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化粧品は女性だけのものではない! 男性の肌ケア事情

最近、女性用化粧品の高価格帯ブランドからメンズラインが登場したり、男性向けの美容を紹介するインフルエンサーが注目されるようになったりと、男性の美容に対する意識や環境が少しずつ変わってきたと感じることはないでしょうか。 男性が自分用に購入している男性用化粧品の市場規模を見ると、直近5年間は右肩上がりで、2019年における対2015年比は109%となっています(図表1)。

図表1

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男性用化粧品の好調は、洗顔クリームや化粧水などの「基礎化粧品」によるところが大きくなっています。基礎化粧品は男性用化粧品市場の約6割を占め、2015年比で115%と最も伸長しました。
そこで、この記事では男性の基礎化粧品の購入事情を追いました。

男性用基礎化粧品はどの層に支持されたのか?

2015年と2019年の男性用基礎化粧品の購入率と年間購入金額を年代間で比較すると、40~60代の中高年層の男性による購入率が特に増加していることがわかります(図表2)。これまであまりスキンケアをしていなかった年代が基礎化粧品を使用するようになったと考えられます。

図2

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背景の一つとして推測されるのが、女性の社会進出です。女性の就業率は2015年から2019年にかけて、約7ポイント増え、70.8%となりました(総務省統計局 労働力調査より)。働く女性の増加により、職場や取引先など社内外のあらゆる場所で男性が女性と接する機会が増えてきたことから、身だしなみに気を遣って基礎化粧品を購入する、といった行動も増えているのではないでしょうか。

もう一つ、気になるのが20代での購入率の低下です。その理由は、この後のデータから見ていくことにしましょう。

男性の基礎化粧品購入は女性用製品にも拡大

ここまでは男性用基礎化粧品(以下、「男性用」とする)について触れてきましたが、男性が主に女性向けに発売されている基礎化粧品を購入することもあります。ここからは男性の女性用基礎化粧品(以下、「女性用」とする)の購入状況についてみていきましょう。

男性が自分用に購入している基礎化粧品の市場規模を見ると、「女性用」の購入金額が全体の4割程度を占め、2015年比で見ると111%と大きく伸びていることがわかります(図表3)。「男性用」だけなく、「女性用」をあわせて見ることで、より男性の基礎化粧品の購入事情が見えてきそうです。

図表3

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「女性用」の購入率と年間購入金額を年代別に見てみると、20代を中心とした若年層の男性による購入率が特に増加していました(図表4)。若年層の新規ユーザーが増えたことが好調の大きな要因であることがわかります。
若年層の「男性用」の購入はあまり伸びてはいませんでしたが、これは「女性用」を購入していたからだと思われます。

図表4

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「女性用」の方が口コミも見つけやすく、かつ、ラインナップも豊富な傾向にあります。情報に敏感な若年層は、自分の悩みに答えてくれる化粧品を探した結果、女性用に行き着いたのではないでしょうか。

今後の市場展開への期待

前述の通り、20代を中心とした若年層は「女性用」、40~60代を中心とした中高年層は「男性用」の基礎化粧品を購入し、使用する傾向が確認されました。構成比で表すとこの傾向は明らかで、年代によって使っている基礎化粧品に違いがあることがわかります(図表5)。

図表5

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男性による基礎化粧品の購買行動は全ての年代で広がっており、引き続き市場は拡大を続けていくと思われますが、今後の更なる市場拡大には「男性による女性用基礎化粧品の購買行動」の理解がより良いヒントをもたらしてくれるのではないでしょうか。男性用化粧品以上に幅広いラインナップが揃う女性用化粧品の中から、男性が何を選んでいるのかを探れば、その裏にはどんな悩みや思いがあるのか、今まで見えていなかったニーズが見えてくるかもしれません。そのニーズを捉え、男性用と女性用が良い意味で競合、補完をしていければ、男性による化粧品購入はさらに市場を拡大させていくことができるのではないでしょうか。


今回の分析は、自主企画調査を用いて行いました。

【SCI®(全国個人消費者パネル調査)】
全国15歳~79歳の男女52,500人のパネルモニターによる食品(生鮮・惣菜・弁当などを除く)・飲料・日用雑貨品・医薬品に関する消費者市場動向のトラッキングサービスです。 このデータからは、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「いくらで買った」のかがわかります。消費者の顔を詳細に捉え、消費者を起点としたブランドマーケティングや店頭マーケティングにご活用いただけます。

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