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コロナ禍のビジネスパーソンのストレス

知るGalleryでは以前、「コロナ禍の生活者 今のストレスの主な要因は?」という記事で、生活者が感じているストレスに関する調査結果をご紹介しました。この記事ではその続編として、ビジネスパーソンのストレスに注目し、掘り下げていきます。

ビジネスパーソンがストレスを感じる頻度 コロナ禍でどう変わった?

コロナ禍によるライフスタイルの変化はビジネスパーソンの日常にも大きな影響を及ぼしています。コロナ禍が長引く中、ビジネスパーソンはどの程度ストレスを感じているのでしょうか。図表1は、コロナ禍前の2019年を振り返ってのストレス度合いと、コロナ禍の現在のストレス度合いを聞いた結果です。

図表1

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現在、ストレスを「感じる」(「よく感じる」+「たまに感じる」)と回答した人はビジネスパーソンの約6割。2019年に「感じていた」と回答した人と比べて8.3ポイントの増加となりました。中でも「よく感じる」と高頻度でストレスを感じる人の割合は2割を超え、2019年の1.5倍となりました。

年代別にみると、年代が高くなるほどストレスを「感じる」人の割合が増加していました。特に50代では「よく感じる」と答えた人の割合は2倍以上となっていました。一方で20代・30代では「まったく感じない」人の割合が1割を超え、2019年に「まったく感じていなかった」人の割合からそれぞれ1.7倍、2倍に増えるという逆の傾向が見られています。

コロナ禍の影響を特に受けているのが都市部です。感染者数が多く、緊急事態宣言が繰り返し発令されています。エリアによって、ビジネスパーソンのストレス度合いはどの程度異なるのでしょうか。5月頭の段階で緊急事態宣言が発令されていた7都府県(東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡)とその他のエリアで比較してみました。(図表2)

図表2

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ストレスを「感じる」と回答した人の割合は7都府県とその他エリア共に約6割とあまり違いはありませんでしたが、「よく感じる」という人の割合は7都府県で6.1ポイント高くなっていました。制約が多かったり、感染リスクが高かったりといった環境の違いが影響していると考えられます。

ビジネスパーソンのストレス要因

このコロナ禍でどのようなことに対してストレスが増えたのか、直接コロナ禍に関する事柄(外出制限、感染リスクなど)以外について聴取した結果が図表3です。

図表3

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トップ3は「自分自身の将来」「周りの人のマナー」「ビジネスの業績や将来」でした。
年代別に見ると、50代は他の年代より大半の項目でストレス増を感じている人の割合が大きくなっていました。特に他の年代との差が顕著なのは「仕事の内容」「自分の体調管理・栄養管理」です。

ここで、コロナ禍のビジネスパーソンの背景情報としてリモートワークをすることがある人の割合を見てみましょう。(図表4)

図表4

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リモートワーク率は全体では25.9%で、20代・30代の方が40代・50代より高くなっていました。また、エリア別に見ると前述の緊急事態宣言が出ていた7都府県は36.6%とその他のエリアの2.3倍となっていました。

ここまでのデータから、
・責任世代である40代・50代で、ストレスを感じる人の割合やストレス要因がコロナ禍前より増えている
・7都府県に住むビジネスパーソンはその他エリアの人より頻繁にストレスを感じている
という傾向が見られています。

コロナ禍でリモート勤務が進む中、出社勤務してリモート勤務の部下のサポートや管理にあたる管理職の負担が増えているといわれていますが、この調査結果からもその様子がうかがえます。
一方で、コロナ禍以前より目立ったストレス増は見られず、むしろ「まったく感じない」人の割合が増えている20代・30代。デジタルネイティブであり、個性を重視し会社に依存しないといった特徴があるといわれるミレニアル世代では「ニューノーマル」がフィットする人が少なくないのかもしれません。

ビジネスパーソンのストレス解消法

このストレスにどのように対処しているのか、解消法を聞いて見ました(図表5)。

図表5

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トップは「十分に寝る」で37.4%。これに続くのが「インターネットをする」「テレビ番組を観る」「甘いものを食べる」「音楽を聴く」という結果でした。外出に制約がある中、家で楽しめる行動で解消しているようです。

また、20代は音楽、30代はインターネット、50代はテレビと、ストレス解消のツールに違いが見られました。
20代は「お酒を飲む・晩酌」が他の年代より低いのも特徴です。ストレス解消はお酒より甘いもの、という人が多いようです。

最後に、ストレスに対する対処法や工夫に関する自由回答の結果を紹介します。

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今の環境でできることの中で、工夫してストレスに対処している様子がうかがえます。とはいえ、「やりたいことができない代わり」に「今だけと思って」乗り越えているのが現状のようです。


今回の分析は、下記の設計で実施したインテージの自主企画調査結果をもとに行いました。

【インテージのネットリサーチによる自主調査データ】 
調査地域:日本全国
対象者条件:15~79 歳の男女
標本抽出方法:「マイティモニター」より母集団構成比にあわせて抽出しアンケート配信
標本サイズ:n=2572
調査実施時期: 2021年5月7日(金)~5月10日(月)

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