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サステナブルな視点をビジネス課題の解決に活かす

近年、SDGsに対する意識の高まりとともに、働く人の労働環境や人権に配慮した経営、環境に配慮した原材料の生産、エネルギーの省資源化など、企業活動にサステナブルな視点を取り込むことが重要になってきています。こうした流れとともに、インテージでもサステナブルをテーマにした調査のご相談をいただくことが増えてきています。

この記事では、ご相談の実態や対応事例の紹介を通して、どのように企業活動にサステナブルな視点を取り込んでいけばいいかを考えていきます。

調査テーマにみる企業の関心

「サステナブル」といっても、その課題は多岐に渡ります。実際、どのようなテーマで調査が行われているのでしょうか。図表は、インテージで整備している「サステナブル行動項目」を活用した調査分析事例について、ビジネスプロセス別に分類した結果です。

サステナブルに関する調査テーマ

経営という広い視点では、企業の価値においてサステナブルであることの重要度が増す中、生活者からの評価を定点で捉えたいというニーズが高まってきているようです。企業イメージ調査の中でSDGs施策の評価などが実施されています。

新商品開発の初期フェーズでは、日本と海外の環境意識の違いや新しい市場の消費者を理解するために、ターゲットのサステナブルに関する意識・行動を調査します。

具体的な商品・サービスの仕様に落とし込んでいく開発フェーズでは、環境に配慮した素材やパッケージの受容性を評価するために、サステナブルな視点と絡めて調査を行います。特にターゲット理解を目的とした調査は、最も多く実施されています。
他にも、サステナブルな意識が高いといわれる若年層を意識した商材・サービスでは、社会課題に絡めて実施したアクションに対する共感などの評価を調査した実績があります。

サステナブルな視点で生活者を捉える手段

様々なフェーズで求められる「サステナブルな視点」。そのヒントは、いま生活者がどのようにサステナブルに向き合っていて、何を求めているか、という実態にあります。そして、生活者の実態を捉える上では、行動レベルに落として捉えることが有効です。ただ、省エネや節約といった身近な行動から、世界の環境問題への配慮など、行動レベルも多様であることから、実際のマーケティング・リサーチの現場では、「サステナブルな行動」をどう定義し、調査項目を作成すべきなのか、迷われることもあるかと思います。
そこで、どのような調査項目を作ればいいのか、ご紹介したいと思います。

インテージでは、多様な生活者のサステナブル行動を捉えることのできる45項目の「サステナブル行動項目」を独自に設定し、その行動の度合いを5段階で聴取しています。

食品や生活雑貨、家電、自動車、衣料品の使用・購入に関わる様々な生活シーンでの「環境や社会に配慮した行動」を網羅しており、多くの人が行っている節約・省エネ行動から、行っている人が少ない「フェアトレード商品を選ぶ」など のグローバルな課題への行動まで、様々な行動レベルを捉えています。

このように「商品の使用や購入に影響する意識」を行動レベルに落とし込んで捉えることで、例えば「詰め替え容器に入った商品を選ぶ」「リサイクル素材を使って作られた商品を選ぶ」といった行動レベルが高い人に選ばれるパッケージとはどのようなものか、という評価ができるのです。

多様なサステナブル行動を把握するための45項目

また、特定の行動にかかわらず、行動レベルが高い人をセグメントし、サステナブルへの関心が高い生活者に調査を行うことも有効です。インテージでは、上記のサステナブル行動45項目を用いて行動レベルの高さで生活者を4つのセグメント(Super、High、Moderate、Low)に分けた「サステナブル行動セグメント」を整備しています。

2023年1月の調査時点で、各セグメントの割合は、最も行動レベルの高いSuper層が6.7%、High層が32.2%、Moderate層が45.0%、Low層が13.9%となっています。また、Super層ほど行動レベルや意識が高く、フェアトレードやNGOへの寄付できる商品などサステナブルな商品を買うための努力を惜しまず、周囲の人にサステナビリティへの協力を勧める影響力があります。

サステナブル行動セグメントの特徴

サステナブル行動セグメントは、サステナブルへの関心が高い生活者が自社のSDGs経営をどのように評価しているのかを確認したり、商品・サービスのターゲット層かつサステナブルへの関心が高い生活者のニーズを確認することで開発に活かしたり、といった形でご活用いただいています。

サステナブルな視点を活用したビジネステーマ事例

ここからは、具体的にどのように商品開発にサステナブルな視点を取り込むのか、前述のサステナブル行動項目やサステナブル行動セグメントを活用したケースについて、2つご紹介したいと思います。

Case1【食品業界】新商品のターゲットの絞り込みと開発の方向性検討

このケースでは、食品の開発段階で、お客様が想定していた複数の顧客セグメントの中からターゲットを絞り込むための調査を行いました。
食品メーカーでは、原料の生産・流通・廃棄の過程において環境に配慮した取り組みが求められています。このため、元々想定している顧客セグメントのうち、「サステナブル」と相性がいい層をターゲットに、その層に受け入れられる商品開発を検討することになりました。

まず、サステナブル行動45項目から、食品に関連した6項目をピックアップして、想定するセグメント1~6について行動の違いを確認しました。その結果、「サステナブル」と相性がいい層としてターゲットがセグメント1、6に絞られました。

以下のグラフの通り、セグメント1はTOTALよりリサイクル素材やフェアトレード商品への行動が多いため、開発の方向性として、パッケージのリサイクル素材導入やフェアトレードに取り組み、プロモーションしていくことが考えられます。一方、セグメント6では、地元産、食品添加物を使用していない食品、有機野菜の購入やリサイクル素材を選択する行動が高くなっており、食品の素材は無添加、有機野菜など健康に配慮したメニュー開発の方向性が考えられます。
これらの方向性の起点として、ターゲットにあった、SDGs的なエッセンスを商品に加えることができました。

食品に関するサステナブル行動

Case2【通信業界】SDGs経営のための施策評価

このケースでは、「SDGsに取り組む企業」としてのイメージを維持するために必要な施策を分析しました。
具体的には、サステナブル行動クラスターを活用し、サステナブル行動レベルが高い人が自社と他社の施策をどのように評価しているかを比較しました(図)。

生活者全体で見ると、自社の施策への共感度は、競合の企業B、Cに次いで3番目の評価でしたが、サステナブル行動レベルの最も高いSuper層の評価は5番目となっていました。この結果を受けて、Super層の評価を高めるべく、Superに評価されている企業B、Cと自社の施策の内容を確認して、以降の施策につなげました。

サステナブル行動クラスター別 各社SDGs施策への共感度

まとめ

今後、サステナブルに配慮した商品・サービスの開発や企業の経営において、生活者のサステナブルな視点を考慮することは増えていくと考えられます。しかし、そうした企業の活動を評価するために、サステナブルな行動とは何か、サステナブルな視点をもつ生活者をどのように定義するのかは、多様な価値観や行動を内包するサステナブルという概念だからこそ、難しいといえます。

インテージでは、サステナブル行動項目やセグメントを使うことで、このような課題に寄り添い、企業のサステナブルな視点を取り入れた商品の開発を支援する調査を実施してきました。これからも、インテージでは、時代と共に変化していく生活者のサステナブルな視点を捉えて、“調査の力”で、企業のサステナブルな商品の開発やサステナブルな社会の実現に貢献したいと思っています。

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