新しいマーケティングのすすめ(42)
AI Marketingのすすめ(3)
少人数のマーケティング組織では、アイディア出しの相手にAIを使おう
マーケティングの現場では、調査・分析を行なった後に、マーケティングの戦略を検討することになります。この戦略を絞り出す作業は、戦略を考え出すためのフレームワークと過去の経験が有効です。
そして、フレームワークを使って考える時には、自分一人で行うよりは、相談相手がいた方が、論理の抜け漏れが少なくなります。また、過去の経験も、経験豊富なマーケターが側にいてくれる方が、事例が豊富になるでしょう。しかし組織によっては、周りにマーケターが少ない場合もあるのではないでしょうか。その場合にこそ、生成AIを活用しましょう。
過去のマーケティング事例の検索に生成AIを使おう
意外と忘れがちですが、テキスト生成AIは、過去の情報の検索機能としても活用できます。
今回は例として、「女性20歳代のECの購買回数を増やしたマーケティング手法」について、一般的なインターネット検索と生成AIを使った検索を比較してみましょう。
Googleで検索した場合、私の場合は、以下のような検索結果が表示されました。
このような検索結果が出た後、サイトに実際に訪問し、有益な情報がないか確認し、それを整理して、自分のアイディア出しに使っていました。これが、生成AI登場前の私たちの行動でした。
では、同じような質問を、生成AIにしてみましょう。ここでは、Google Gemini(https://gemini.google.com/ )に、「女性20歳代のECの購買回数を増やしたマーケティング手法を具体的に、数例教えて下さい。」というプロンプトを書きました。
この結果は私が行なった場合で、皆さんが同じ質問をGoogle Geminiに行なった場合、出力結果が違うと思います。
ここで整理したいのは、インターネット検索と、生成AIを使った情報の検索は、全く異なるという点です。生成AIを使った検索では、公開されているWebサイトを訪問する必要はなく、すでに情報も要点がまとめられています。
そして、生成AIの良いところは、追加で気になる点があれば質問できることです。ここでは、追加で、「上記の整理、とてもわかりやすいです。それぞれの事例で、代表的なブランドやECサイトが具体的にあれば、教えていただけますか。できたら、日本の事例があると嬉しいです。」と聞いてみました。するとGoogle Geminiは、実際に具体的なブランドやECサイト名をあげてくれます。
ここまで、具体的に事例を調べることで、ファクト・チェックも可能になります。そして、ここまで数分で、そして一人でできるのです。
アイディア出しの相手になってもらおう
このように過去のマーケティングの事例を、今まで容易に得られるようになりました。次は、私たちマーケターの、「創造」の仕事です。過去に学び、新しいマーケティング戦略を考える。これは本当にマーケティングの仕事を行なっていて、楽しい瞬間です。
今までは、この瞬間は、「一人ブレスト(ブレーンストーミング)」を行うことが多かったのですが、生成AIにブレストの相手を担ってもらいましょう。
Google Geminiに、「私たちは、女性20歳代向けの一人で生活している人向けの、簡単な掃除グッズを販売する予定です。この中で、掃除グッズの機能の訴求以上に、感情に訴えるコミュニケーションをしたいと思っています。どのような手法とポイントがありますか?」とプロンプトを書いて聞いてみました。
この時に、自分が考えたことのない視点やアイディアがあれば、参考にすることができますよね。そして、さらに便利なのは、別な生成AIにセカンド・オピニオンを聞ける点です。これを、会社で行うと時に嫌がられますが、生成AIでは、全く問題ありません。私も同じ質問を、Claude(https://claude.ai/) に聞いてみました。
全く違うアイディアの出し方ですよね。でも、このようなブレストが簡単に、そして実際に周りに人がいなくても行えるのです。
ぜひ、皆さんも試してみてください。そしてまずは生成AIの癖や、強み・弱みを感じてみてください。
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