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【毎月更新】生活者のお金の使い方

この記事では、生活者のいまを映す最新データをお届けします。物価高や円安など、消費を取り巻く環境が変化する中、生活者のお金の使い方はどのように変化しているのでしょうか。物価動向、日常の買い物行動、消費マインドの最新データから読み解きます。

2025年5月のコメント:
新年度や新生活の始まりで慌ただしかった3月〜4月を経て、大型連休も過ぎました。ようやく日常のリズムが戻ってきた頃ではないでしょうか。今年の4月は暖かい日が多く 、ピークだった花粉も少しずつ落ち着き、外に出るのが気持ちよい日が多かったように思います。
今月もデータを振り返っていきましょう。

《物価の動き》
物価の上昇率は2025年に入ってから比較的落ち着いた動きだったところ、4月は増加傾向に転じ、2024年の夏ごろと同水準となっています。 物価の構造変化をみると、「継続商品の価格効果変化」の増加が目立ちます。ここから、この4月に既存品の値上げが多かったことが、物価高の主な要因となっていたことがわかります。

《買い物金額・買い物回数》
※サービスリニューアルにつき、今月より新設計のデータ(24年1月~)を掲載しています
4月の買い物金額は前年比101.7%。業態別に見ると、スーパーで最も増えて前年比102.4%となっていました。買い物回数では、ドラッグの前年比が最も大きく101.2%でした。

《市場動向・好調カテゴリ》
消費財市場動向は2024年4月に比べ、値上げの多かった食品で増加、飲料・雑貨・化粧品・ヘルスケアが横ばいという結果となりました。 チャネル別にドラッグストアを見てみると、雑貨の季節性がきれいに表れています。毎年似た動きを繰り返していますが、徐々に増加していることから値上げの影響に加えインバウンド需要が増えていることも一定影響していると考えられます。

好調カテゴリでは、今月も米の購入金額増加が顕著に表れており、前年比は200%を超えました。米は金額だけでなく個数でも前年を上回っていました。店頭に2kg~4kgの比較的小さい容量の商品も展開され始めたことで、購入回数や個数の増加といった買い物行動の変化が起きています 。米飯類の前年比増は主に値上げによるものですが、値上げをしても需要が変わらないという点にもコメ不足の影響が見られます。

麦芽飲料は人気商品の再販によりトータルで2位にランクインしています。また、麦芽飲料の出荷停止期間中に代替需要として好調だったココアも変わらず好調でした。
一方、3月に値上げ前の駆け込み需要があったビールは反動でランクインせず、という結果になりました。4月は新商品の登場も多い月ですが、値上げによる生活者のお財布の引き締めは強いようです。

このほか、昨年と比べて平均気温が低かった影響で、使い捨てカイロ、鍋つゆ・煮物料理のもとといったカテゴリで前年比がプラスとなっていたのもこの4月の特徴でした。

《消費意欲、お金をかけたいモノ・コト》
現在の節約意識は3月~4月をピークにやや低下し、現在・今後の消費意欲はやや上昇するなど、消費意欲は若干回復しているように見えます。
お金をかけたいモノ・コトは食品・健康の増加、旅行、ドライブの減少が目立ちます。食品に関しては価格上昇により「やむを得ず支出が増えている」といった側面もあると考えられます。旅行、ドライブの減少は、趣味関連品やライブ、映画鑑賞が増加していることの相対的な動きに見えます。大型連休のタイミングに調査を行ったこともあり、旅行に対するさらなる意欲はあまり起きていなかった、ということかもしれません。

5月~6月は梅雨入り、その後は夏に向けて本格的に気温が上がる時期に入っていきます。最近はトランプ大統領の政策や大阪・関西万博、備蓄米放出など、市場価格に影響しそうな出来事がたくさんあります。季節の移り変わりや物価の動きとともに、データを見ながら今後も生活者のお金の使い方をウォッチしていきましょう。

※次回のデータ・コメントの更新は6月を予定しています。

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著者プロフィール

平井 優衣(ヒライ ユイ)プロフィール画像
平井 優衣(ヒライ ユイ)
株式会社インテージ データマネジメント事業本部 リテールデータマネジメント部

2023年に大学卒業後、インテージに新卒入社。
SRI+(全国小売店パネル調査)、SPI(全国店頭プロモーション調査)のデータ品質維持向上に携わる。

株式会社インテージ データマネジメント事業本部 リテールデータマネジメント部

2023年に大学卒業後、インテージに新卒入社。
SRI+(全国小売店パネル調査)、SPI(全国店頭プロモーション調査)のデータ品質維持向上に携わる。

データについて

【SRI一橋大学消費者物価指数】
一橋大学経済研究所経済社会リスク研究機構、全国スーパーマーケット協会と株式会社インテージとの共同プロジェクト「流通・消費・経済指標開発プロジェクト」の一環として作成している経済指標です。インテージのSRI+のデータを用いて消費財の物価の変動とその構造変化を可視化します。
物価の構造変化を「新旧商品入れ替え効果:新商品による影響」「価格変化効果:既存品の値上げ・値下げによる影響」「代替効果:既存品の中で消費者が購入商品をスイッチしたことによる影響」に分解することで、要因を捉えることができます。
こちらの記事でもご紹介していますので、合わせてご覧ください。昨今の値上げで物価はどう動いている?マクロ視点で構造をひも解く

【SCI®(全国消費者パネル調査)】
全国15歳~79歳の男女70,000人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データです。食品、飲料、日用雑貨品、化粧品、医薬品、タバコなど、バーコードが付与された商品について、「誰が・いつ・どこで・何を・いくつ・いくらで、購入したのか」という消費者の購買状況を知ることができます。
※サービスリニューアルに伴い、2025年5月掲載分より新データに切り替えています。
※SCIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開しておりません

【SRI+®(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2021年6月現在

【月次調査】
調査地域:全国
対象者条件:15-79 歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
標本サイズ:n=3,000(1回あたり)
調査実施時期: 2022 年7月~ 各月第1週
※消費意欲、節約意識は1年前の同時期と比べた度合いを-5~+5の11段階で聴取

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(*パネルデータ:「SRI+」「SCI」「SLI」「キッチンダイアリー」「Car-kit」「MAT-kit」「Media Gauge」「i-SSP」など)

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