arrow-leftarrow-rightarrow-smallarrow-topblankclosedownloadeventfbfilehamberger-lineicon_crownicon_lighticon_noteindex-title-newindex-title-rankingmailmessagepickupreport-bannerreportsearchtimetw

最近目にする中古スマホ、ユーザー的には”アリ”?”ナシ”?

あなたは中古品の購入を検討したことがありますか?中古品の購入を検討する理由は、新品で買うより安い!新品で手に入れにくいものが欲しい!中古品を使うのはSDGsだから!などいろいろあると思います。では、近年注目されている中古スマホでは、どの程度検討がなされ、そこにはどのような理由があるのでしょうか?
インテージが保有する調査データから、スマホユーザーの声をお届けします。

中古スマホは「アリ」の人はどのくらい?

スマホを保有している19万4455人(日本在住の15歳以上)に対し「次回スマホ購入時に、中古スマホを購入検討したいですか?」とアンケートを行いました(2022年8月)。結果をご覧ください(図表1)。

図表1

中古スマホの購入検討意向

「中古スマホの購入を検討したい」と回答した人は、全体の20.9%でした。一方、「中古スマホは検討したくない」と回答した人は56.4%でした。

この結果を、性年代別に見てみましょう(図表2)。中古スマホの購入を検討したいと回答した人は、男性30代で32.8%と最も高い割合でした。男女ともに、年代が上がるにつれて「中古スマホは検討したくない」、という人が多くなる傾向にあります。また、女性の方が男性よりも中古スマホの購入には慎重なようです。

図表2

性年代別 中古スマホの購入検討意向

では、現在既に中古スマホを利用している人と、現在は新品のスマホを使っている人で、この意向はどのように違うのでしょうか(図表3)。

図表3

現主利用スマホ中古/新品別 中古スマホの購入検討意向

顕著に差が出ました。中古スマホをメインで利用している人では、今後中古スマホの購入を検討したいと回答した割合が76.7%と高く、再度中古を選ぶ人が多そうです。一方、現在新品のスマホをメインで利用している人では、19.4%が中古スマホの利用を検討したいと回答しました。中古市場拡大には、この新品利用者をどのようにして取り込むかがカギになります。

中古スマホは「アリ」となる条件

続いて、中古スマホの購入に繋がるポイントを分析してみましょう。中古スマホの購入を検討したいと答えた4万661人に中古スマホに求める条件を聞きました(図表4)。

「新品より価格が安いなら」が最も多く挙げられ、48.1%でした。2位が「保証が充実しているなら」で37.7%、3位が「ほしいスマホが中古にしかないなら」で21.4%でした。中古スマホの最大の魅力はやはり価格のようです。

図表4

中古スマホに求める条件(複数回答)

もう少し詳しく見てみましょう。図表5は性年代別の回答結果です。男性の全年代と女性の15歳~59歳は全体と同様に価格が第一、保証の充実がその次という回答でした。

一方で、60歳以上の女性は、保証の充実が第一の理由、価格がその次と逆転しています。中古スマホの品質への不安が、保証の充実という正式な契約によって解消されるのだと推察されます。目先の安さにつられて買っても、すぐ使えなくなってしまってはもったいないと思い、長期的な視点で損得を考慮しているのかもしれません。保証がしっかりしていることを感じられると、中古スマホ市場の拡大につながるのではないでしょうか。

図表5

性年代別 中古スマホに求める条件(複数回答)

中古スマホは「ナシ」の理由

さて、ここからは中古スマホの購入を検討したくない、どちらかというと新品スマホ派の人の理由をみてみましょう。中古スマホの購入を検討したくないと答えた10万9587人に、その理由を聞きました(図表6)。結果、中古スマホを買いたくない三大理由が明らかになりました。それは、「新品の方が品質に安心がある」、「(中古スマホは)バッテリーのもちが不安」、「他人が使用したものは使いたくない」の3つです。中古スマホの劣化具合が気になるようです。

図表6

中古スマホの購入検討をしたくない理由(複数回答)

性年代別にそれぞれの理由の詳細を深堀してみましょう(図表7)。

図表7

性年代別 中古スマホを購入検討したくない三大理由

主に3つの傾向がみられました。

全年代で女性の方が男性よりも、新品の方が品質的に安心感があるという理由をあげる傾向にありました。女性はとくに、20代以降で年代が上がるほど品質への評価が厳しくなります。

「バッテリーのもちが不安」に関しては、男女ともに60代以上になると、他の年代と比べて気にする人は少なくなります。

「他人が利用したものは使いたくない」という理由は30代女性が突出しており、全年代で男性よりも女性の方が「中古」へのネガティブな意識が強いという印象がうかがえます。

女性向けには品質を訴求する、50代以下向けにはバッテリーのもちを訴求する、など、性年代による捉え方の違いに合わせたアプローチをすることで、中古スマホを受け入れる層がさらに広がる可能性がありそうです。


この記事では、中古スマホが“アリ”な人、“ナシ”な人、それぞれの捉え方をお伝えしてきました。中古スマホは今後も供給が増えていくでしょう。安さが魅力の中古スマホですが、現在、新品のハイエンドAndroidスマホが通信キャリアや各種ECサイトから低価格で売り出されている一方でiPhone中古スマホの価格は高騰するなど、新品・中古の価格の逆転も起きています。選択肢が増える中、最適なスマホ選びのためには、生活者はこれまで以上に情報収集・吟味が求められることになりそうです。

今後、中古スマホが普及することで、新規スマホの「新品」という価値を改めて見出す人が増え、新品を買うことがステータスとなる未来もやってくるかもしれません。中古スマホを取り巻く環境は刻々と変わっています。今後も知るギャラリーでは、定期的に実態を追いかけ、みなさまにお伝えしていきたいと思います。

転載・引用について

◆本レポートの著作権は、株式会社インテージが保有します。
 下記の禁止事項・注意点を確認の上、転載・引用の際は出典を明記ください 。
「出典:インテージ「 知るギャラリー」●年●月●日公開記事」

◆禁止事項: 
・内容の一部または全部の改変 
・内容の一部または全部の販売・出版 
・公序良俗に反する利用や違法行為につながる利用 
・企業・商品・サービスの宣伝・販促を目的としたパネルデータ(*)の転載・引用
(*パネルデータ:「SRI」「SCI」「SLI」「キッチンダイアリー」「Car-kit」「MAT-kit」「Media Gauge」「i-SSP」など)

◆転載・引用についてのお問い合わせはこちら