新しいマーケティングのすすめ(29)
「コトラーのマーケティング5.0を実践しよう」
コトラーのマーケティング5.0で薦めていること
さて、私は「習うより、慣れよ」という言葉を実践するのが好きです。「慣れる」という行為には、「体験して感じる」、そして「理解する」という両方が含まれていることが、好きな理由でしょう。では早速、最近の私の体験例を紹介しましょう。
図1
皆さんもすでに利用しているであろうChatGPTを、私は書籍の概要や論文の大まかな理解の参考に使います。もちろん、成長途中のサービスであり、完璧ではありません。ちなみに、今回の事例の答えを、以下に紹介しましょう。
書籍「コトラーのマーケティング5.0」の概要を教えてください。 「コトラーのマーケティング5.0」は、フィリップ・コトラー(Philip Kotler)とエルンスト・ディプロ(Hermawan Kartajaya)によって書かれたマーケティングに関する重要な書籍です。この本は、従来のマーケティングのアプローチを超えて、新しい時代のマーケティングに焦点を当てています。以下に、本書の主要な概要を300文字程度で説明します。 「コトラーのマーケティング5.0」は、マーケティングの進化を捉え、現代のデジタル技術と消費者の変化に対応するための新しいパラダイムを提案しています。従来の4P(Product, Price, Place, Promotion)の枠組みを超え、5つの新しいA(Awareness, Acceptance, Appreciation, Action, Advocacy)に基づいています。 Awareness(認知): ブランドや製品についての認知を高め、顧客の関心を引きつけます。 Acceptance(受容): 顧客が製品やサービスを受け入れるための環境を整えます。 Appreciation(評価): 顧客体験を向上させ、顧客が製品やサービスを高く評価するよう努力します。 Action(行動): 顧客が製品やサービスを購入し、行動に移す手助けを行います。 Advocacy(支持): 顧客がブランドを支持し、他の人に推薦するようになるよう促進します。 この新しいアプローチは、デジタルテクノロジーを活用して消費者との関係を築くための方法を提供し、顧客中心のマーケティング戦略の重要性を強調しています。「コトラーのマーケティング5.0」は、現代のマーケターにとって貴重なリソースであり、マーケティングの未来を考える上で参考になるでしょう。 |
いかがでしょうか。皆さんの考えていた、コトラーのマーケティング5.0の概要でしょうか?ちなみに、コトラーのマーケティング5.0については、インテージで2022年にセミナーを行いました。
~コトラー論に沿って生活者、そしてマーケティングの変化を語る~アフターレポート
私は、このセミナーでも、マーケティングの現場でのデジタル技術の導入の重要性について触れました。ChatGPTの回答でも、「デジタルテクノロジーを活用して消費者との関係を築く」という記述があります。そのことは、「新しいマーケティングのすすめ(19)」で、すでに整理しました。
GoogleのSGEの登場は、AIを身近にした
さて、デジタル技術の進化は早く、早くも内容を更新しないといけなくなりました。その理由は、この1年間で、さまざまな人工知能(AI)に関する製品が登場し始めたからです。実際に、Googleで「AI marketing tools」と検索してみると、さまざまなツールの紹介もされます。
一番の変化は、Googleの検索にもAIの機能が採用されたことです。
図2
これは、GoogleのSGE(Search Generative Experience)と呼ばれるサービスです。誰でも通常のGoogleの検索サービスと同様に使えることから、試した人も多いでしょう。そして、Googleの提供している今までの検索サービスとの違いも感じているのでしょう。
このようなAIの登場は、まさにインターネットの登場時期に近い雰囲気があります。インターネットの登場時期にも、一部の技術者や好奇心旺盛な人が、「インターネットは何か」を確認しながら、いろいろなことを試していました。当時も、インターネットの普及については賛否両論がありました。しかし現在、インターネットは、生活の一部となっています。
AIもおそらく、同じ流れをたどるのでしょう。今は、一部の方の利用にとどまっているのでしょうが、AIの最適な使い方、AIのメリットを理解した後は、多くの人が利用することになるのでしょう。そして、その普及の流れは不可逆で止められないでしょう。
私たちマーケターは、AIをマーケティングにどのように活かすか、検討する時期に入ったのではないでしょうか。
画像を検索する時代から、画像を生成する時代に
さて、テキストの整理や生成にAIを使うことに少し障壁のある方は、イメージ生成でのAIの活用は、いかがでしょうか?マーケティングの現場では、言葉にならない、言葉にできないことを、イメージで伝えることがあります。
例えば、「天然、自然、オーガニック」という言葉から思いつくイメージは、それぞれの人で異なります。今までは、自分の考えている「天然、自然、オーガニック」を説明するために、フォトストックサービスのサイトなどで検索を行い、画像を探し、説明資料に採用していました。
このような画像検索サービスは年々充実してきて、自分の頭に描いた画像を簡単に探せるようになりました。そして、過去に生成された画像ではなく、AIによる画像生成サービスも登場しました。
Adobeが、提供するFireflyは、誰でも使える画像生成AIです。
図3
AIの技術は進化の途中で、まだ期待値通りでない部分もあるのでしょうが、このようなサービスは、言語化できないイメージや印象などの伝達・コミュニケーション支援には有効でしょう。私自身は、イラストのセンスは低く、同様のイラストを描くことが難しいので、とても助かります。
マーケティングの中でのブランド・コンセプトの議論やお客様像の議論などでは、有効なツールになっていくと思います。
今は、AIとマーケティングについて、試す時期
さて、AIはすでに、一般的なビジネス・ツールになり始めています。「習うより、慣れよ」という言葉のように、まず各自がマーケティングの現場でAIを活用し、マーケティングにどのような効能があるのか、試すのが重要なのでしょう。
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