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【毎月更新】生活者のお金の使い方

この記事では、生活者のいまを映す最新データをお届けします。物価高や円安など、消費を取り巻く環境が変化する中、生活者のお金の使い方はどのように変化しているのでしょうか。物価動向、日常の買い物行動、消費マインドの最新データから読み解きます。

2025年5月のコメント:
春から初夏へと季節が移り変わり、日差しが徐々に強まる5月。今年は昨年ほど暑くはなく、過ごしやすい気候が続きました。気温の変化とともに、生活者の消費行動にもゆるやかな変化が見られています。
今月も、そんな5月の消費動向をデータから振り返っていきましょう。

《物価の動き》
物価変動の構造を見ると、「新旧入れ替え効果」ではチャネルごとに特徴の違いが見えてきます。今回はその違いを探るために、チャネルごとの商品構成に注目してみましょう。
たとえば、スーパーと比べてドラッグストアは、医薬品や化粧品、雑貨の取り扱いが多いことが特徴です。中でも化粧品は、季節の変わり目に新商品と入れ替わることが多く、商品の入れ替わりサイクルが比較的短い傾向にあります。
一方、スーパーで主に扱われる食品では、定番商品が引き続き販売される中で、容量の変更や価格改定が行われるケースが多く見られます。つまり、新商品への入れ替えというより、既存商品の中身や価格が変化することが中心です。
こうした違いから、スーパーに比べてドラッグストアのほうが、「新旧入れ替え効果」の影響を受けやすいと考えられます。

《買い物金額・買い物回数》
※サービスリニューアルにつき、前月より新設計のデータ(24年1月~)を掲載しています
5月の買い物金額は前年比102.8%。チャネル別に見ると、スーパーとドラッグストアが同率で最も高い前年比103.8%となっていました。買い物回数では、2024年11月以降、ドラッグストアは首位を継続しており、5月も前年比102.0%と堅調な推移を見せています。

《市場動向・好調カテゴリ》
消費財市場の動向を見ると、2025年5月の食品売上は前年同月を上回る傾向となっています。前月に引き続き5月も多数商品で値上げが行われ、米の価格が依然として高止まりしていることが一因と考えられます。
チャネル別に見ると、ドラッグストアの食品売上は2021年7月以降、増減を繰り返しながらも、全体的には上昇傾向にあります。食品を取り扱う店舗の増加や、値上げの影響が表れているためと推測されます

好調カテゴリでは、引き続き米が最も好調となりました。5月末から備蓄米の販売が始まり、6月からは大手スーパーやコンビニエンスストアでも本格的に取り扱いが始まる見込みです。そのため、来月以降の米の市場動向も注目が集まりそうです。

大分類別で見ると、食品では玩具メーカー菓子が前年比130.4%と好調です。人気キャラクターとのコラボ商品が子供だけでなく大人にも支持され、売上増につながっています。親子で楽しむためだけでなく、大人が自分のお気に入りのキャラクター商品を求めて購入しているようです。
チャネル別で見ると、コンビニエンスストアでは美容液が前年比799.9%と大幅に伸びています。美容液自体の市場規模が小さいため、前年比の変動が大きくなりやすい側面はありますが、 昨年発売されたトライアルセットの好調さが一定程度反映された結果と考えられます。また、美容液はどのチャネルでも価格帯に大きな差がなく、旅行先での買い足しなどで手に取られるケースが増えています。

《消費意欲、お金をかけたいモノ・コト》
現在の節約意識は、前月から0.1ポイントと大きく低下し、1.62となりました。2025年は2024年に比べて値上げのペースが早く、さらに日常の食卓に欠かせない米の価格も依然として高止まりしていることから、消費者の間に『節約疲れ』が広がっている様子がうかがえます。
お金をかけたいモノ・コトでは、ライブ、映画鑑賞などが上昇傾向を見せています。夏が近づいてきたこともあり、ライブ、映画鑑賞などへの関心が高まった一因だと考えられます。また、日本の国民的アイドルグループの復活発表や、韓国アイドルの除隊が近づいていることも、ライブへの期待感を後押ししていると見られます。

5月は春から初夏へと季節が進み、消費行動もゆるやかに変化しています。米の価格高止まりや、4月から続く多くの商品価格の値上げにより、節約疲れといった傾向がうかがえました。一方、ライブ鑑賞や映画、玩具メーカーのお菓子など、心の豊かさを求める支出への関心や意欲は高まりを見せており 、消費者の「メリハリある消費」の姿勢が浮き彫りになっている様子も見受けられました。 今後も市場環境と消費者の意識変化に注目し、データを通じてその動きを追いかけていきたいと思います。

※次回のデータ・コメントの更新は7月を予定しています。

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著者プロフィール

鳴本 理子(なるもと りこ)プロフィール画像
鳴本 理子(なるもと りこ)
2023年インテージへ新卒入社。清涼飲料のSRI+パネルデータの運用を担当。
パネルデータの元となる、企業から受領しているデータの整備・管理も行っている。
趣味は読書、K-POP鑑賞、ゲームなど多岐にわたる。特に太宰治が好き。

2023年インテージへ新卒入社。清涼飲料のSRI+パネルデータの運用を担当。
パネルデータの元となる、企業から受領しているデータの整備・管理も行っている。
趣味は読書、K-POP鑑賞、ゲームなど多岐にわたる。特に太宰治が好き。

データについて

【SRI一橋大学消費者物価指数】
一橋大学経済研究所経済社会リスク研究機構、全国スーパーマーケット協会と株式会社インテージとの共同プロジェクト「流通・消費・経済指標開発プロジェクト」の一環として作成している経済指標です。インテージのSRI+のデータを用いて消費財の物価の変動とその構造変化を可視化します。
物価の構造変化を「新旧商品入れ替え効果:新商品による影響」「価格変化効果:既存品の値上げ・値下げによる影響」「代替効果:既存品の中で消費者が購入商品をスイッチしたことによる影響」に分解することで、要因を捉えることができます。
こちらの記事でもご紹介していますので、合わせてご覧ください。昨今の値上げで物価はどう動いている?マクロ視点で構造をひも解く

【SCI®(全国消費者パネル調査)】
全国15歳~79歳の男女70,000人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データです。食品、飲料、日用雑貨品、化粧品、医薬品、タバコなど、バーコードが付与された商品について、「誰が・いつ・どこで・何を・いくつ・いくらで、購入したのか」という消費者の購買状況を知ることができます。
※サービスリニューアルに伴い、2025年5月掲載分より新データに切り替えています。
※SCIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開しておりません

消費者の購買行動を俯瞰して捉えることのできる『SCIパノラマレポート』を販売中です。ご希望の方はこちらの資料ダウンロードのページよりお申し込みください。

【SRI+®(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2021年6月現在

【月次調査】
調査地域:全国
対象者条件:15-79 歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
標本サイズ:n=3,000(1回あたり)
調査実施時期: 2022 年7月~ 各月第1週
※消費意欲、節約意識は1年前の同時期と比べた度合いを-5~+5の11段階で聴取

転載・引用について

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「出典:インテージ「知るギャラリー」●年●月●日公開記事」

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(*パネルデータ:「SRI+」「SCI」「SLI」「キッチンダイアリー」「Car-kit」「MAT-kit」「Media Gauge」「i-SSP」など)

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