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スマートテレビはどれだけ普及した? 普及に伴う“テレビの見かた”の変化

スマートテレビの普及に伴い、テレビで動画コンテンツを見るようになるなど、テレビの見かたが次第に変わってきました。この変化に伴い、テレビ広告やデジタル広告の打ち方も変わってくると考えられます。現状、生活者の行動はどの程度変わっているのでしょうか。
この記事では、スマートテレビの普及状況、ユーザーの特徴を分析し、スマートテレビ普及による変化について考察してみました。

1.スマートテレビとは? 現在の普及実態は?

スマートテレビとは、インターネット結線が可能なテレビのことです。インターネットにつなぐことで、地上波やBS/CS放送などを視聴できるだけでなく、動画をはじめとする様々なWebコンテンツを視聴可能です。

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YouTubeやNetflixなど様々な動画コンテンツの普及に後押しされる形で、年々利用が拡大しています。筆者自身も、大画面で動画コンテンツを家族と視聴して楽しんでいます。

スマートテレビがどのくらい普及しているのか、2016年から毎年調査した結果が図表1,2です。

図表1
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図表2

スマートテレビの普及率推移(端末単位)

普及率は年々上昇し、2021年現在、約3人に1人がスマートテレビをネット結線し、視聴可能な環境にあることがわかりました。端末単位でみても、約4台に1台がネット結線されたスマートテレビとなっており、この5年ほどで約2倍に増えています。
現在発売されている最新機種の多くがスマートテレビであることを考えると、今後更に普及が進みそうです。

2.スマートテレビユーザーってどんな人?

では、現在どのような人がスマートテレビを利用しているのでしょうか。
図表3は2021年のスマートテレビユーザーとテレビユーザー全体の性年代構成比です。

図表3
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スマートテレビユーザーの方が、比較的若い世代の構成比が高く、60-79歳男女の構成比が少ないことがわかります。

このグラフに、2018年時点のスマートテレビユーザーの性年代構成比を加え、その変化を見てみましょう。

図表4
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この3年間の普及に伴い、スマートテレビユーザーの構成がテレビユーザー全体に近づいていっていることがわかります。
スマートテレビが登場して間もないころは、ネット結線できるという機能が最新機能の為、高価格帯の最新テレビにのみ搭載されていた機能でした。その為、比較的経済的な余裕のある高齢層が所有者構成比の多くを占めていました。近年では、全価格帯のスマートテレビに標準的に搭載されている機能になりつつあり、特に50代以上の構成比が大きく、テレビ全体に近づいたと考えられます。
スマートテレビユーザーの性年代構成比は全体と差があるものの、年々差は小さくなっていると言えそうです。

次に、居住エリアの違いを見てみましょう。(図表5)

図表5
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大阪や一都三県の大都市を抱える都府県は若年層が多く居住しており、他エリアより普及率が高い為、わずかに構成比が高いものの、おおむね同傾向であることがわかります。スマートテレビユーザーの居住エリアの分布はテレビユーザー全体と大きな差はないようです。

3.スマートテレビユーザーのテレビの利用の仕方の特徴は?

次に、スマートテレビユーザーと非スマートテレビユーザーで、テレビ利用の仕方に違いがあるのかを見ていきましょう。まずは、リアルタイムでの地上波やBS,CSの一日の平均視聴時間を比較してみました。(図表6)

図表6
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スマートテレビユーザーのリアルタイムでの平均視聴時間は、休日でわずかに短いものの、非スマートテレビユーザーと大差ないことがわかります。

次に、平均の録画視聴時間を比較しました。(図表7)

図表7
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こちらは平日休日共に、わずかにスマートテレビユーザーの方がより長く録画視聴をしていることがわかります。 最後に、テレビ上での動画コンテンツの平均視聴時間を比較してみました。(図表8)

図表8
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スマートテレビでなくても、ChromecastやFire TV Stickといったストリーミングデバイスをつなぐことでテレビ画面での動画コンテンツ視聴は可能ですが、やはりスマートテレビユーザーの方が、平均視聴時間が約4倍と長くなっています。ストリーミングデバイス経由に限定しても約2倍視聴していることから、動画コンテンツに対する関与度が非常に高いと考えられます。

スマートテレビユーザーは、地上波やBS,CSといったテレビコンテンツを非スマートテレビユーザーと同じくらい見ている上、動画コンテンツもテレビ画面で見るなど、テレビ画面を見ている時間が長いことがわかります。

4.スマートテレビの今後

今回の分析では、スマートテレビの普及が続いていること、普及につれてユーザー属性の偏りが次第に小さくなっているが、スマートテレビユーザーのテレビの見方は、全体と大きく異なることがわかりました。

今後、スマートテレビが普及するにつれ、テレビで動画コンテンツを視聴する人も次第に増えていきそうです。またテレビがインターネット結線されたことにより、テレビで配信する広告の在り方も大きく変わっていくと考えられます。さらに、その普及に対応する形で、テレビで楽しむことができるコンテンツもより多くなっていき、生活者のテレビに対する行動も大きく変わってくると考えられます。このような変化の予兆をいち早く捕捉し、順応していった企業が、テレビ画面を通したプロモーション施策をリードしていくのではないでしょうか。
インテージは、マーケティング利用許諾を得たスマートテレビログデータMedia Gauge®を通して、この変化を捉えてまいります。


今回の分析は、IXTスマートテレビ母集団調査結果をもとに行いました。

IXT 2020年 スマートテレビ母集団調査結果
全国15-79歳男女を対象。「自宅内」「据え置き型」TVを対象。インテージ マイティモニターにおけるインターネット調査。10エリア×性年代12セル(男女別10代/20代/30代/40代/50代/60代以上)により層化。各エリアにつき600サンプル以上、有効回答者数 6,477s。エリア×性年代構成比で日本人口母集団に準拠するようウェイトバック集計。

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