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コロナ禍2年目 2021年上半期の販売苦戦ランキング

コロナ禍2年目に突入し、制約のある生活が続く中、消費財の市場も引き続き影響を受けています。「コロナ禍で売れ続けているものは? 2021年上半期の売れたものランキング」では、売れ続けているものに“健康系”、“セルフケア”といったキーワードが見られました。一方で、このコロナ禍で販売が苦戦しているものにはどのようなものがあるのでしょうか。全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+®(全国小売店パネル調査)で振り返ります。

特需は落ち着くも生活への定着がみられる衛生用品

図表1は、2021年1月から5月までの販売金額の前年比の下位ランキングです。前年比減少の傾向が続いているのか、昨年販売が増加した反動なのかがわかる様に、2020年の同時期の前年比と並べています。また、“コロナ前”と比べるため、対2019年比も並べました。

図表1
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1位はうがい薬。55%と前年のほぼ半分になりました。感染症対策を期待されて売り上げを伸ばしていましたが、今年はその勢いに陰りが。それでもコロナ前の2019年同時期に比べて販売金額が131%と増えています。

同じような動きが4位のぬれティッシュです。「さらに広がる新型肺炎の影響 需要急増の予防関連消費と冷え込むインバウンド消費」でみられたように、2020年1月末、日本人初の新型コロナウイルス感染者が出た直後から、除菌効果のあるウェットティッシュの販売が跳ね上がり一時は品薄になるという現象がみられましたが、前年比66%の大幅ダウンとなりました。とはいえ、2019年に比べると140%の売り上げとなっており、除菌の習慣が定着していると言えそうです。一時期ぬれティッシュの代用にも使われた6位の清浄綿、9位のせっけんも含め、昨年の反動で販売が減りつつも、コロナ前の水準を上回っているという衛生用品が多くランクインしました。

販売減少が続く“マスクで隠れる部分”のメイク化粧品

2位の口紅は60%、3位のほほべにも62%と4割近い落ち込みとなりました。この2つは昨年も前年比を落としており、その傾向は続いています。昨年に比べて外出自体は増える傾向にある一方、外に出ればほとんどの人がマスクを着用していることもあり、マスクで隠れる部分用のメイク化粧品は、一層使用する機会が減っていると考えられます。15位のリップクリームも色付きのものの減少が大きく、マスク着用の影響が見て取れます。

同じ化粧品でも需要が回復してきているものもあります。目の周りの化粧で使う眉目料は前年比110%と、2年前と比較してもほぼ同水準にまで戻ってきています(図表2)。今後、ワクチン接種の増加などで屋外でのマスク着用が緩和されるようになれば、化粧品全体の販売も回復するかもしれません。

図表2
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続く“Withコロナの生活”の影響が見られたカテゴリーは?

医薬品も複数ランクインしています。5位が総合感冒薬、7位が鎮咳去痰剤です。感染予防のためにマスクや手洗い、うがいなどをしっかりしたことで、風邪をひく人が例年より大幅に少なくなった結果、2年連続の減少となりました。

ほかに減少が目立ったのが巣ごもりで昨年増加した商品です。10位の小麦粉、13位のプレミックスは、おうち時間のベーキングブームなどで売れていました。14位の畜肉缶詰は、内食・備蓄需要の高まるなか、コンビーフ缶が注目を集め人気となっていました。いずれも今年の減少幅は大きいですが、巣ごもりが続いているためか、コロナ前の2019年の水準は上回っています。
同じく11位の芳香・消臭剤、12位の住居用クリーナーもコロナ前を大きく上回っており、おうち時間を快適に過ごすための消費が続いていると考えられます。

2020年最も売れた“マスク”はいま

最後に、2020年上半期に新型コロナ対策として驚異的に売れた上位3カテゴリーの、今年の販売金額を見てみましょう。
図表3は、マスク、殺菌消毒剤、体温計の販売金額の前年比です。
マスクは81%と約2割減、殺菌消毒剤は89%、体温計も87%と1割以上の減少となっています。最初に挙げていた、うがい薬、ぬれティッシュも合わせて、昨年大きく販売を伸ばした衛生用品は軒並み前年比マイナスですが、コロナ前の2019年に比べて販売金額は大きく伸びており、Withコロナにおいては手放せないものになっていることが見てとれます。

図表3
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人々の生活の変化に応じて売れるもの、販売で苦戦するものは変わっていきます。今後はワクチン接種が拡大するにつれて行動も変容し、消費にもさらなる動きが生じることが予想されます。知るGalleryでは、その動きを年末に「2021年、売れた/販売苦戦したものランキング」でお伝えする予定です。


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