【毎月更新】生活者のお金の使い方

この記事では、生活者のいまを映す最新データをお届けします。物価高や円安など、消費を取り巻く環境が変化する中、生活者のお金の使い方はどのように変化しているのでしょうか。物価動向、日常の買い物行動、消費マインドの最新データから読み解きます。
2023年10月のコメント:
10月に入って少し落ち着いたように見える物価指数ですが、これは、去年の10月以降急激に物価が上昇したため、「対前年同時期」という見方をすると少し鈍化して見える、という状態なので、上昇トレンドは変わっていません。
4月以降、前年比プラスが続いていた一人当たりの買い物金額。10月は101.7%と直近の数か月より増加が目立ちます。チャネルごとの変化をみると、通販・ネットとドラッグストアでの金額増がけん引しているようです。
買い物回数は99.0%と減っており、減少傾向が続いています。チャネルの中で通販・ネットだけが元気で、9月には105.1pt、10月には112.4ptと昨年同時期を大きく上回る動きを見せています。11月にはブラックフライデーなど、待望のセール時期でもあるので、11月の動きにも注目したいと思います。
10月の各カテゴリのマーケットサイズは、食品のみプラスに転じています。深まる秋、さらには年末に向けての食欲の回復も見込まれるため、今後の動きに注目したいところです。雑貨、ヘアケア、日用品派に大きな動きはありませんが、飲料はハイシーズンの夏場を過ぎ、大きく縮小しています。まさに季節の移ろいを感じる動向となっていますね。
次に消費マインドを見ていきましょう。「節約意識」は底堅く推移しており、1.55ptとなりました。現在の消費意欲(-0.3pt)もわずかですが減少傾向にあります。一方で最も低いところを推移している今後の消費意向はマイナス0.51と先月から少しだけ増加に向かいました。冬のボーナスも近づいていまいりました。ひょっとすると少し明るい兆しを感じているかもしれません。とはいえ、節約意識も高いことから吟味しつつの買い物が続きそうです。
節約モードな中、お金をかけたいものを見てみると、食品だけが大きな伸びを示しています。まさに「食欲の秋」なのでしょうか。その一方で、旅行・ドライブは大きく落ち込んでいます。夏・秋の旅行やイベントもひと段落、今度は年末・年始に向けて準備中というところでしょうか。
さてさて、ハロウィンも終わり、街にはクリスマスソングも流れ出しました。季節の変化とともに生活者の暮らしの変化を眺めていきたいと思います。みなさまはどのような変化に注目していますか?
※次回のデータ・コメントの更新は12/21を予定しています。
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データについて
【SRI一橋大学消費者物価指数】
一橋大学経済研究所経済社会リスク研究機構、全国スーパーマーケット協会と株式会社インテージとの共同プロジェクト「流通・消費・経済指標開発プロジェクト」の一環として作成している経済指標です。インテージのSRI+のデータを用いて消費財の物価の変動とその構造変化を可視化します。
物価の構造変化を「新旧商品入れ替え効果:新商品による影響」「価格変化効果:既存品の値上げ・値下げによる影響」「代替効果:既存品の中で消費者が購入商品をスイッチしたことによる影響」に分解することで、要因を捉えることができます。
こちらの記事でもご紹介していますので、合わせてご覧ください。昨今の値上げで物価はどう動いている?マクロ視点で構造をひも解く
【SCI®(全国消費者パネル調査)】
全国15歳~79歳の男女53,600人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データです。食品、飲料、日用雑貨品、化粧品、医薬品、タバコなど、バーコードが付与された商品について、「誰が・いつ・どこで・何を・いくつ・いくらで、購入したのか」という消費者の購買状況を知ることができます。
SCI Shopper Indexデータは、このSCIで収集している消費財購入時のレシート情報を基に、日常の買い物金額や買い物頻度などを集計したものです。
※SCIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開しておりません
【SRI+®(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2021年6月現在
【月次調査】
調査地域:全国
対象者条件:15-79 歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
標本サイズ:n=3,000(1回あたり)
調査実施時期: 2022 年7月~ 各月第1週
※消費意欲、節約意識は1年前の同時期と比べた度合いを-5~+5の11段階で聴取
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(*パネルデータ:「SRI」「SCI」「SLI」「キッチンダイアリー」「Car-kit」「MAT-kit」「Media Gauge」「i-SSP」など)