さまざまな健康法 実践した経験のある人が多いのは?
古今東西、「健康」は大きな関心事。インテージが毎年分析している、その年に売り上げの伸びが大きかった商品カテゴリーのランキングでも、上位は健康志向の商品が続いており、関心の高さがうかがえます。また、健康や美容によいと言われる食事法も、メディアなどでしばしば話題になっています。今回は、全国20-69歳の女性833人に実施したアンケートから、さまざまな健康法についての調査結果をご紹介します。
23の健康法について聞きました ~それぞれ実践したことがある人はどのくらいいる?~
今回の調査では、昔からあるものや比較的新しい健康法、体を健やかにするものや心に働きかけるもの、昔からあるけれど「●活」と呼ばれて話題になったものなど、23の健康法について、現在取り入れたり実践しているか、もしくは過去には取り入れたり実践したことがあるかなどを聞いています。
では、まずは経験したことがある人の多い健康法を見てみましょう。
経験者が多い健康法は「ラジオ体操」「サプリの摂取」
23の健康法の中で、最も経験率(「現在取り入れている/実践している」「過去に取り入れていた/実践していたことがある」計)が高かったのは「ラジオ体操」で、7割近くでした。しかし、現在行っている人は6.2%に留まっています。小学校の夏休みなど、子ども時代に行ったきりという人も少なくないのかもしれません。
一方、「現在取り入れている/実践している」人が最も多かったのは「サプリの摂取」です。3割以上の人が現在行っていると回答、過去に行っていた人と合わせて6割以上が経験ありでした。
次に経験率が高いのは、3-4割が経験ありの「漢方」「整体」「リフレクソロジー/足裏マッサージ」「ヨガ」
次に経験した人たちが比較的多かったのは、「漢方」「整体」「リフレクソロジー/足裏マッサージ」「ヨガ」です。それぞれ、現在も行っている人は1割に満たないものの、3-4割程度の人たちが経験ありでした。また、それぞれ知っている人が9割前後と、多くの人にとって馴染みのある健康法と言えそうです。
「アロマテラピー」「鍼(ハリ)」「腸活/菌活」は、広く知られてはいるものの、経験がある人は2割程度
「アロマテラピー」「鍼(ハリ)」は、知っている人が9割以上と広く知られた健康法ではあるものの、経験ありの人は2割強とやや少ないようです。また、「現在取り入れている/実践している」と回答した人も5%未満に留まっていました。
一方、食事・運動などによって腸内環境を整える「腸活」や体によいと言われている菌食材を取り入れて腸内細菌を整える「菌活」は知らない人が2割で、「アロマテラピー」「鍼(ハリ)」と比べるとやや多いものの、現在実践している人が13.0%と「サプリの摂取」に次いで高い実践率でした。ヨーグルトや納豆、キノコなどの身近な食材で実践できることから、比較的取り入れやすいと言えるでしょう。また、「腸活/菌活」とは呼んでいなくても、これらの食材を健康のために積極的に摂取している人は少なくないかもしれません。
知っている人が多いものの、経験率が低いのは「カイロプラクティック」「瞑想」「ピラティス」「タイ古式マッサージ」「酵素浴/酵素風呂」「加圧トレーニング」「気功」。「温活」は、ワードの浸透がいまひとつ
知っている人が7-8割と多いものの、経験率は1割強かそれ以下に留まっている健康法は、脊椎を中心とする骨格の歪みを手技で矯正・調整する「カイロプラクティック」、「瞑想」、体幹やインナーマッスルを鍛えて体のバランスを強化するエクササイズの「ピラティス」、「タイ古式マッサージ」、おがくずや米ぬかなどの発酵熱を利用する温浴法の「酵素浴/酵素風呂」、中国伝統の健康法である「気功」、腕や脚の付け根に専用のベルトを締めて圧力をかけて血流を制限した状態でトレーニングを行う「加圧トレーニング」です。
特に、「気功」と「加圧トレーニング」は8割以上が知っているのに経験したことがある人は5%未満に留まっています。聞いたことはあっても、実践するにはハードルが高いのかもしれません。
一方、「知らない」と答えた人が3割以上にのぼり、経験したことがある人も1割強に留まっている「温活」ですが、腹巻きやインナー、レッグウォーマーなどの着用や入浴、湯たんぽ、生姜などの体を温める食材の摂取など、「温活」とは思わず「冷えの解消」「冷え取り」として実践している人はもっと多いかもしれません。
「ヘルスケア・ウェアラブル機器の使用」「アーユルヴェーダ」は知っている人が4割前後、「デジタルデトックス」「ファスティングリトリート」「アーシング」「ファンラン」は1~3割と、そもそもあまり知られていない
最後に、認知率が低く、実践した経験のある人も限られている健康法です。活動量計など「ヘルスケア・ウェアラブル機器の使用」、インド・スリランカで生まれた伝統医療「アーユルヴェーダ」は、知っている人が4割前後、実践している・したことのある人はそれぞれ6.7%、3.3%に留まりました。
また、知っている人が3割未満と認知率が低いのは、一定期間スマートフォンなどのデジタル機器から距離を置く「デジタルデトックス」、自然に囲まれた環境の中で断食をする「ファスティングリトリート」、大地に手や足を直接触れることで体にたまっている静電気や電磁波を体外へ放電する「アーシング」、記録を競うのではなく楽しむことを目的としたランニング「ファンラン」です。それぞれ、経験者も1%前後と非常に少ないという結果でした。
「ファンラン」は、知らない人が9割以上と特に多いのですが、仮装をしてのランニングなど、「ファンラン」と呼んでいなくても見聞きしたことがあったり、イベントに参加したことがある人もいるかもしれません。
効果実感が高いのは「鍼(ハリ)」「整体」「ヨガ」
それぞれの健康法はどれだけ効果が感じられているのでしょうか。「効果を感じた」「やや効果を感じた」計が多い順に見てみると、「リフレクソロジー/足裏マッサージ」「整体」が上位2位で、それぞれ経験者の7割以上が効果ありと回答。「温活」「鍼(ハリ)」「カイロプラクティック」「ヨガ」「腸活/菌活」が続きます。
また、特に効果実感が高いのは、「鍼(ハリ)」「整体」「ヨガ」です。それぞれ、経験者の2割以上が「効果を感じた」と回答しました。
次々と新しいものが生まれたり、流行り廃りもある健康法。しかし、効果ありと感じられている上位は、定番の健康法で占められているようです。
今回の分析は、自主企画のインターネット調査のデータをもとに行いました。
調査地域:全国
対象者条件:20-69 歳の女性
標本抽出方法:弊社「マイティモニター(弊社キューモニター+提携モニター)」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を、2015 年度実施国勢調査データをベースに、人口動態などを加味した2017 年度の構成比にあわせてウェイトバック
標本サイズ:n=833
調査実施時期: 2019 年9月19 日(木)~2019 年9 月24日(火)
転載・引用について
◆本レポートの著作権は、株式会社インテージが保有します。
下記の禁止事項・注意点を確認の上、転載・引用の際は出典を明記ください 。
「出典:インテージ 「知るギャラリー」●年●月●日公開記事」
◆禁止事項:
・内容の一部または全部の改変
・内容の一部または全部の販売・出版
・公序良俗に反する利用や違法行為につながる利用
・企業・商品・サービスの宣伝・販促を目的としたパネルデータ(*)の転載・引用
(*パネルデータ:「SRI+」「SCI」「SLI」「キッチンダイアリー」「Car-kit」「MAT-kit」「Media Gauge」「i-SSP」など)
◆その他注意点:
・本レポートを利用することにより生じたいかなるトラブル、損失、損害等について、当社は一切の責任を負いません
・この利用ルールは、著作権法上認められている引用などの利用について、制限するものではありません
◆転載・引用についてのお問い合わせはこちら