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事例で解説! インターネットリサーチの進め方~調査設計編

これまで、知るギャラリーでは、「調査企画前のチェックポイント」や「課題設定・仮説の構築」といったプロセスの解説を通して、調査前の段階でリサーチの結果価値の大半が決まる、ということをお伝えし、課題整理のフレームワーク例やアンケート手法についてご紹介してきました。 具体的には、どのようにこの調査前のプロセスを進め、調査設計に落とし込んでいくのか、この記事では「開発中のサービスコンセプトの受容性確認」の調査を例に、そのステップを解説します。

過去の解説記事
アンケート調査の方法とコツ① アンケート調査の主な目的と役割・企画前のチェックポイント
アンケート調査の方法とコツ② 課題設定~仮説構築~調査手法の選び方編

調査設計ステップ1~目的の整理と仮説設定

今回は、以下の様なケースを想定します。

調査実施者:インターネットサービスのシステム開発を手掛ける企業
調査背景:昨今の経済環境・社会環境の変化により外食産業市場も大きな影響を受け、
様々な業態や新しいサービスコンセプトなどが登場し、飲食店間の競争も激化している。
この情勢の中、飲食店に消費者を誘導するための新しい飲食店検索サービス「自社ブランドA」の
開発・リリースを検討している。
調査目的:
・ターゲットの選定
・「自社ブランドA」の受容性把握
・「自社ブランドA」のコンセプトブラッシュアップ

この目的を果たす調査を設計するためには、現状の課題や仮説を具体的に整理する必要がありそうです。このような時にはマーケティングでよく使われるフレームワークを活用すると、ポイントをおさえながら効率的に課題や仮説を整理することができるので、いくつかフレームワークのバリエーションを持っておくとよいでしょう。今回は最もポピュラーなマーケティングフレームワークの一つである「3C」と「4P」を使用します【図表1】。
まず、「3C」と「4P」で整理する目的を確認しておきましょう。一般に「3C」と「4P」は以下の視点を確認するために用いられます(図表1)。

図表1

これを踏まえて、今回の事例での仮説を「3C」と「4P」で整理した一例が図表2です。なお、ここで課題や仮説を網羅しておくことが極めて重要です。図表2では1つの要素に対して1つしか課題・仮説を設定していませんが、実際には考えうる限りたくさん設定しましょう。一人で考え込むだけでなく、関係者とディスカッションすることも有効です。

図表2

このようにフレームワークを使用して視点と要素を分類して、仮説を必ず言語化しましょう。ビジネス課題や確認事項(調査項目)の抜け漏れを防ぐことができるとともに、関係者間で意思統一することができます。

調査設計ステップ2~調査課題・仮説と調査項目

次に整理した調査課題と仮説から、調査項目へと具体化していきましょう。ここでは「4P」の中の「Product(商品力)」を例に説明します(図表3)。

図表3

図表2で「扱う店舗数は十分か」という仮説を立てたので、それを確認する「利用できる店舗数の評価」という調査項目を起こします。先ほど『課題・仮説を網羅することが重要』と述べたのは、課題・仮説が漏れていると、この段階で調査項目として起こすことができず、調査項目から漏れてしまうことになるからです。

このようにして図表2で抽出した課題・仮説をすべて調査項目として起こします。こうして調査項目を網羅的に設定することができるというわけです(図表4)。

図表4

また、このように具体化することで「調査結果のまとめ」のイメージを作成することが可能になるので、余裕があれば作成することをお勧めします(図表5)。まとめイメージを作成することで、マーケティング課題を解決することができるかどうかが可視化されます。また、調査結果を踏まえた的確な意思決定を行うために、「利用意向が○%以上でなければ、コンセプトを練り直す」といった基準値やノルム値を社内ですり合わせしておくことも有効です。

図表5

調査確認ステップ3~調査対象者の条件設定

どのような対象者に対して調査を実施するかも、極めて重要な調査設計のポイントです。今回調査で受容性を確認したいサービスは「飲食店に消費者を誘導するための新しい飲食店検索サービス」なので、外食をしない人はターゲットとはいえません。また、いつも決まったお店しか利用しないため、インターネットで飲食店を検索するようなことがない人もターゲットではないでしょう。このように対象者条件を絞り込むことで、コストパフォーマンスが高い調査を実施することができます。

一方で、女性用の化粧品など明らかに男性はターゲットでないといったケースを除けば、一般的に性別や年齢は広めに設定しておくことが多いです。性年齢を比較することで、調査結果の解釈がしやすくなりますし、ターゲットと設定しなかった性年代がコンセプトに好意的に反応するといったケースもあるからです。今回はこれらのことを鑑みて、以下のように設定しました(図表6)。

図表6

このように、対象者条件を検討することは、ターゲットを確認することに他なりません。対象者条件が決まらなかったり、曖昧だったりするということは、ターゲットを明確にし切れていないということです。ターゲット設定の観点から抜け漏れがないようにチェックし、関係者と合意することが重要です。

終わりに

調査で有効な情報を得るためには、課題や仮説やターゲットを整理したうえで「誰に何を聞くか」を決めていくことが不可欠です。この記事では、これらを整理し、実際に調査設計に落とし込んでいく方法を「開発中のサービスコンセプトの受容性確認」という例に沿って解説しました。
次回は、今回設定した調査項目を調査票に展開する時に抑えるべきポイント、聞き方や選択肢選びのコツなどを具体的にご紹介する予定です。



調査が必要な背景・課題は様々で、調査テーマによって検討すべき論点も多岐にわたります。インテージの無料セミナー「i-collage インターネットリサーチの進め方~企画・設計編」では、この記事で紹介した事例以外にも様々な事例をご紹介しています。ぜひご参加ください。

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