新しいマーケティングのすすめ(33)
「Google Analytics 4使っていますか」
目次
今回の目的は、Web担当者以外にGoogle Analytics4に触れてもらうこと
マーケターの皆さんは、Google Analytics4の名前は、Webのアクセス分析ツールの一つとしてよく知っているでしょう。では、このサービスにアクセスして使ったことがあるかと具体的に聞かれれば、マーケティング企画や、マーケティングに関する調査の担当者の皆さんは、ほぼ利用経験がないのではないでしょうか。
しかし私は、Webのアクセス分析を普段行っていない皆さんにこの記事を読んでいただき、ぜひ一度、Google Analytics4に触れて欲しいのです。その理由は、「メディア」という言葉について、皆さんと一緒に考えたいからです。テレビには視聴率、雑誌には発行部数という、メディアの指標があり、Webにはアクセス数という指標が存在しています。これらの指標は、今も重要な指標なのでしょうか。そして、Google Analytics4では、それまで使っていた指標であるページビューという単位がなくなったのです。そして、あらたな指標が登場しています。この事実を確認するためにも、ぜひ、一度はGoogle Analytics4に実際にアクセスをして、利用してみましょう。
Google Analytis4は、Webサイトを持っていなくても、データを見ることができる
Google Analytics4はWebのアクセス分析ツールで、通常は、Webサイトを持っている人がGoogle Analytcs4の画面にアクセスします。皆さんの会社でもWebサイトを持っており、そのサイトの管理者がGoogle Analytics4へのアクセス権の管理を行っているでしょう。
図1
このGoogle Analytics4には、デモ用のデータが、Googleから提供されており、Gmailアカウントを持っている人であれば、Webサイトの管理者でなくても、誰でもこのデモ用のデータを見ることができます。このデモ用のデータは、実際に公開されているWebサイト、スマートフォンのアプリのデータです。実際に、デモ用のデータの対象のWebサイトとスマートフォンのアプリにアクセスすることができます。デモ用のデータといっても、嘘のデータではなく実際のデータを、Google Analytics4で確認・分析することができるのです。
Google Analytics4のデモアカウントを導入してみよう
この記事は、Google Analytics4の解説記事ではないので、Google Analytics4自体の設定方法はかなり簡略化しますが、最低限のGoogle Analytics4のデモアカウントの導入方法を説明しましょう。
図2
上記のように、Googleで、「Google analytics ga4 demo account」と検索してみましょう。結果の画面の最初にあるように、「デモアカウント・アナリティクスヘルプ」というページが見つかります。このページをクリックすると、下のようなヘルプのページに到達します。
図3
このページは、デモアカウントについてのヘルプページです。このページの下部にデモアカウントが3種類登場します。
図4
時間があれば、それぞれのデモアカウントを導入し、Google Analytics4のWebアクセス分析を体験してください。
ここでは、「Google アナリティクス 4 プロパティ: Flood-It!(アプリとウェブのデータ)」を導入することにしましょう。導入の仕方は簡単で、上記の「Google アナリティクス 4 プロパティ: Flood-It!(アプリとウェブのデータ)」をクリックするだけです。
図5
クリックすると、上記のようなGoogle Analytics4の画面に変わります。このデータは、実際にGoogle Playで公開されている、下記のFlood-It!というアプリの利用のデータです。Webのアクセス分析ツールで、スマートフォンのアプリの利用状況のデータも取れるのです。
図6
さて、Google Analytics4の画面を覗いていると、維持率という項目があることに気が付きます。ユーザーの維持率というグラフは、少しショックなデータですね。ユーザーごとのアプリ導入後の日数(横軸)、ユーザーの維持率(縦軸)が表示されています。
図7
この維持率のデータは、アプリをスマートフォンにインストールしたユーザーが、毎日継続してアプリを使っているか、のデータになります。このデータでは、アプリケーション・インストール後6日経過すると、維持率が10%未満なのことを示しています。
Webのアクセス分析は、新語を作ってきた
この記事の本題は、この維持率の低さではなく、「維持率」というこの新語についてです。冒頭に、テレビには視聴率、雑誌には発行部数という指標があることを述べました。これらの指標は長い期間使われており、マーケティングの現場では、問題なく使えているでしょう。
問題は、Webサイトやスマートフォンのアプリの指標です。Webサイトにはページビューという指標がありましたが、実はGoogle Analytics4ではページビューという指標はなくなり、【イベント】という指標が登場しました。そして、スマートフォンのアプリには、維持率という指標があることを、今確認しました。
Webサイトやスマートフォンのアプリの指標は変化し続け、そして種類も増えています。指標が変化する理由は、Googleの意志だけではないでしょう。多くのマーケターが見たい指標に変化があり、その変化に対応した結果、Webサイトやスマートフォンのアプリの測定の指標が変わっているのではないでしょうか?
今回、私がお伝えしたい内容は、社内でWebサイトやスマートフォンのアプリでのマーケティングの活動の振り返りの指標は、適切に設定されているかという点です。「Google Analytics4で、測定できるから」では不十分な設定なのでしょう。自分たちのマーケティングにとって、どのような指標が重要なのかという、根本的な議論をする時期なのです。
Google Analytics4では、Webサイトの測定指標が大きく変わり、そして新たにスマートフォンのアプリの指標が公開されました。ぜひ社内で、それらの重要な指標は何か、きちんと議論してみませんか?
そして次回は、Webだけではなく、テレビの視聴率についても変化があることについて、考えたいと思います。
転載・引用について
◆本レポートの著作権は、株式会社インテージが保有します。
下記の禁止事項・注意点を確認の上、転載・引用の際は出典を明記ください 。
「出典:インテージ 「知るギャラリー」●年●月●日公開記事」
◆禁止事項:
・内容の一部または全部の改変
・内容の一部または全部の販売・出版
・公序良俗に反する利用や違法行為につながる利用
・企業・商品・サービスの宣伝・販促を目的としたパネルデータ(*)の転載・引用
(*パネルデータ:「SRI+」「SCI」「SLI」「キッチンダイアリー」「Car-kit」「MAT-kit」「Media Gauge」「i-SSP」など)
◆その他注意点:
・本レポートを利用することにより生じたいかなるトラブル、損失、損害等について、当社は一切の責任を負いません
・この利用ルールは、著作権法上認められている引用などの利用について、制限するものではありません
◆転載・引用についてのお問い合わせはこちら