arrow-leftarrow-rightarrow-smallarrow-topblankclosedownloadeventfbfilehamberger-lineicon_crownicon_lighticon_noteindex-title-newindex-title-rankingmailmessagepickupreport-bannerreportsearchtimetw

新しいマーケティングのすすめ(41)

AI Marketingのすすめ(2)

マーケティングのデータ分析で、生成AIを活用しよう

今回も、引き続きマーケティングの現場でのAI活用について、考え、体験してみましょう。今回のテーマは、「データ分析」です。私個人的には、この領域が、AIと機械学習の進化により、多くの仕事の仕方に変化があったと思っています。

生成AIを使うことは、「エクセル」や「Google スプレッドシート」からの解放でもある

この記事の多くの読者は、エクセルを使っていると思います。

今までは、マーケティングの調査データの分析は、エクセルが使われており、多くの会社に分析用のエクセル・マクロやエクセル専用のプログラムが用意されていたでしょう。まず、このエクセル上の作業もAIによって、大きく変わります。それが、Copilot for Microsoft 365の登場です。

【Copilot for Microsoft 365 デモ動画】

今まで、エクセルが得意な人というのは、エクセルのマクロや関数が上手に使える人や、エクセル上のプログラミング作成が得意な人だったと思います。生成AIの登場は、「エクセル」や「Google スプレッドシート」のような、表計算ソフトから解放してくれます。これは、表計算ソフトが苦手、または不得意な人には朗報でしょう。

まずは、生成AIで集計用のデータを作ってみよう

今まで、マーケティングの調査の現場では、集計のためのテストのデータの入手も大変でしたが、生成AIが登場した今、テストのデータ(ダミー・データ)の作成は容易です。試しに、Google Geminiに以下のプロンプトを指示してみましょう。


データ分析用のデモデータを作成していただけますか。
データのサンプル数は、200個です。以下のデータで、出力をお願いします。
*性別
男性、女性
*年齢
10代、20代、30代、40代、50代、60代以上
*商品の購入回数
0,1,2,3回以上
*商品の購入場所
店頭のみ、オフラインのみ、店頭とオフライン

すると、Google Geminiは、以下のように、データを作成してくれます。

Google Gemini にサンプル・データを生成させる
図 1 Google Geminiにサンプル・データを生成させる

Google Geminiは、優秀で、データを単純な乱数ではなく、ある傾向のあるデータを生成してくれます。ちなみに、生成AIのTipsとしては、同じプロンプト(質問)でも、聞くタイミングによって生成AIの回答が異なるので、生成AIの回答に満足しない時には、もう一度、同じ質問をしてみても良いでしょう。

この回答を下の方まで読み進めると、Google Geminiがダウンロード可能なcsvファイルを用意してくれています。

サンプル・データ(CSV)
図 2 サンプル・データ(csv)

これで、集計、分析用のサンプル・データが準備できました。

生成AIにデータ分析を行わせてみよう

今までは、このデータをエクセルなどの表計算に読み込み、データを眺めてから、グラフを作成し、相関係数などを計算させていました。

今回は、これを生成AIに渡して、分析をさせてみましょう。Google Geminiに出力してもらったデータを、Google Geminiに分析させるのでなく、他の生成AIの紹介も兼ねて、ここでは、Claude という生成AIを使ってみましょう。

この生成AIには、ファイルをパソコンからドラッグ&ドロップできるので、質問の窓のところにファイルを持っていき、ファイルを添付してから、以下のようなプロンプトを書いてみましょう。


添付のファイルを分析したいと思います。目的は、商品の購入回数を増やすためのヒントを得ることです。商品の購入回数に影響のある因子を探していただけますか?

Claudeに分析を頼む
図 3 Claudeに分析を頼む

こんな簡単な質問でも、生成AIは考えてくれます。すぐに、Claudeの画面が動き始め、左側に文章、右側に関係のあるグラフが出力され始めます。

Claudeのデータ分析出力イメージ
図 4 Claudeのデータ分析出力イメージ

生成AIの分析が、私たちマーケターに便利なのは、追加で気になる点を追加質問ができる点です。この分析は、「年齢と購入回数」「性別と購入回数」「購入場所と購入回数」という分析を行っています。
「性別・年齢と購入回数」という複数要素の分析も行いたくなるはずです。そこで、Claudeの出力結果の後に、追加で以下のように聞いてみます。


この分析でよくわかりました。マーケティングでターゲティングを行いたいので、性別と年齢で、現在購入回数の多い属性はどこなのかを教えて下さい。

すると、ヒートマップを使って、性別、年齢と購入回数の分析を行ってくれます。

Claudeのヒートマップ分析
図 5 Claudeのヒートマップ分析

今まで、このような分析をエクセルで行う場合には、まずエクセルの説明本や詳しいサイトを見て、操作方法を覚えてからデータ分析していました。

生成AIの登場は、このようなコンピューティングの技術から解放されるのです。そして、より「マーケティングの問題」に集中できるのです。ぜひ、マーケティングの現場で生成AIを「調査・分析」の領域でも活用してみてください。

著者プロフィール

株式会社マーケティングサイエンスラボ 本間 充プロフィール画像
株式会社マーケティングサイエンスラボ 本間 充
1992年花王株式会社に入社。社内でWeb黎明期のエンジニアとして活躍。以後、Webエンジニア、デジタル・マーケティング、マーケティングを経験。
2015年アビームコンサルティング株式会社に入社。多くの企業のマーケティングのデジタル化を支援している。マーケティングサイエンスラボ 代表取締役、ビジネスブレークスルー大学でのマーケティングの講師、東京大学大学院数理科学研究科 客員教授(数学)、文部科学省数学イノベーション委員など数学者としての顔も併せ持つ。

1992年花王株式会社に入社。社内でWeb黎明期のエンジニアとして活躍。以後、Webエンジニア、デジタル・マーケティング、マーケティングを経験。
2015年アビームコンサルティング株式会社に入社。多くの企業のマーケティングのデジタル化を支援している。マーケティングサイエンスラボ 代表取締役、ビジネスブレークスルー大学でのマーケティングの講師、東京大学大学院数理科学研究科 客員教授(数学)、文部科学省数学イノベーション委員など数学者としての顔も併せ持つ。

転載・引用について

◆本レポートの著作権は、株式会社インテージが保有します。
 下記の禁止事項・注意点を確認の上、転載・引用の際は出典を明記ください 。
「出典:インテージ 「知るギャラリー」●年●月●日公開記事」

◆禁止事項:
・内容の一部または全部の改変
・内容の一部または全部の販売・出版
・公序良俗に反する利用や違法行為につながる利用
・企業・商品・サービスの宣伝・販促を目的としたパネルデータ(*)の転載・引用
(*パネルデータ:「SRI+」「SCI」「SLI」「キッチンダイアリー」「Car-kit」「MAT-kit」「Media Gauge」「i-SSP」など)

◆その他注意点:
・本レポートを利用することにより生じたいかなるトラブル、損失、損害等について、当社は一切の責任を負いません
・この利用ルールは、著作権法上認められている引用などの利用について、制限するものではありません

◆転載・引用についてのお問い合わせはこちら