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今後テレワークはどうなる?! 経営者から見たこれからの働き方

新型コロナウイルス感染症の流行は、私たちの生活に多くの変化をもたらしました。外出制限などの行動規制が実施され、その結果、日常生活だけでなく、働き方についても幅広い業種で大きな影響が及びました。 その一つとして、テレワークが急速に普及し、いまでは働き方の一つとして、定着しています。

働き手であるビジネスパーソンにとっては柔軟性の高い働き方であるテレワーク。ビジネスパーソンがテレワークをどう捉えているか、という調査結果を目にすることも多いのではないでしょうか。では一方で、導入する側の経営者はテレワークについてどのように考えているのでしょうか。この記事では経営者864人の回答から見えた、テレワークの取り組み実態、そして、今後に向けて必要だと感じていることを紹介します。864人の内訳は、図表1の通りです。

図表1

現在のテレワークの実施状況と、経営者の今後の推奨意向

緊急事態宣言下では、多くの企業がテレワークを取り入れましたが、感染状況が落ち着きつつある現在、テレワークはどの程度継続されているのでしょうか。図表2はコロナ前、緊急事態宣言下、そして現在(2022年4月22日~25日時点)それぞれにおける、テレワークの実施状況を聞いた結果です。現在のテレワークの実施率は32.8%との結果となりました。緊急事態宣言発出当時よりは2.8ポイント減っていますが、コロナ前と比べると12ポイント増加しており、テレワーク導入が進んだことがわかります。

図表2

この実施率は、会社の設立年数や従業員規模によってどのように変わるのでしょうか。図表3を見てみると、設立年数10年未満の会社の現在のテレワーク実施状況は39.6%。一方で設立年数30年以上の会社はコロナ前からテレワークの実施率が低く、現在も24.8%と、10年未満の会社とは約15%近い開きが見られます。
また、多くのコミュニケーションや管理が必要となる、従業員人数が多い会社ほど、テレワークを多く導入していることもわかります。

図表3

テレワークについては、作業効率や働き方の自由度が上がるといったメリットがある一方で、コミュニケーションの質が落ちるとして、海外の大手IT企業をはじめ、出社を推奨する動きも見られています。では、経営者の立場から見て、テレワークを今後も継続したいと考えているのでしょうか。テレワークの推奨度について聞いてみました。(図表4)

図表4

自身の会社におけるテレワークの推奨度は53.4%となりました。非推奨度は10%程度に留まり、半数以上はテレワークを推奨していると言えます。特に設立年数が10年未満の会社の経営者の非推奨度は2.4%と少ない結果となりました。この結果は時代の変化にいち早く対応する柔軟性、また若い経営者にとっては普段から様々なITツールやコミュニケーションツールを使いこなしていたため、テレワークという働き方自体に違和感がなく不自由しないため、とも読み解くことができます。

では、なぜテレワークを推奨するのでしょうか。図表5は現在、もしくは過去のテレワーク実施理由です。

図表5

テレワークの推奨者、非推奨者に関わらず、従業員の安全や事業継続のための「感染症防止」が最も多くなっていますが、それ以外のすべての項目で、推奨者と非推奨者で大きな開きが見られました。特に「時間にとらわれない働き方」で44.5ポイント、「ワークライフバランスが取れる」で33.6ポイントとその差は大きくなっています。

また、設立年数が10年未満の経営者では、感染症対策だけではなく“時間にとらわれない働き方”や“人材の雇用”の柔軟性も重視してテレワークを実施している傾向がみられます。100人以上の従業員人数がいる経営者は「ワークライフバランス」「子育てや介護との両立」など社員の働き方を重視しているようです。

いずれにせよ、テレワークを多様な働き方を実践できる手段としてとらえている経営者が多く、コロナ後においても推奨したいという意向に繋がっていることがわかります。

テレワークにより導入が進んだ制度や施策は?

それでは経営者は自社のテレワークを実施していくうえで、どのような制度導入や施策をおこなったのでしょうか。図表6はテレワークを行うにあたり導入した会社の制度や施策、また今後テレワークを推奨していくうえで導入したい制度や施策の回答結果です。

図表6

テレワーク実施時に最も多く行った制度や施策は、「フレックスタイム制」でした。以下「テレワークソリューションの導入」「コアタイム(必要勤務時間)制の撤廃」が続きました。特に従業員数が100名を超える会社は従業員のより良い職場環境を整えるために多くの制度や施策を取り入れているようです。
今後導入したい制度や施策でも、「フレックスタイム制」「テレワークソリューションの導入」「週休3日制」などが高く、多くの経営者が、制度面で従業員の働きやすさ、労働環境の改善に向けて考え、取り組んでいることが伺えます。設立年数10年以内の会社のみ「遠隔地勤務」が10%を超えていたのは、経営者の柔軟性の高さが垣間見えます。

導入した施策・今後導入したい施策として上位に挙がっていた「テレワークソリューションの導入」。テレワークを行っていくうえで欠かせないものとなっています。様々な種類がありますが、どのようなテレワークソリューションを導入しているのでしょうか。(図表7)

図表7

従業員規模が100人以上の会社や、設立年数が10年未満の企業経営者で、特に多種類のテレワークソリューションを導入していることが伺えます。一方で、100人未満の会社では、あまりテレワークソリューション自体の導入が進んでおらず、利便性は理解しているものの一定の規模を満たさないと導入コストや運用コストの観点から費用対効果が得にくいと考えられていることが推測されます。
ソリューションの種類別にみてみると、「セキュリティシステム」や「クラウド会計」「Web会議システム」などの情報漏えい対策や財務周り、事業継続の根幹となるソリューションの導入は多く、「人事評価・管理」「採用管理」「SFA」はまだ導入自体が少ない結果となりました。

テレワーク推進を助けるテレワークソリューション 経営者が重視するポイントは?

テレワークソリューションは業務の効率化や従業員の労働環境にも直結するため、様々ある中から自身の会社にマッチするものを選択する必要があります。経営者はなにを重視してそれらのソリューションを選定しているのでしょうか。ここでは「勤怠管理・人事評価・管理システム」「電子決済・稟議・契約システム」「採用管理システム」「クラウド会計システム」「コミュニケーションツール」の5つについて、それぞれの選定理由を聞いてみました。(図表8)

図表8

どのテレワークソリューションにおいても「操作が簡単」「料金の安さ」「導入しやすい」「セキュリティが高い」ことが共通の導入要素であることが伺えます。特にコミュニケーションツールでは上記をより重視している傾向がみられるほか、「対応するデバイスの種類」も重視されています。
また、導入自体は少ないですが、採用管理システムでは、「セキュリティの高さ」や「ユーザーインターフェース(視認性の良さ/操作が簡単)」をより重視されています。また「シングルインプット」も他のソリューションと比較しても重要とさているようです。クラウド会計システムでは、「導入後のサポートの手厚さ」が他のソリューションと比較し重視されています。

多数のテレワークソリューションを並行して活用する時代。セキュリティやコストは大前提として、いかに導入が簡単で従業員操作がしやすく手間を省いて効率化を支援できるかが経営者にとってのポイントのようです。

まとめ

この記事では、経営者から見たテレワークの実態調査の結果を紹介しました。一部リアルへの回帰も見られる私たちの「働き方」ですが、制度の充実やテレワークソリューションの進化によって、さらに多様化することが見込まれます。知るギャラリーでは今後も私たちの「働き方」について様々な角度から調査を続けていきます。

この記事でご紹介した調査の結果の詳細版をダウンロードいただけます。

テレワークソリューション導入決定者と非決定者の比較、経営する会社での課題といった情報を公開していますので、是非ご活用ください。


【自主企画調査(ネットリサーチ)】
調査地域:日本全国
対象者条件:22~65 歳の男女 従業員5名以上の経営者
標本抽出方法:弊社キューモニターより抽出しアンケート配信
ウェイトバック:なし
標本サイズ: n=864
調査実施時期: 2022年4月22日(金)~4月25日(月)
調査項目:リモートワークの実施状況、今後のリモートワークの推奨意向、リモートワークの際に導入した制度や施策、ツールやシステムについて(現在利用/利用検討/重要視)、ツール/システムの導入理由(ツール/システム別)など

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