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コロナ禍で売れ続けているものは? 2021年上半期の売れたものランキング

2020年の日用消費財市場は、コロナで激変「2020年、今年売れたものランキング」でご紹介した通り、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を大きく受けました。その後、市場はどのようになっているのでしょうか。この記事では、全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+®(全国小売店パネル調査)を用いて集計した、2021年度上半期の売れたものランキングを紹介します。

2021年の年間ランキングはこちらから。

売れたものTOP2は健康増進対策カテゴリー

図表1は2021年1月から5月までの販売金額の前年比のランキングです。前年比増加の傾向が続いているのか、昨年落ち込んだ反動なのかがわかる様に、2020年の同時期の前年比と並べています。

図表1
2021kamiki-ranking_01.png

1位となったのは麦芽飲料でした。SNSなどを中心に貧血や体力増強によいことが話題となり、昨年後半より需要が急拡大しました。一時品薄状態が続くも、2021年春頃に解消されてからは売り上げ拡大が続き、対前年比208%でランキングトップとなりました。

2位はプロテイン粉末で、対前年比160%の伸びが見られました。運動をする人が、さらに筋肉をつけるために買うというイメージが強かったプロテインですが、コロナ禍の中で美容や健康の面で注目度が上がり、女性を中心に購入率も上昇。2019年の同時期に比べると市場規模も2倍以上になるなど、一気に市場を拡大しました。

上位に健康系カテゴリーが入るというのは、コロナ禍に入る前は毎年見られていた傾向です。ちなみに2020年上半期の順位は1位・マスク、2位・うがい薬、3位・殺菌消毒剤と、衛生用品が上位を占めていました(図表2)。コロナ禍2年目に入り、前年比の伸びが落ち着いてきた中でさらに伸びるのは、やはり健康系の様です。

図表2
2021kamiki-ranking_02.png

外出機会減で高まるセルフケア需要

続いて3位は玩具メーカー菓子で153%。昨年映画も大ヒットした鬼滅の刃関連の商品を中心に、他のコンテンツでもヒット商品が出たことで好調を持続しています。2年前に比べると販売金額も205%となっており、拡大が進んだことがうかがえます。

4位の血圧計、5位のヘアートリートメントは、家でのセルフケア需要が支えたと見られます。病院やスポーツ施設などに置かれていた血圧計ですが、外出機会の減少や、施設の設備が一時的に使用中止になることもあり、家で測定できるよう購入した人が増えているようです。
ヘアートリートメントで特に増えたのが、くせ毛ケアや、滑らかな髪への仕上がり効果を訴求するものでした。長時間滞在による感染への懸念から美容院などへ行くことを控える人などの需要を取り込んだと考えられます。

2020年の需要減の反動が目立つ“売れたもの”ランキング

ここまで紹介した5位までは、昨年上半期に売り上げを伸ばし、さらに今年も売り上げを伸ばしていたカテゴリーでしたが、6位以降には、昨年同時期に新型コロナウィルス感染拡大の影響で売上を落とし、今年に入って売上が回復したカテゴリーが複数入っています。

6位のテーピングや12位のサポーターは外出だけでなく、部活などの運動も制限された影響で落ち込みましたが、それらが一部戻ったことや、在宅勤務の増加による腰痛などへの需要などもあり伸びました。

8位の鼻炎治療剤は、昨年外出自粛に加え花粉が少なかったことで2割近く減っていましたが、今年は外出も増えたことと花粉量も増加したことで、一昨年に近い売り上げに戻ってきました。
9位のしわ取り剤は、ジャケットやコートといった衣類のしわを取るために使用するスプレー剤などで、外出が増える中、ウイルス除去の効果を訴求する新商品の寄与もあり大きく増加しています。
11位のビタミンB1剤はインバウンド需要の減少などで数字を落としていましたが、オンライン業務で増えた腰や目などの疲労回復を訴求した効果などもあり伸びました。

これらのカテゴリーの前年比を月別にみると(図表3)、昨年2月末に小中高の一斉休校が発表されるなど、感染拡大が進んだ3月より売り上げを落とし、その反動で今年の3月に回復していることがわかります。

図表3
2021kamiki-ranking_03.png

“売れたもの”に見られた環境変化の影響

7位の栄養バランス食品は、人気のプロテインが含まれたものが伸びたほか、昨年の1回目の緊急事態宣言時と比べ外出や出勤の動きが増えたことで、小腹満たしの需要も増えたと見て取れます。
10位の女性用保健薬は、女性のストレス増加が背景にあると推察されます。コロナ禍の外出自粛・在宅勤務の影響で在宅時間の増加・育児・家事の負担増など、女性への負荷が高まっているのかもしれません。コロナ禍のストレスが30、40代を筆頭に特に女性が多く感じていることは、自社調査結果※1からも確認できます。
14位のビール(発泡酒・新ジャンルを含みません)は、昨年10月の酒税法改正により値下げが行われたことが追い風となり、特に糖質ゼロと健康に配慮した新商品が好調で前年比111%となっています。15位のノンアルコール飲料は、ノンアルコールのレモンチューハイなどの新商品が人気となっており、家飲みでも健康に配慮してアルコールの摂取を控える動きがあるようです。

上半期のランキング上位に入ったカテゴリーのうち、売れ続けているものには“健康系”、“セルフケア”といったキーワードが見られました。また、昨年は今までにないような生活の変化で需要が大きく変わったため、今年はその反動が多く見られました。逆に売上が減少したカテゴリーは何か、知るGalleryでは、近日中にそのランキングも発表予定です。


今回の分析は、以下のデータを用いて行いました。

【SRI+®(全国小売店パネル調査)】国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません

※1 2021年6月現在


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