新しいマーケティングのすすめ(43)
AI Marketingのすすめ(4)
あなたの普段使いの表計算ソフトを、AIでバージョンアップしよう
以前のAI Marketingのすすめ(2)で、データ分析を、生成AIに行わせることを紹介しました。しかし、読者の中には、社内で得られたデータを生成AIにuploadするのを禁止されている方もいるでしょう。今回はその方のために、普段皆さんが使っている表計算ソフト、エクセルを使って、前回行ったような分析を行える方法を紹介しましょう。
もともと、マイクロソフトのエクセルでは、同じくマイクロソフトのCopilot(コパイロット)との組み合わせが、便利なのですが、ここでは、あえて他の生成AIでも、つまり皆さんが使いやすい生成AIでも、エクセルが便利になることを実際に行ってみましょう。
エクセルの関数を、生成AIに聞いてみよう
例えば、日付(2025/1/1)の横に、曜日を日本語で入力してみましょう。今までは、このような場合、エクセルの関数に詳しい人に聞く、本を参考にする、インターネット検索を使うなどの手法がありましたが、そこに生成AIが加わりました。
ここでは、前回紹介した、Claude(https://claude.ai/)を使って、以下のように質問してみます。
“エクセルのA列に、日付(例:2025/1/1)が入っています。B列に、その曜日を日本語で表示する関数を教えてください。ちなみに、実際のエクセルでは、A2のセルから、入力がスタートしています。”
すると、図のように、エクセルでコピペだけで済む関数を出力してくれます。
ここでは、丁寧に2つの関数を出力してくれました。そこで簡単そうな、最初の関数をコピペして、エクセルに貼り付けてみましょう。
そして、その関数を他のセルにコピーすると、きちんと曜日が出力されました。
このように、実は、多くの生成AIは、私たちが普段使っている、オフィス・ソフトのサポートを行ってくれます。
そして、生成AIを使う理由には、人が自分の記憶を使って入力するのに比べて、人為的なミスがないこともあります。
エクセルで「AI Marketingのすすめ(2)」の分析を行ってみよう
さて、上記の関数の入力は、生成AIに尋ねるまでもないと思う方も多いでしょう。そこで、この連載のAI Marketingのすすめ(2)で行った分析を、エクセルで行うように、生成AIに聞いてみましょう。
データは、以下のようなデータでした。
この場合は、Claudeですが、皆さんがお使いの生成AIに以下のようなプロンプトを入力してみましょう。
“以下のエクセルのデータから分析を行いたいと考えています。 分析したいことは、性別、年齢と、平均購入回数の相関関係です。 エクセルは、以下のような形式です。
1行目に、項目名が入っています。
2行目から、201行目に、データが入っています。
A列には、性別が、男性、女性で入っています。
B列には、年齢が、10代、20代、30代、40代、50代、60代以上で、
C列には、商品の購入回数が、0回、1回、2回、3回以上で、
D列には、商品の購入場所が、店頭のみ、オンラインのみ、店頭とインラインで
入っています。よろしくお願いします。”
すると、以下のように、多くの場合、エクセルでのピボットテーブルの作り方を、手順単位で説明してくれます。
この指示通り、エクセルを操作すれば、ピボットテーブルを誰でも作成できます。
さらに、私は、このピボットテーブルを手で作成するのが面倒なので、追加で以下のような質問を追加しました。
“上記の方法を、VBAを使って行うことができますか?”
すると、生成AIが、エクセルで実行可能なVBA(Visual Basic for Applications)のプログラムコードを書いてくれます。
あとは、このプログラム・コードを、エクセルのVBAのコード欄にコピペします。
実行すると、以下のように簡単にピボットテーブルが作成されました。
このように、生成AIと皆さんのオフィス・ソフトを組み合わせるだけで、簡単に複雑なデータ分析が可能になっているのです。
さぁ、皆さんのマーケティングの日常業務、AIの活用で、ぜひ効率的に、そしてバージョンアップを行ってみてください。これも、AIマーケティングの取り組みです。
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