

「新しい商品やサービスを開発したいけど、利用者のニーズがわからない…」
「社内で『本当にこのまま開発して大丈夫?』と聞かれてしまう…」
そんな悩みを抱えている方におすすめなのが、アンケート調査です。
アンケート調査は、生活者の声を集めて課題の把握や改善につなげる手段です。例えば、新商品のニーズ確認やサービス満足度の把握などに活用されます。現在は、短時間で多くの回答を集められるネットリサーチが主流です。
この記事では、ネットリサーチを活用してアンケート調査を成功させるための準備のコツをご紹介します。
記事を読んでわかること
・ネットリサーチ発注までのステップ
・リサーチの必要性を社内で納得してもらうためのポイント
・リサーチを成功させる「調査目的・課題・仮説」の整理方法
・調査会社の選び方
・調査会社とのやりとりで伝えるべきこと
ネットリサーチの進め方や具体的なアンケートの作成方法などは、「インターネットリサーチ(Web調査)の進め方・方法」や「アンケート調査の方法やコツ」で紹介していますので、この記事では、リサーチの担当になった方が、ネットリサーチを調査会社に発注するまでの準備に絞って解説します。ネットリサーチを依頼するには、次の4つのステップがあります。

ステップ1「社内説明」では、予算申請の為に、調査目的やメリットを社内に説明します。
ステップ2「調査会社へのオリエン準備」では、調査を行う目的や調査結果をどのように使いたいのかなどを調査会社に伝えます。ここが曖昧になると調査の過程で何度も変更が生まれる原因になるため、オリエン準備が一番重要なステップになります。
ステップ3「調査会社選び」では、オリエン後、調査会社から提出された見積や実績などを確認し、調査会社を選びます。
最後にステップ4では、「調査会社とのやりとり」を通じて、調査会社と一緒に具体的な調査設計や調査項目を作成していきます。
それぞれのステップについて、詳しく解説します。
ネットリサーチを始める前に、予算の獲得のために自社内の理解を得ることが大切です。
「その調査って本当に必要?」と聞かれたとき、どう答えますか?
重要なことは、「客観的なデータに基づき、リスクを押さえた投資が可能」「具体的な顧客像を共有でき、他部署間で意思疎通がスムーズになる」など、調査の有効性を会社視点で伝えることです。
| 社内で伝えるべき3つのポイント ・調査結果から分かること 調査する目的は何か ・調査結果を踏まえたネクストアクション 調査結果をどのように活用したいと思っているのか ・効率的な予算配分やコミュニケーションの円滑化など、会社のメリット 工数や予算の削減は数字で明記 |
特に「調査結果をどう次のアクションにつなげるのか」を具体的に話すと、納得感が高まります。
例えば、新規事業を計画中の場合、調査によって、市場や競合の動向や顧客の要望を把握することで、具体的な顧客像をイメージした商品開発の方向性を確認できます。また、調査データに基づく意思決定でリスクを減らし、数字で裏付けされた判断が可能になります。
こうしたメリットを伝えることで、社内の理解が得やすくなります。
オリエンテーション(略してオリエン)とは、調査をしようと思った困りごとや課題に対して、どのような調査結果が欲しいのかを調査会社に伝えることです。
では、何を伝えればいいのでしょうか?
ポイントは次の6つです。
| 調査会社へのオリエンで伝えるべき6つのポイント ・ 調査したいと思った背景 ・ 調査する目的、知りたいこと ・ 調査結果をどのように活用したいと思っているのか ・ 予算感 ・ 業務を依頼したい範囲(調査票・レポート作成の有無など) ・ いつまでに結果が必要か |
特に、「調査したいと思った背景」「調査する目的、知りたいこと」「調査結果をどのように活用したいと思っているか」は重要です。ここが曖昧だと、調査結果がぼんやりしてしまい、結局使えないデータになってしまいます。分かる範囲で構いませんので、なるべく具体的に調査会社へ伝えてください。
次に、仮説の整理について解説します。仮説の整理はオリエンまでに準備しなくても調査会社の支援を受けながら進行できますが、方法や重要性について理解しておくと、オリエンやその後の企画作成がスムーズになります。
アンケート調査では、マーケティングの目的を整理し課題を明確化して、仮説を立てます。より良い調査結果を得るためには、“具体的な”仮説を立てることが重要です。
オリエン時に、社内で課題と感じていることなど具体的に伝えると、仮説立てに役立ちます。
具体的にどのように課題設定と仮説立てを行うのか、例を挙げてそのコツを説明します。
「何を得て、どうしたいのか」「何が課題になっているのか」を明確にします。
例「新サービスの利用者が伸び悩んでいる。利用者を増やすために、ターゲットに合わせた施策を打ちたい」
「利用者が伸びないのは、認知度が低いからではないか?」
仮説があると、質問項目を絞り込め、調査結果を次のアクションにつなげやすくなります。
例「認知度が低い理由は、サービスの良さが伝わっていないからでは?」
「サービスを知るきっかけになるのは、SNSなどネットの口コミ?」
このように、オリエン前に課題や仮説をある程度整理しておくことで、調査会社との認識ズレを防ぎ、調査の質や活用度を高めることができます。完璧である必要はありませんが、「何に困っていて、何を知りたいのか」を言葉にすることが、満足度の高い調査への第一歩になります。
ネットリサーチを成功させるには、信頼できる調査会社を選ぶことが重要です。「価格だけ」ではなく、信頼性の目安として、次の4つの視点で比較しましょう。

調査会社を選ぶ上でまず重要なのが、営業担当者の対応の丁寧さです。こちらの要望や課題をきちんと聞き取り、質問に対して分かりやすく説明してくれるかは、大事なポイントです。また、提案内容や見積もり、実施スケジュールが明確に整理されていると安心です。
自社が依頼したい調査テーマや調査手法(アンケート、インタビューなど)に近い実績があるか、また自社と同じ業界での調査経験があるかを確認すると安心です。実績が豊富な会社ほど、想定される課題や注意点を踏まえた提案が期待できます。
調査結果を正しく活用するためには、調査の品質が担保されていることが欠かせません。例えば、品質管理のための社内体制が整っているか、データチェックやルールが明確に定められているかといった点は重要です。日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)など、業界団体に参加しているかどうかも、品質意識のひとつの目安になります。
アンケート調査では、回答者となる「モニター」の質と量も調査結果に大きく影響します。
特定の嗜好や行動に偏らず、幅広いモニターが揃っているか、また実際に回答してくれるモニターが十分にいるかを確認しましょう。モニター数が豊富であれば、ターゲット条件に合った調査設計がしやすくなり、より信頼性の高いデータを得ることができます。
信頼できるパートナーを選ぶことで、調査の精度が変わりますので、複数社に連絡をとり、比較検討してみてください。
調査会社を決めたら、いよいよ具体的な設計に入ります。
ここで重要なのは、調査を「どうやって?」「だれに?」「なにを?」を明確にし、調査会社に伝えることです。

最初に決めるのが、調査手法です。アンケート調査なのか、インタビュー調査なのかなど、調査方法を検討します。ここでは「数字で把握したいのか」「理由や背景を深く知りたいのか」といった目的を、調査会社に伝えることが重要です。
次に、調査対象となる人の条件を決めます。年齢、性別、利用経験の有無など、どのような人に聞くべきかを整理します。この条件設定が曖昧だと、欲しい結果が得られにくくなるため、調査会社と相談しながら具体化していきます。
対象者の条件が決まったら、何人に調査を行うか(サンプルサイズ)を決定します。サンプル数は、調査の精度・予算・スケジュールに大きく関わるため、目的に応じて現実的な人数を設定します。
続いて、具体的な調査項目を決めます。仮説や課題に基づき、「どんな結果が得られれば、次のアクションにつなげられるか」を意識しながら質問内容を整理します。
このように、調査会社とのやりとりは段階的に進みますので、すべてを最初から完璧に決めておく必要はありません。「何を知りたいのか」を軸に調査会社と相談しながら進めることで、スムーズに調査を進行することができます。
調査会社は、ヒアリングした内容をもとに、調査設計・実施スケジュール・費用を作成します。これらを整理した実施計画書や企画書が調査会社から提出され、内容を確認したうえで問題がなければ発注となります。
ここまでで、ネットリサーチを始めるための基本的な考え方、成功のカギであるオリエン準備、調査会社との進め方をご紹介しました。ぜひ、調査会社に相談しながら、実践してみてください。
もっと詳しいことを知りたい方向けに、無料でダウンロードできる「ネットリサーチ準備BOOK」にまとめています。「具体的な仮説」を作成するためのワークシートやアンケートの作成や集計方法を学べる無料資料を紹介していますので、ぜひチェックしてください。
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