、デバイスの利用状況の変化は、年代によってどのように違うのかを見てみましょう。(図表3)

図表3
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若年層では、2016~7年あたりでスマホ利用率はほぼ高止まりとなり、パソコンの利用率は減少傾向が見られています。
一方、40代以上では、スマホ利用率の増加が続いています。60代に至っては、2016年の13.3%から2020年の52.9%と、7年間で約40ポイントと急増しており、二人に一人が利用している状況となっています。
急激なスマホの浸透によって、60代もインターネットにアクセスしやすい環境になってきたと言えそうです。

ECサービスの利用実態

ECサービスを取り巻く環境もこの数年で大きく変わりました。フリマアプリの利用が進み、主要ECサイトがスマホアプリに注力するなどしています。4年前に知るGalleryで利用実態を調べた時には、既にスマホの利用が進む中でも「ECサービス利用は検討がしやすいパソコンで」といった行動が見られていました。

スマホの利用率がさらに増加した今、ECサービスの利用実態はどのようになっているのでしょうか?特に利用率の高い楽天市場、Amazon、メルカリの利用手段の変化をみてみましょう。

図表4は各サービスのパソコンのブラウザ、スマホのブラウザ、スマホアプリの3つの手段での利用率です。サービスによって、利用手段やその推移が異なることがわかります。

図表4
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楽天市場は、2016年時点ではパソコンのブラウザからの利用率が最も高くなっていましたが、2019年にはスマホのブラウザからの利用率が上回りました。スマホアプリの利用も徐々に増えていますが、依然としてスマホアプリよりもブラウザからの利用率が高くなっています。
ブラウザでのEC利用は初めから購買が目的ということばかりではなく、たまたま検索から行きつくということもあります。また、サービスを横断して、比較検討できるというメリットもあります。楽天市場はブラウザでの検索からたどり着いて利用するケースが多いのかもしれません。

Amazonはこの5年でスマホアプリからの利用率が大きく伸びており、スマホのブラウザからの利用率に追いつきそうな勢いとなっています。アプリ内であれば、Amazonの中で商品を選ぶことになります。様々な顧客囲い込み施策を行っているAmazonですが、利用手段の変化からも囲い込みが進んでいることが見てとれます。

メルカリは、Webでの機能が限定されていることもあり、もともとアプリからの利用が多く、継続的に利用率を伸ばしてきています。

サービスによって現時点の利用デバイスの特徴は違いますが、各社ともユーザーの囲い込みができるアプリの利用を促進する動きがあり、その影響でアプリ利用率が伸びていると言えそうです。

それぞれどのようなユーザーの利用が進んでいるのか、もう少し詳しく見てみましょう。
図表5は楽天市場アプリの利用率の変化を性年代別に並べたものです。

図表5
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楽天市場アプリは30-50代(女性は20代も)の利用率が高いことがわかります。特に女性の利用率が高く、全体的にも女性の利用が多いようです。楽天はポイント還元に特に力を入れており、リアル店舗での買い物にも使えるなど、ポイントの利便性が高いのが特徴です。やりくりが上手な中高年の女性に特に支持されているようです。
また、全ての世代でアプリの利用率が伸びています。年代が高いほど、まだまだモバイルのブラウザやパソコンのブラウザでの利用が圧倒的に多い状況ではあるのですが、徐々に浸透が進んでいます。

一方でAmazonアプリは全体的に男性の利用率が高く、特に10-20代男性の利用率が高くなっています。(図表6)

図表6
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楽天市場のポイント訴求に対して、Amazonはアプリのユーザビリティがよく、効率的に購入ができるという評価がよく聞かれます。この点が若年男性に評価されているのでしょうか。

最もアプリ利用率の高い10代男性についてAmazonの利用手段を比べると、スマホアプリからの利用がスマホブラウザ、パソコンブラウザからの利用を上回っていました。
20代以上では、パソコンブラウザからの利用がまだ多い状況にはありますが、スマホネイティブな10代には、スマホアプリが最も親しみやすい手段となっているようです。

SNSのアプリ利用率推移

次に、SNSのアプリ利用実態の変化を見てみましょう。
いまや情報発信やコミュニケーションの手段だけでなく、情報検索の場として定着した感のあるInstagram。その利用率は現在どの様になっているのでしょうか?(図表7)

図表7
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2020年の段階で、Instagramのアプリ利用率はほぼ約40%に。2019年にはFacebookを逆転しました。一方、2016年当時の利用率はFacebookとほぼ変わらなかったTwitterは徐々に利用率を伸ばし、2020年にスマホ利用者の約半数が利用しているという状態になっています。

Instagramは若年層、Facebookは中高年層といったユーザーイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?年代別にアプリ利用率の推移を比較してみました。(図表8)

図表8
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Instagramアプリの利用率は2016年時点で10代、20代で最も高く、若年層のSNSといったイメージがありましたが、この5年でその利用率は順調に増加し、同様に利用率を伸ばしている30代以下を大きく突き放したことがわかります。

一方でFacebookアプリの利用率は特に20代で大きな動きを見せています。16年には最も高かった利用率はこの5年で約20ポイント低下し、2020年には10代の次に低いという状況になりました。
30代以上でも、Instagram利用の増加とFacebook離れは緩やかに起きていますが、10-20代のSNS環境は特に大きく変化したことがわかります。

Instagramの利用実態については、もう一つ興味深いデータがあります。
ここまで、アプリの利用率を見ていますが、パソコンのブラウザでInstagramを見るというユーザーもいます。(図表9)

図表9

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このパソコンからの利用率、若年はこの5年間で特に変わっていないのに対して、50-60代においては徐々に増えてきています。60代に至っては、2020年のアプリでの利用率が約23%であるのに対し、パソコンブラウザでの利用率が約19%と、あまり差が見られませんでした。
スマホからよりもパソコンからの利用の方が、ハードルが低いのでしょうか、同じInstagramでも、年代によって利用目的や情報の探し方も異なるのかもしれません。

スマホを取り巻く環境は年々進化しています。幅広い年代に浸透が進み、アプリ利用行動も変化を続けています。まだまだ浸透は進むのか、知るGalleryでは定期的にその実態を明らかにしていきたいと思います。

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