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【毎月更新】生活者のお金の使い方

この記事では、生活者のいまを映す最新データをお届けします。物価高や円安など、消費を取り巻く環境が変化する中、生活者のお金の使い方はどのように変化しているのでしょうか。物価動向、日常の買い物行動、消費マインドの最新データから読み解きます。

2024年10月のコメント:
2024年に入ってから前年比が3~4%と大幅にプラスの月が散見されたトータルの買い物金額 ですが、今月は前月からほぼ横ばいの前年比101.7%で推移しました。チャネル別にみてみるとコンビニは101.3%、通販・ネットは104.9%で前月から増加、スーパー、ドラッグストアではそれぞれ100.6%、103.0%で前月から減少しています。 特にコンビニでは2023年9月から前年比が大幅マイナスの傾向が続いていましたが、2024年7月以降は徐々にマイナス幅が小さくなってきています。 値上げによる影響が考えられますが、ほかのチャネルとは異なる推移を示していることから、コンビニ特有の増加要因があるのかもしれません。

続けて、買い物回数を見てみると、トータルでは100.1%、ドラッグストアでは102.2%、通販・ネットでは102.9%と、前年比は前月からほぼ横ばいに推移しています。一方、スーパーでは98.9%で前月から減少、コンビニでは99.6%で前月からは増加しています。コンビニの買い物回数は、コンビニの買い物金額同様、2023年11月頃から前年比大幅マイナス傾向が続いていましたが、2024年7月頃からマイナス幅が小さくなってきており、その回復度合いは買い物金額のものよりも緩やかです。値上げにより、1回の買い物金額が増加している可能性が示唆されます。

消費財の市場動向に目を向けると、食品の前月からの増加が目立ちます。新米が出荷されたものの、販売価格は去年の1.5倍程であると報じるニュースもあり、その影響が考えられそうです。また今年の夏の厳しい暑さによる食欲不振がこの時期になってようやく回復し、食欲が戻ってくる影響もあるのかもしれません。一方、飲料市場では9月に引き続き減少傾向です。こちらは夏の飲み物需要が落ち着いてきていることの表れである可能性が高そうです。そのほかの市場では、前月からほぼ横ばいでの推移となっており大きな変化はなさそうです。

次に好調カテゴリを見てみると、業態トータルでは新米が出回るようになったものの依然として米が2位と上位にランクインしています。また冷感シートなどが含まれる化粧用紙製品(除クレンジング)や殺虫剤、エチケット品など、夏需要の高いカテゴリがランクインし続けていることからも、今年の残暑の影響がうかがえます。

ホームセンターでのランキングを見てみると、日焼け・日焼け止めが1位になっています。過去の同時期におけるホームセンターでの日焼け・日焼け止めのランキングを確認してみると、2023年10月は4位、2022、21年の10月はランキング圏外(11位以下)となっており、年々暑さが厳しくなっていることが実感できます。
また、こうしたデータをみると、「猛暑」や「ながびく残暑」など、年ごとの気象特性を念頭に置いた店頭の棚づくりがますます重要になっていることがわかりますね。衣料品店では半袖シャツを以前の感覚よりも長く置いておくように変化しているお店もあるようです。

最後に消費意欲、お金をかけたいモノ・コトを見てみましょう。
11月現在、現在の消費意欲は2024年9月から見てやや減少傾向です、一方、現在の節約意識は2024年10月からやや増加傾向です。年末年始は店頭・ネット通販でのセールや、忘年会、新年会、お出かけなど、出費の機会が多くあるため、それに備えお財布の紐を引き締めようと考える人が多いのかもしれません。

また、お金をかけたいモノ・コトを見てみると、前月からの食品の増加と旅行・ドライブの減少が目立ちます。しかし 、過去のトレンドを見てみると、毎年11・12月は、食品は増加、旅行・ドライブは減少傾向にあり、例年通りの推移と言えそうです。食品の増加については、“食欲の秋”、“実りの秋”という言葉があるように、秋には多くの食べ物が旬を迎えるため、その影響が考えられそうです。旅行・ドライブについては、 年末年始には帰省や旅行などの一大イベントが控えていることもあり、秋の行楽シーズンは控えめになっているのかもしれません。なんといっても次の年末年始は最大9連休となる方も多いようです!皆さんはどのような予定を考えていますか?

今年は残暑の厳しい秋となりましたが、そのことは今月のデータにもはっきりと表れていました。今年は過ごしやすい気温感の時期は短く、あと数日で12月に入ります。季節の変わり目の急な寒さや日中の寒暖差により、市場での売れ行き・好調品目は来月から大きく変わっていくかもしれません。引き続き、データとともに生活者のお金にまつわる意識や行動の変化をウォッチしていきましょう。

コメント:データマネジメント事業本部 コンシューマーデータマネジメント部 掘越 雅樹

※次回のデータ・コメントの更新は12/26を予定しています。

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データについて

【SRI一橋大学消費者物価指数】
一橋大学経済研究所経済社会リスク研究機構、全国スーパーマーケット協会と株式会社インテージとの共同プロジェクト「流通・消費・経済指標開発プロジェクト」の一環として作成している経済指標です。インテージのSRI+のデータを用いて消費財の物価の変動とその構造変化を可視化します。
物価の構造変化を「新旧商品入れ替え効果:新商品による影響」「価格変化効果:既存品の値上げ・値下げによる影響」「代替効果:既存品の中で消費者が購入商品をスイッチしたことによる影響」に分解することで、要因を捉えることができます。
こちらの記事でもご紹介していますので、合わせてご覧ください。昨今の値上げで物価はどう動いている?マクロ視点で構造をひも解く

【SCI®(全国消費者パネル調査)】
全国15歳~79歳の男女53,600人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データです。食品、飲料、日用雑貨品、化粧品、医薬品、タバコなど、バーコードが付与された商品について、「誰が・いつ・どこで・何を・いくつ・いくらで、購入したのか」という消費者の購買状況を知ることができます。
SCI Shopper Indexデータは、このSCIで収集している消費財購入時のレシート情報を基に、日常の買い物金額や買い物頻度などを集計したものです。
※SCIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開しておりません

【SRI+®(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2021年6月現在

【月次調査】
調査地域:全国
対象者条件:15-79 歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
標本サイズ:n=3,000(1回あたり)
調査実施時期: 2022 年7月~ 各月第1週
※消費意欲、節約意識は1年前の同時期と比べた度合いを-5~+5の11段階で聴取

著者プロフィール

株式会社インテージ データマネジメント事業本部 コンシューマーデータマネジメント部3グループ 掘越 雅樹(ホリコシ マサキ)プロフィール画像
株式会社インテージ データマネジメント事業本部 コンシューマーデータマネジメント部3グループ 掘越 雅樹(ホリコシ マサキ)
2023年に大学院卒業後、インテージに新卒で入社。
「i-SSP(インテージシングルソースパネル)」のテレビの領域において主にリクルートを担当。
そのほか、Profiler調査、vois調査のガイドラインチェックも担当。

2023年に大学院卒業後、インテージに新卒で入社。
「i-SSP(インテージシングルソースパネル)」のテレビの領域において主にリクルートを担当。
そのほか、Profiler調査、vois調査のガイドラインチェックも担当。

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