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新しいマーケティングのすすめ(34)

「メディアの指標を再考する時期なのか?」

アメリカのスーパーボウルの平均視聴者数が、1億2370万人に

2024年2月11日(アメリカ時間)に行われた、スーパーボウル。私はアメリカンフットボールのファンなので、DAZNでテレビ観戦を行いました。今年は、スーパーボウルにテイラースウィフトが観戦することや、試合自体も4年間のスーパーボウルのリマッチになることなど、話題も多い試合となりました。

図 1 Super Bowl会場(2015年筆者撮影)

マーケターが興味あるのは、このテレビ中継の視聴率でしょう。まず、データから紹介すると平均視聴者数は1億2370万人でした。そして、その内訳もニールセンとアドビ・アナリティクスが発表しており、テレビ中継のCBS放送の視聴者数が、1億1200万人。Paramount+、Nickelodeon、Univision、CBS Sports、そしてNFL+を含むNFLのデジタル・プロパティつまり、ネット配信で残りの視聴者数となっています。

そして、この視聴者数は、過去最大となりましたが、実はネット配信の視聴に関する正確なデータは取得できておらず、この数値を上回る可能性があります。
(参照:https://variety.com/2024/tv/news/super-bowl-2024-ratings-viewers-1235907666/

あれ、視聴率ではなく、視聴者数?

今回皆さんと考えたいのは、上記の数値の出し方です。

日本ではマーケティングの現場で、テレビは視聴率という言葉を、まだ標準的に使っているでしょう。例えば、ビデオリサーチのサイトには「週間 高視聴率番組10」というWebページがあります。

一方、アメリカでは、ニールセンのWebページに「従来のテレビトップ10」があり、視聴者数を基本の数値として表示されています。

この違いは、どこから来るのでしょうか?

今も、マーケティングは、市場占有率が重要な指標か?

スーパーボウルの視聴数の発表では、テレビの視聴者数と、ネットの視聴者数を足し算して発表しています。足し算するにはテレビの視聴率とネットの視聴率では、計算ができません。なぜならば、母数の違う%を足すことは意味のない計算になるからです。この観点から、視聴率より視聴者数で考える方が増えてきました。

図 2 アメリカンフットボール

もう一つの理由は、マーケティングの手法も「広く伝える」従来の広告的考えから、「明確にコミュニケーション相手を設定する」ターゲティング的な考えが増えたこともあるのでしょう。テレビを視聴率で考えるときに、広告主のマーケティングの会議では、アドシェアという競合との中での広告占有率も議論されていました。これは、マーケティングの重要な指標が「市場占有率(シェア)」だったからでしょう。しかし、マスマーケティングが崩壊した現在では、市場占有率よりも、お客様数や、契約数が重要な指標に変わっているはずです。このことから、メディア戦略を考える時には、テレビを視聴率で考えるより、テレビの視聴者数で考えた方が良いのでしょう。

メディア選定から、コンテンツ選定の時代でもある

私は、日本時間2024年2月12日は、振替休日だったので、自宅でDAZNにかじりつき、アメリカCBS放送のテレビ番組を、ネット配信で見ていました。テレビから、聞こえるのは、スポーツキャスター、ジム・ナンツの声と、元・ダラス・カウボーイのQBトニー・ロモの解説です。そして、テレビ・コマーシャルの時間は、当然CBS放送のテレビ・コマーシャルがDAZNから放映されます。

図 3 現役時代のトニー・ロモ(左側、2007年筆者撮影)

インターネットのストリーミング配信になり、視聴者は、その番組がテレビ中継なのかネット配信なのかは、気にしなくなりました。ところが、マーケティングの現場では、今でも「テレビ対ネット配信」という議論をしているのではないでしょうか。それは、テレビ番組はテレビでしか見られないアナログの時代の考えに基づいていないでしょうか。今は、映像コンテンツがテレビでもネットでも見られる時代なのです。
マーケティングでは長く「メディア戦略」という言葉が使われていましたが「コンテンツ戦略」の時代を迎えたのかもしれません。

広告・宣伝の現場で、自社の広告の接触者数を、明確に理解する方法を確立しよう

前回の私の記事「新しいマーケティングのすすめ(33)」で、Webサイトやスマートフォンのアプリの接触者数の測定について、考察しました。テレビ広告、今回の記事の定義では「映像系コミュニケーション・コンテンツ」を、マーケティング活用しているマーケターは、自社の「映像系コミュニケーション・コンテンツ」の接触人数を測定できているでしょうか?
マーケターも「映像系コミュニケーション・コンテンツ」を、テレビ、自社アカウントのYouTubeチャネル、自社のWebページ、インターネットの広告、デジタル・サイネージなどに配置しているでしょう。ですが、それらの総接触者数は、測定できているでしょうか?今までマーケティングの現場では、メディア、ビークルという配信場所ごとの戦略を立案し、実行してきました。これからは生活者同様、メディアの境界を気にしない戦略立案が求められているのでしょう。その第1歩として、皆さんの会社の「映像系コミュニケーション・コンテンツ」の接触人数を、測定できる環境や仕組みづくりが必要なのではないでしょうか。


<参考サイト>
・Variety 
https://variety.com/2024/tv/news/super-bowl-2024-ratings-viewers-1235907666/
・ビデオリサーチ
「週間 高視聴率番組10」https://www.videor.co.jp/tvrating/
・ニールセン
「従来のテレビトップ10」https://www.nielsen.com/ja/data-center/top-ten/#television

著者プロフィール

株式会社マーケティングサイエンスラボ 本間 充プロフィール画像
株式会社マーケティングサイエンスラボ 本間 充
1992年花王株式会社に入社。社内でWeb黎明期のエンジニアとして活躍。以後、Webエンジニア、デジタル・マーケティング、マーケティングを経験。
2015年アビームコンサルティング株式会社に入社。多くの企業のマーケティングのデジタル化を支援している。マーケティングサイエンスラボ 代表取締役、ビジネスブレークスルー大学でのマーケティングの講師、東京大学大学院数理科学研究科 客員教授(数学)、文部科学省数学イノベーション委員など数学者としての顔も併せ持つ。

1992年花王株式会社に入社。社内でWeb黎明期のエンジニアとして活躍。以後、Webエンジニア、デジタル・マーケティング、マーケティングを経験。
2015年アビームコンサルティング株式会社に入社。多くの企業のマーケティングのデジタル化を支援している。マーケティングサイエンスラボ 代表取締役、ビジネスブレークスルー大学でのマーケティングの講師、東京大学大学院数理科学研究科 客員教授(数学)、文部科学省数学イノベーション委員など数学者としての顔も併せ持つ。

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