

今や世界中にファンを抱えるゲーム『ポケットモンスター(ポケモン)』。シリーズ1作目『ポケットモンスター 赤・緑』が、今月で発売から30年を迎えます。
近年では、「Pokémon GO/ポケモンゴー」等スマートフォン(スマホ)アプリでも数々のヒットを生み出し、人々を魅了し続けています。これだけのヒットを続けられる要因の一つには、ポケモンというビッグな知的財産(IP)を活用したブランド戦略が鍵となっているのではないでしょうか。
今回はインテージのメディアログデータ「i-SSP®(インテージシングルソースパネル®)」でポケモンアプリの今の利用状況を分析し、IP活用戦略にどんなポイントがあるかを探っていきます。
まず、スマホゲーム内でポケモンゲームアプリがどの位置にいるのかを利用率で見てみます。図表1は2025年11月で利用率TOP20のゲームアプリ一覧です。
図表1

ランキングのTOP5までに「Pokémon TCG Pocket/ポケモンカードポケット(ポケポケ)」(1位)「Pokémon GO/ポケモンゴー(ポケGO)」(2位)「Pokémon Sleep/ポケモンスリープ(ポケスリ)」(4位)と、ポケモンアプリが3つも含まれていることがわかります。中でもPokémon GOは同じNiantic社開発のウォーキングアプリ「Pikmin Bloom/ピクミンブルーム」(14位)と比較しても、利用率が3倍以上と大きく差をつけています。スマホゲームでもポケモンの存在感はかなり大きいといえるでしょう。
第2章以降では特に利用が多いこの3アプリを対象に分析していきます。
ここからは、前章で挙がったポケモン3アプリがどのように利用されているのかを見ていきます。
まず、各アプリの年代構成(図表2)を見ると、いずれも「ポケモンブーム期(1996~2000年代前半)」世代に相当する30-40代の割合が多く、Pokémon GOとPokémon Sleepでは最多となっています。やはりブームの影響を受けた層の支持は未だ熱く、ポケモンファンも多いことがうかがえます。
一方それ以外の年代構成はアプリごとに異なっています。Pokémon GOでは50-60代(26%)、ポケポケでは10-20代(51%)が他アプリより利用が多く、アプリユーザーの特徴といえます。
図表2

Pokémon GOはスマホを通じてポケモンの世界を冒険する気分を味わえる点が人気の一つです。50-60代の中には過去シリーズで遊んだ人もいると考えられ、そんな経験者にとっては懐かしいゲームの世界に没入できる経験も魅力的でしょう。
若年層が目立つポケポケは大人気のカードゲームをアプリ化したものです。無料で開封・収集できるカードパックや、SNSを活用した情報発信・交流など、若者との親和性が高い要素が多いです。カードゲームの対戦も通常よりルールが簡素化され、短時間でも遊びやすい点が支持されているのでしょう。
Pokémon Sleepは10-20代(30%)、50-60代(21%)と若年がやや多めながら、幅広い世代に利用されています。健康管理とゲーム要素を兼ね備えたアプリであり、睡眠計測アプリとして様々なユーザーに活用されているのもうなずけます。
では、各アプリユーザーの利用背景にはどんな内容がありそうでしょうか。
アプリユーザーのニーズを探るため、意識データを見てみます。
分析対象にはアプリ利用が多い層が適切と考え、「1日あたりの利用時間が多いユーザー(上位50%)」に絞って「多利用層」とします。インテージ保有のアンケートデータ「SCI®(全国消費者パネル調査)のSCI Profiler」から、多利用層が「普段から感じていたい気持ち」に着目し、アンケート回答者全体と比較して特徴的だった上位5つをまとめました。
図表3

Pokémon GO多利用層ではTOP2が「リラックスできる」(57.5%)、「癒される」(45.6%)であり、心の癒しを感じたい気持ちが上位にランクインしました。アプリ特徴から「好奇心」といったワードがもっと上位に来ると予想しましたが、それ以上に好きなことや世界観に没入することが、ユーザーにとっての癒しの時間になっているのかもしれません。
幅広い世代に利用されているスリープでは、特に健康に関する内容が60%以上と大きく出ています。Pokémon Sleepはゲーム感覚で楽しく睡眠管理ができる機能をもち、身体や心の健康を重視するユーザーにとってはまさにうってつけといえるでしょう。
若年層の支持が熱いポケポケでは、TOP3が「好きなものに囲まれている」(35.5%)、「夢中になれる」「精神的な豊かさが感じられる」(32.9%)でした。様々なコンテンツが溢れる中、自分の好きなことに夢中になり、いかに満足感を得られるかを重視する傾向があるといえます。また他のアプリにはなかった「効率の良さを感じられる」(20.8%)があることから、限られた時間の中で満足感をえられるコンテンツであるかも鍵となりそうです。その点、ポケポケはカードコレクション・対戦が遊びやすく、若年に受け入れられやすいアプリなのかもしれません。
今回の内容から、ポケモンは世代を超えて愛されると同時に、各アプリの内容に合ったやり方で利用されていることがうかがえました。人気IPだからこそ、幅広い世代にアプローチできる点が強みとなり、世代をつなぐ存在となっています。
またユーザーが求める気持ちとアプリ内容の相性もよく、ユーザーニーズに合った体験価値を提供しているといえるでしょう。このことから、人気IPを活用したブランド戦略において、「ユーザーの気持ちを理解し、いかに寄り添っていくか」が重要なポイントになると考えられます。ポケモンコンテンツが今もなお根強く愛されているのは、ユーザー目線を理解したUX設計があるからかもしれません。
この先もどんな体験をさせてくれるのか、いちファンとして楽しみです!
【i-SSP®(インテージシングルソースパネル®)】
当社の主力サービスであるSCI®(全国消費者パネル調査)を基盤に、同一対象者から新たにパソコン・スマートフォンからのウェブサイト閲覧やテレビ視聴情報に関するデータを収集するものです。当データから、パソコン・スマートフォン・テレビそれぞれの利用傾向や接触率はもちろん、同一対象者から収集している購買データとあわせて分析することで、消費行動と情報接触の関係性や、広告の効果を明らかにすることが可能となります。
【SCI®(全国消費者パネル調査)】
全国15歳~79歳の男女70,000人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データです。食品、飲料、日用雑貨品、化粧品、医薬品、タバコなど、バーコードが付与された商品について、「誰が・いつ・どこで・何を・いくつ・いくらで、購入したのか」という消費者の購買状況を知ることができます。 ※SCIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開しておりません
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