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生活者インデックスデータ

効果的なデータ活用入門 後編~データ活用方法を知る~

はじめに

DX部のデータサイエンティストをしております柿添と申します。普段はデータサイエンス技術を活用した顧客支援を行っております。特に、広告効果測定やTVエリア出稿配分最適化などのメディアプランニング領域を中心に取り組んでおります。

前編では、世の中にあるデータを3つに分類し、データ活用する際のメリット・デメリットを主にご紹介しました。後編では、それぞれのデータからどのような意思決定を行うのか、その活用方法を、具体例を挙げてご紹介します。

オープンデータの活用例~コーホート分析

まずは、オープンデータの活用例から見ていきましょう。前編でご紹介した通り、オープンデータは無料で手に入り、マクロ視点でトレンドを捉えられるのが強みです。
ここでは、家計調査を活用したコーホート分析を例に挙げ、具体的にどのような意思決定に繋がるのかを説明します。

コーホート分析はブランドに次の様な課題があるときに行います。

  • 売上が徐々に減少しているが、その原因がよく分からない。
  • 特定の世代に支えられているとの仮説があるが検証できていない。
  • 少子高齢化による将来の影響を捉えたい。

コーホート分析は、図表1の様に、ある商品の需要変化を「世代効果」、「加齢効果」、「時代効果」の3要因に分解し、どういった要因によって需要が変化するかを明らかにするものです。

図表1
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需要の変化が起きた要因がわかれば、どういった対策を実施すれば良いのかが検討しやすくなります。

実際のデータで見てみましょう。図表2は、当社が過去にワイン市場について分析した結果です。

図表2
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それぞれの結果から、以下のことがわかります。

  • 世代効果:ワイン市場では1954年~1958年生まれの方から最も支持されており若い世代では需要が少ない。
  • 加齢効果:50代前半の購入水準が最も高く支持年齢層である。
  • 時代効果:2007年ほどまで減少を続けて、その後成長傾向にある。

これらをまとめると、「直近では時代の流れとして需要が回復傾向になり、それは中年層に主に支持されている」ことがわかります。従って、更なるワイン市場拡大のためには若年層向けの商品開発やコミュニケーション施策などが有効であると示唆されます。

この様に、ただ購入量の推移であったデータを要因分解し、何が購入量に影響を与えるのかを明確にすることで、具体的にどういった打ち手を行えばいいか?という示唆が得られ、そこから意思決定に役立ちます。
オープンデータを活用すると、他にも「市場規模の推定」「気象情報を基にした需要予測」などを行い、意思決定に繋げることが可能です。

自社データの活用例~店舗への出荷量予測

続いて自社データの活用例です。売上データ、POSデータ、顧客情報、アンケートデータと様々ありますが、ここでは、POSデータを利用した「店舗別の年間出荷量の予測」を例として紹介します。

店舗別の年間出荷量の予測は、次の様な課題があるときに行います。

  • 新規に商品展開する際に、最も売上が見込める店舗から優先的に展開したい。
  • 既に商品展開している店舗で、想定よりも売り上げが見込めていない場合の要因を明らかにしたい。

予測においては、POSデータだけでなく、店舗の売上に影響を与えうる周辺情報を組み合わせて使用します。図表3のように「店舗情報」や「商圏情報」、「周辺店舗情報」といった情報を用いて予測モデルを作成し、各店舗が1年間にどれほどの売上が見込めるかのポテンシャルを予測します。

図表3
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この方法によって、以下の様な意思決定を行うことが可能です。

  • 現時点で商品を販売していない店舗における売上ポテンシャルを予測し、最も売上ポテンシャルがある店舗に商品を展開する。
  • 既に商品を販売している店舗における実際の売上と、本来の売上ポテンシャルのギャップを比較。乖離が生じた店舗について要因を追求し、改善施策を検討する。

図表4
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この様に、自社の保有するデータと、要因として関連しそうな周辺情報を収集し、予測モデルを構築することで、手を打つべき対象を効率的に選定できます。
自社データを活用すると、他にも「顧客ロイヤリティ向上のための商品改善」「売上に異変が生じている店舗の検出」などを行い、意思決定に繋げることが可能です。

外部購入データの活用例~消費者セグメンテーション

最後に外部購入データの活用例です。外部購入データは、費用はかかりますが、市場代表性を担保しつつ、適切な粒度で網羅的かつ俯瞰的に捉えられる強みがあります。ここでは、活用例として、消費者パネルデータを利用した消費者セグメンテーションを紹介します。

消費者セグメンテーションは、次の様な課題があるときに行います。

  • ユーザーを市場に即した形で分類し、どのニーズにどれだけの市場規模があるのかを把握したい。
  • 特定のユーザー層をターゲットとして施策を展開したい。施策実施後も効果を測定したい。

調理全般に対する意識を俯瞰し、冷凍食品市場のターゲティングのために実際にセグメンテーションを行った結果が図表5です。インテージの消費者パネルのモニターに対して46項目の調理意識についてアンケートを実施し、回答傾向が似た者同士をまとめてセグメント化しています。

図表5
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「手作り料理好き」「健康」「時短」といった大きなニーズの中でも、さらに様々な方向性で分類されることが分かります。

これらのセグメントの購買実態からは、例えば図表6の様にそれぞれの市場規模が捉えられ、ターゲットの選定といった意思決定が可能となります。

図表6
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外部購入データは他にも「メディア視聴データ」「人流データ」など、様々な種類があり、活用の幅も限りなくありますが、例を挙げると「TVエリアにおける出稿配分適正化」や「小売証券における競合店舗ポテンシャル把握」などを行い、意思決定に繋げることが可能です。

まとめ

この記事では、出所で分類した3種種のデータと、それらの活用例を紹介しました。
データ活用に際して意識するべきことは、その分析によってどのような意思決定をしたいかという、データ活用の目的です。世の中にどのようなデータがあるのか、またどのような活用方法があるのかを知って頂くことで、今一度解き明かしたい課題は何か?目的は何なのか?を再考するヒントになれば幸いです。

*家計調査は、全国約9千世帯の方を対象に総務省統計局が毎月調査しているデータです。調査内容は、家計の収入・支出や、貯蓄の金額に関するもので、具体的な内容としては、米、パン、交通・通信費の支出などのデータです。総務省統計局のWebサイトで公開されていますので一度確認してみてください。


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