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この「知るギャラリー」に、「生活者のデジタルシフトはどれだけ進んだ?生活者とメディアの “今”」という記事が公開されています。この10年間のメディアの利用に、どれだけ違いがあるかを説明している記事で、マーケティングのプロモーション領域を担当している方には、有益な情報です。
今回はこのメディアの環境変化ではなく、「シフト」という言葉を取り上げたいと思います。実は、生活者の中に起きている「シフト」を考えると、私たちマーケターに多くのヒントを与えてくれます。特に、Product、つまり「製品開発」や「サービス企画」を行っている方には、「シフト」の理解は重要なテーマです。
まず、この「シフト」を日本語で言い換えてみましょう。「変化」「転換」「転移」のような言葉が相応しいのでしょうか?
「生活者のデジタルシフトはどれだけ進んだ?生活者とメディアの “今”」では、顧客との接点のデジタル化についての解説でしたが、一般にマーケティングにおけるデジタルシフトを考えるとその範囲は、多岐にわたります。
などが、該当します。
ところで、私たちマーケターは、世の中の変化に対応するビジネスを行っています。では、マーケティングより広い、世の中で起きているシフトには、どのようなものがあるのでしょうか?
このように、実は世の中には「シフト」があふれていて、その「シフト」は、マーケティングに大きな影響を与えているのです。
このシフトは、生活の中でも起きています。今回は、「電子レンジ」におきたシフトを考えてみましょう。
皆さんにとって「電子レンジ」の利用目的は何でしょうか?この電子レンジは、料理方法を「シフト」させています。
私の家に「電子レンジ」がやってきたのは、私が中学生の頃でした。タイマーしかついていない、シンプルな電子レンジは、もっぱら私がご飯や、親が作り置きをしてくれたご飯を温める目的で利用していました。つまりこの時の電子レンジは、「温める」目的で利用していました。
ところで、最近「電子レンジ」を、家電販売店で見たことはありますか。2000年代以降、電子レンジは進化し、スチーム機能、オーブン機能、グリル機能などを搭載した複合的な製品が登場しました。これらより、電子レンジで様々な料理が作れるようになり、家庭料理の幅が広がりました。つまり、電子レンジは「料理器具」にシフトしたのです。
さらに直近では、電子レンジがインターネットにつながり、電子レンジを使ったレシピ情報が簡単に手に入るようになり「自動料理器具」になったのです。
ここで重要なのは、電子レンジの機器の進化と一緒に生活者、つまり電子レンジ利用者の電子レンジの利用方法に変化が起きていることです。この生活者の変化が、マーケティングでとても重要な、新製品開発のヒントになります。
実際に、この電子レンジのシフトによって生まれた商品が数多くあります。
・ 電子レンジ用蒸し器
・ 電子レンジ対応のシリコンスチームケース
・ 電子レンジ用蒸し料理キット
特に、電子レンジ用蒸し料理キットは、とてもユニークなカテゴリーで、代表例に味の素の「Steam Me スチーミー」があります。そして、この新製品は、料理器具でもあり、調味料、料理キットでもあります。
このように、世の中や、生活者の「シフト」を理解することは、マーケターにとって重要な仕事です。次回も、この「シフト」について考えてみましょう。
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