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【平成振り返り企画第2弾】売り上げ逆転劇 カレー、魚缶詰、一般用医薬品、紙おむつ、洗濯洗剤 ~売り上げデータから分析~

4月に幕を閉じる「平成」の間に、生活者のライフスタイルがどのように変化したのかを、自社で蓄積してきたデータを駆使して分析します。
第2弾は、全国の店舗より継続的に日々の販売情報を収集しているSRI®(全国小売店パネル調査)とSDI®(全国一般用医薬品パネル調査)から、市場構造が大きく変化した品目を見ていきます。またビールについては新ジャンルの開発や税制変更における劇的な変化を、家庭内の購買状況を捉える日々の買い物データ、SCI®(全国消費者パネル調査)※から分析していきます。

※調査対象:平成4年から23年は世帯ベース、24年以降は個人ベース

【カレー】家庭の味も変化? レトルトがルーの売り上げ額を抜く(平成29年)

今も昔も子供から大人まで大人気なのがカレー。かつては大きな鍋で下ごしらえをした肉や野菜を煮込んでからルーを溶かし、おいしそうな香りが漂ってきたら家族全員で食べるイメージがあるかも知れませんが、平成29年にレトルトの売り上げがルーを上回りました(図表1)。食材を揃えて調理に手間をかけるより簡単に食べたい。また片付けにも時間をかけたくないといった志向が強まっていることが考えられます。技術革新によりレトルトカレーの味が向上したことも要因であるでしょう。家族であっても自分の好きな味を食べるために、それぞれ好みの違うレトルトカレーを用意し、自分で堪能するのはもちろん、家族内でシェアするケースもあるそうです。

図表1
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【魚缶詰】強烈な情報番組効果 王者・ツナがサバに抜かれて陥落(平成29年)

魚の缶詰と言えば、ツナ(マグロ油漬け缶)というイメージが日本では一般的でしたが、平成29年に大きな地殻変動が起こりました(図表2)。きっかけはテレビの情報番組。サバ缶は健康にいいということで一気に需要に火がつき、栄養価の高さや美味しさ、健康や美容への効果にも注目が集まりました。価格も手頃で簡便、メーカーなどから発信されるレシピによってメニューバリエーションが増えたことで、平成30年には一時品薄状態に陥るまでに人気が沸騰しました。更に、これを機にメーカーの戦略からサバ缶の代替としてのイワシ缶推しが始まり、サバ缶同様にレシピを公開するなど市場の活性化がより進んでいます。現在は落ち着きを取り戻しつつありますが、一過性のブームに留まらず今後も需要は堅調に推移しそうです。

図表2
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【OTC医薬品】ドリンク剤に変わり総合感冒薬がトップに (平成28年)

ココ一番の時にドラッグストアやコンビニで購入して飲まれるドリンク剤(100ml)やミニドリンク剤(100ml未満)。薬局・薬店・ドラッグストアなどで販売されている医薬品(OTC医薬品)の分野でトップを守ってきましたが、平成28年に総合感冒薬(風邪薬)に逆転を許しました(図表3)。コンビニや自販機などでも購入できるエナジードリンクや、甘酒に代表される健康志向の飲み物など、選択肢が増えたことも要因ではないかと思われます。

図表3
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【紙おむつ】少子高齢化が進み、大人用が子供用を上回る(平成24年)

少子高齢化の典型ともいうべき変化を見せたのが紙おむつ。平成24年に大人用が子ども用の売り上げを逆転しました(図表4)。子供用では使用者である赤ちゃんの減少に加え、着け心地の良さが長時間持続するなど製品の質の向上によって購入頻度も少しずつ低下していることが挙げられます。順調に増加している大人用では高齢者の介護サポートに使われるほか、尿漏れ対策用などの機能性の高い商品も開発されて売り上げを伸ばしています。品質の良さから大人であっても着け心地が良く違和感や抵抗がなく使用できることも増えた要因のようです。ちなみに26、27年は中国などからの訪日外国人の爆買いによるインバウンド需要で一時的に子供用が上回りましたが、その後沈静化して以後は大人用が大きく上回っています。

図表4
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【洗濯洗剤】8倍差を14年間で逆転。液体が粉末超え、さらに差を広げる(平成22年)

洗濯洗剤と言えば粉末というのが平成に入っても一般的でしたが、中期に入るとその流れは一変。水に混ざり洗濯物全体に均一に広がって溶け残ることなく、万遍なく洗えるなどの液体の使い勝手の良さが支持されて、一気に差は縮まりました。そして平成22年に逆転すると、その後は売り上げの差は開く一方で、今や液体が粉末の4倍近い販売額となっています(図表5)。液体は中性タイプのものもあり、洗浄力はやや落ちるものの衣類などの洗濯物に優しく、色落ちが少ない点でも人気で、さらに需要が伸びています。

図表5
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【ビール類】平成13年に発泡酒がビールを上回り、平成18年に新ジャンルが首位

目まぐるしく首位が変わったのが、このビール類。家庭内の購入容量構成比で、平成6年にビールより税率が低い発泡酒が大々的に発売され始めると、徐々に購入量が伸び平成13年にはビールを抜きました。しかし平成15年に発泡酒の酒税が引き上げられると、メーカー各社は麦芽を使わない第3のビールなど、ビールや発泡酒ではない新ジャンルに力を注ぐようになりました。価格の安さもあり、新ジャンルは平成18年に首位に立つと、その後も構成比を広げ、23年には6割を超えるまでになりました(図表6)。

図表6
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今回の分析は、弊社独自に保有する下記のデータをもとに行いました。

【SRI®(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約4,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。

※SRIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2018年3月現在

【SDI®(全国一般用医薬品パネル調査)】
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約3,245店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。

※SDIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2018年3月現在

【SCI®(全国消費者パネル調査)】
全国15歳~79歳の男女52,500人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データです。食品、飲料、日用雑貨品、化粧品、医薬品、タバコなど、バーコードが付与された商品について、「誰が・いつ・どこで・何を・いくつ・いくらで、購入したのか」という消費者の購買状況を知ることができます。

※SCIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開しておりません
現時点では60代までのデータ提供を基本サービスとさせていただいております。ご要望に応じて70代のデータを追加いたします

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