【毎月更新】生活者の時間の使い方

コロナ下において、「イエナカ時間が増えた」といった暮らしの中の時間の使い方が変化したことが話題になっています。実際、どのような変化が起きているのでしょうか。メディアの利用時間(接触)とスマホアプリの利用状況を利用ログから集計・分析した最新データからお届けします。
2025年3月のコメント:
スマホの動きをみてみると、3月は303分と先月(298分)から5分増加しており、3か月続けて増加しています。1年前の3月が290分だったので13分の増加となっており、まだまだこの傾向は続きそうです。
性別でみると男性は291分(昨年3月:276分)で15分の増加、一方の女性は318分(昨年3月:305分)と13分の増加となっています。利用時間は女性の方が27分も長くなっています。女性は300分越えが当たり前になり、男性も300分目前まできています。
300分と言えば約5時間。1日は24時間、寝ている時間を除くとかなりの時間をスマホと過ごしていることになります。長時間化の傾向が続く背景に、スマホの機能特性があります。常時ネットと接続できて、検索&情報収集、動画・テレビ・ラジオ・音楽の視聴、新聞や雑誌の閲読、経路案内に健康管理・・・・・・・アプリによる機能拡張により、スマホでできることは日々増え続けています。女性の利用時間が長いのも、「料理レシピのながら見」や「健康管理アプリの記録」などの利用が背景にありそうですね。
ここではレシピサイトに着目して数字を見てみましょう。女性39~49歳(F2層)におけるクックパットの利用率は16.8%と他のレシピサイトと比較して、突出した利用率になっています。次に利用が多いのは「デリッシュキッチン」ですが、こちらは5.0%となっています。この2つのアプリ。利用率では大きな開きがありますが、利用時間という視点でみると逆転しており、デリッシュキッチンは24.2分(1日あたり)、クックパッドは18.2分(1日あたり)となっています。デリッシュキッチンは動画レシピに定評があることがその背景にあると考えられます。
お料理の際、参考とするレシピ情報は以前は本が最も多かったものの、インターネットのレシピサイトの登場以降、レシピサイトの利用が広がっていました。
その傾向はスマホの登場、そして、普及によっていっそう拍車がかかりましたが、現在では動画レシピの活用も広がっているようです。
最後に「内食率」についても眺めていきましょう。こちらは弊社の「キッチンダイアリー」という主婦を対象とした調査データを用いて「家の中で食事をとった割合」を示しています。
まずはじめに平日の昼食を見てみると、62.4%となっており、先月から0.2ポイントほど増加しました。休日は68.7%と、こちらは先月から1.0ポイントのダウンとなっていました。内食の長期トレンドをまとめると、平日は減少傾向にあるようです。
夕食に目を向けると、平日は93.1%(先月比-0.7ポイント)、休日は87.1%(先月比-0.9ポイント)とどちらも減少傾向にあり、自宅で夕食をとる機会が減っているようです。春になり陽気も良くなってきたことから外出の機会も増えていることが影響しているのかもしれませんね。
さて、みなさんのメディアとの過ごし方、そして、家の中での過ごし方などはどのような変化が見えますか?プルダウンしながらあれこれとデータを眺めながら動きを確認してみるとなにか発見があるかもしれません。引き続き、時間の使い方や暮らし方を通じて生活者の理解を試みていきたいと思います。
※コメント:生活者研究センター センター長 田中 宏昌(たなか ひろまさ)
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データについて
【i-SSP®(インテージシングルソースパネル®)】
インテージSCI(全国個人消費者パネル調査)を基盤に、同一対象者から新たにパソコン・スマートフォン・タブレット端末からのウェブサイト閲覧やテレビ視聴情報に関して収集したデータです。当データにより、テレビ・パソコン・スマートフォン・タブレット端末それぞれの利用傾向や接触率はもちろん、同一対象者から収集している購買データとあわせて分析することで、消費行動と情報接触の関係性や、広告の効果を明らかにすることが可能となります。また、調査対象者に別途アンケート調査を実施することにより、意識・価値観や耐久財・サービス財の購買状況を聴取し、あわせて分析することも可能です。
※ シングルソースパネル®は株式会社インテージの登録商標です。
【キッチンダイアリー®】
1,260世帯の食卓・調理の状況を食場面(朝食・昼食・夕食)ごとに継続的に捉えたデータです。商品開発のヒントとして、また、流通向けの販促提案情報としてご活用いただけます。
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