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消費財の値上がり実態と生活者の家計防衛術(5)

物価上昇の流れが続く2023年。今秋も様々な商品で値上がりが見られています。また、知るギャラリーで毎月最新データをお届けしている「生活者のお金の使い方」のダッシュボードでも、2022年の秋以降、物価指数が高水準のまま推移しています。では、生活者が実際に目にしている店頭価格は実際にどのように変化しているのでしょうか?全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+®(全国小売店パネル調査)で詳細を見ていきます。

一部カテゴリーで見られた単価の値下がり

図表1は、この2020年以降で値上げがされた代表的なカテゴリーの平均価格の推移です。値上げが始まる前、2020年の年間平均価格を100としたときの比率で見ています。

図表1

1つのトレンドとして、価格高騰の代表的な商品に挙げられる食用油の値下がりが見られます。値上げ前の2020年平均と比べ、キャノーラ油は今年2月の190%をピークに170%台に、サラダ油も4月の155%から9月は138%に下がりました。他の調味料は、まだ高止まり傾向ですが、今後食用油に続く動きがみられるかは注目です。

一方で夏場以降に再度価格が上がってきたのが主食です。小麦粉は9月に128%を記録。食パンも7月から上昇を始め、120%近くで推移しています。6月頃には一時落ち着きを見せていたそば、うどんも再度の価格上昇の傾向が見え始めました。袋ラーメン、カップラーメンなども大手メーカーの値上がりなどもあり9月には123%に達しており、今後の動きが注視されます。

値上がりによる販売量への影響

身の回りの様々なところで値上がりが続く中、購買行動にはどのような変化が出ているのでしょうか?スーパーマーケットでの食品の売り上げを見ると、価格が上がっていたカテゴリーの多くで販売数量が大幅に落ちていることが確認されました。

図表2

今年の9月と多くの商品に値上がりが波及する前の2年前の9月を比べると、キャノーラ油の41%減が目を引きます。その流出分の一部がサラダ油に流れ込み97%増と大幅に増加していました。またマーガリンの23%、砂糖の20%を始め、多くの調味料で2ケタの減少が見られていました。

主食でも、小麦粉の30%減やカップラーメンの20%減など、大きな減少が見られます。 また、加工食品でもサバ缶や魚肉ソーセージが20%以上減、嗜好品でもレギュラーコーヒーで22%減など幅広い商品での購入減が起きています。コロナ禍の巣ごもり需要からの減少や、今年9月が異例の猛暑だった影響などもありますが、値上がりが生活者の購買行動に大きな変化を与えていることは間違いないようです。スーパーマーケットに限らず全業態を通じても、これに近い傾向が見られ、販売数量の減少は顕著となっていました。

日用雑貨品の値上がり実態

日用雑貨についても同様に見てみましょう(図表3)。一昨年夏ころから始まる値上がりの動きの中、食品ほどの大きな動きは起きていませんが、今年に入ってからティッシュペーパーやトイレットペーパーといった紙製品や洗濯用洗剤などで、店頭価格が高い状態が続いています。

図表3

ここで、日用雑貨の主要チャネルであるドラッグストアにおける販売数量を見てみましょう。日用雑貨については、価格が上がっていても販売数量が2ケタ増のカテゴリーも見られました(図表4)。

図表4

ドラッグストアは値上がり期やコロナ禍に来客数が大幅に増えた業態のため、その影響もあるのですが、全業態で同様のデータを確認したところ、対2021年の販売数量がプラスになっているカテゴリーも見られるなど堅調で、食品とは大きな傾向の違いが見られました。

食品であれば、より安い別の材料で代替する、といった対処が可能ですが、日用雑貨品、特に必需品については、目的に対してそのカテゴリーでしか対処できない代替性の低いものが多いため、買う銘柄が変わるといったことはあっても、カテゴリーの購入そのものをやめるといったケースは少ないということかもしれません。

生活者の節約行動

ここまで、主に食品において販売量が減っているといった実態をお届けしましたが、生活者はどのような節約行動を意識的に実践しているのでしょうか。

図表5は「食費の節約のために行っている取り組み」の半年ごとの調査結果を並べたものです。節約疲れのためか、半年前の調査結果では一部の項目で取り組む人が減っていましたが、この9月には多くの項目で、最も節約のための取り組みがなされていることがわかります。

特に黄色の星がついている「特売品」「タイムセール」「プライベートブランド」「まとめ買い」といった買い方の工夫や、くだもの、デザートといった嗜好品の購入を控えるといった項目、家飲みの量・質を抑えるといった項目は、1年前よりも目立って増えていました。

図表5

前述の「生活者のお金の使い方」のダッシュボードでも、少しだけ緩みつつあった節約意識がまた引き締まってきている様子が見られています。外食やサービスなど、様々な対象において、いまだ落ち着く様子の見えない値上がりの動き。生活者の気持ちや行動にどのような影響を与えるのか、引き続き見ていきたいと思います。


【SRI+®(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo.1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2023年10月現在

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