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生活者インデックスデータ

定年後も忙しく動き続けるアクティブシニアの原動力

新型コロナウイルスの感染拡大からさまざまな常識が一変し、激動の「ニューノーマル」時代に突入して早1年が経ちました。4度目の緊急事態宣言の解除、ワクチン接種の普及、オリパラの開催と、環境が変化する中、生活者の意識や行動もここからまたさらに変化し続けるのではないかと予想されます。

インテージクオリスでは、1人の生活者の行動や気持ちを理解すること(n=1分析)により変化の”兆し”を捉え、新しい商品やサービス開発のヒントを見出そうという試み、<n=1プロジェクト>を実施してきました。コロナ禍でもポジティブな行動変容をした方を対象に日記調査を実施し、その中でも特にニューノーマル時代の生活者像の理解を深める上で興味深い投稿をしていただいた5名の方に、デプスインタビューにご協力いただきました。

今回記事にさせていただいたのは、Dさん(69歳・男性)。Dさんは、60歳過ぎまでバリバリ仕事をこなし、定年退職した今でもNPOや自治会で忙しく活動する、通称「アクティブシニア」と呼ばれるような方です。Dさんの原動力となっているものは何なのか。そして、どのようにしてコロナ禍でもポジティブなマインドを保てているのか。インテージクオリスのリサーチャー出野 舞が、デプスインタビューからリアルな意識を探ってみました。

過去の記事はこちらからご覧ください。
Aさん:コロナ禍で変化する子供の成長機会、それに対する親の気持ちとは
Bさん:アクティブシニアはどうしてこんなにアクティブなのか
Cさん:働く20代、コロナ禍でのストレスは?

日記調査から見えた生活行動

Dさんにも、日記調査で約3ヶ月間に渡り日々の出来事を投稿していただきましたが、前述した自治会活動だけではなく、旅行やスポーツクラブやゴルフ、さらにはエコ検定の勉強にも励み、日々アクティブに行動されている様子がうかがえました。

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いつから、どのようなきっかけでこのようにアクティブになったのか。何が原動力となっているのか。Dさんの生活の変遷から、背景や価値観を明らかにしていたいと思います。

インタビューから見えてきた本音

まずは、Dさんがこれまでどのように過ごしてきたか、仕事を主軸にしてまとめました。

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新卒から行政機関に勤め、60歳で定年を迎えるまで、とにかく忙しく過ごしていたようです。結婚して子供2人にも恵まれましたが、転勤が多く、単身赴任も経験されています。50代からは何十名という部下を持つ役職となり、責任の重い業務を任されてストレスが増えた上、定年前まで夜遅くまで残業していたとのこと。定年後は再雇用で現場に戻って「自由になれた」とおっしゃっており、それまでのストレスから解放されたようでした。63歳からは民間企業の審議役として勤務し、ここでは残業がなくて居心地もよく、ほとんどストレスを感じずに過ごせており、ゴルフやNPOなど新しいことを始め、元々好きだけどなかなかできていなかった旅行や水泳などを再開させるような機会も増えました。68歳で退職し、現在に至ります。

アクティブな行動の原動力

Dさんが現在これほどまでアクティブに活動されている、その原動力となっているものとして、大きく2つの要因があるように考えられます。

【要因1】健康でいられる「今」を楽しみたい

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仕事やストレスから解放され、やっと時間ができたから、これからは思いっきり旅行を楽しみたいという気持ちが根底に大きくあるのですが、それに加え、これから先の健康に対しての不安も強く感じられました。健康でいられる今のうちにできることを楽しんでいきたいという気持ちが、今でも日常のトレーニングとして水泳やサイクリングなどの適度な運動を定期的に取り入れるモチベーションとなっているのかもしれません。

【要因2】社会の役に立つことに喜びを感じている

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Dさんは、民間企業時代にNPOに入り、自治会の役にも立候補しています。定年して自由になった頃に社会貢献への意識が高まったとおっしゃっていましたが、NPOも自治会も、ご自身のこれまでの経験を社会に還元し、新しい知識も取り入れながら貢献していることにやりがいや喜びを感じていらっしゃるようでした。会社から退いた今でも、社会とのつながりを持つことで自身の存在価値を認識できていることも、行動する理由のひとつのかもしれません。

コロナによる影響

Dさんに、コロナ禍で変わったことをうかがうと、「働いてないからテレワークとかもないし、そんなに影響はない」「普通にしていればコロナにはかからない」とおっしゃってはいるものの、海外旅行ができなくなっただけではなく、元々友人たちと飲食店でわいわいするのが好きなのに行けなくなった…など、直接的な発言はなくとも制限・もどかしさは感じているようでした。海外旅行については、前述の通り今後の健康に対する不安もある中で、いつまでコロナ禍が続くのかという思いは持たれているのではないか思います。
その中でも、野外でできるゴルフや国内旅行をしたり、今後の健康のために適度な運動をしたり、今できることをやって日々の暮らしを前向きに楽しんでいらっしゃるようでした。

最後に

先日、Dさんと同じくアクティブシニアと言えるBさんの記事も掲載させていただきました。
おふたりの共通点として、
・やっと持てるようになった自分の時間を自分のために使う
・社会とのつながりを持ち、自分の価値を高めている
という背景から、「本当はもっとやりたいことがあるのに」という思いを持ちつつも、コロナ禍でも前向きに充実した日々を送れているのではないかと思います。

今後も、インテージクオリスでは、n=1を深く理解することで、商品やサービス開発の芽を見つける取り組みを行ってまいります。次回は、ファミリー層のEさん(44歳・女性)の深掘り記事を掲載いたします。


(調査実施概要)
今回の分析は、下記の設計で実施した株式会社インテージクオリス・株式会社インテージの共同自主企画の調査結果をもとに行いました。

  • 調査実施日:2020年12月13日・14日
  • 調査対象者:一都三県在住の20~70代男女5名
  • 調査手法:デプスインタビュー(オンライン)
    ※WEB環境を利用し、会場に集まらなくても任意の場所からオンラインでインタビューを行う手法です。
    自宅でインタビューを行うケースが多く、リラックスして参加できるので、よりリアルな消費者の声がみえてきます。
  • 調査主体:株式会社インテージクオリス・株式会社インテージ

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