コロナ禍のバレンタイン 例年との違いは?
未だ続く新型コロナウイルスの影響。2021年のバレンタインデーは10都府県が緊急事態宣言下にある状態で迎えることになりました。行動に制約がある中、例年とどのように違うバレンタインデーになるのでしょうか。2000人規模の調査を行い、2020年の調査結果と比較してみました。
今年のバレンタイン 用意するのは“何チョコ”?
友チョコや世話チョコなど多様化するバレンタインチョコ。2020年の調査結果を紹介したイマドキのバレンタイン事情 ~「自分チョコ」「友チョコ」の広がりでますます女子が楽しむイベントに?~でも、様々な種類を紹介しました。
今年、2021年のバレンタインは何チョコを用意するかという質問について、女性の回答結果を昨年調査と比較したのが図表1です。
図表1
変化が見て取れたのは本命チョコ。昨年の13.9%から今年は7.7%と減少。外出などのハードルも高まり、在宅勤務やオンライン授業など、リアルの場面で人に会う機会が減った人も多く、行動や意識の変化などが影響したのかもしれません。他は本命チョコほどの劇的な変化はなかったものの、渡す予定なしという人が28.5%から30.1%とわずかに増えています。
購入金額で大きな変化があったのは自分チョコで、1個平均で昨年の2,042円から1,616円と2割程度減っていました(図表2)。
図表2
用意する個数について聞いた結果では、昨年も今年も1.5個と変わっていないため、自分にかけるお金は減っているようです。
逆に金額が増えたのが世話チョコで1,210円から1,622円(図表2)と、こちらは3割以上増加しています。個数では6.2個から6個とほぼ横ばいだったことを考えると、コロナで大変な時期を過ごす中、お世話になった人たちへの感謝の気持ちを示したいという人が増えているのかもしれません。
では、近年減少が続いていると言われる義理チョコは、コロナ禍の今年はどうなっているのでしょうか。図表1にあるように義理チョコをあげるといういう人は昨年9.6%から今年9.9%と、ほぼ横ばいです。1個あたりの金額は950円から987円と微増ですが(図表2)、個数は7.9個から5.9個と減らしています。義理チョコ文化のさらなる衰退が見えそうですが、1つ興味深いデータが出ました。
職場での義理チョコに「積極的に参加したい」と回答した有職女性は、昨年の18.9%から24.0%と約5ポイント増加していました(図表3)。個数自体は減ってはいるものの、以前のように同僚と顔を合わせる機会が減少する中で、職場の人とのつながりを大事にしたいなど、職場の義理チョコに対するキモチに変化が生まれているのかもしれません。
図表3
今年のバレンタインチョコはどこで買う?
コロナで外出が以前より難しくなっている今年、どこでチョコレートなどを見たり買ったりするのでしょうか。去年利用したものと、今年利用予定のものを聞いたところ、去年のオンラインサイトを利用したという人の割合は12.5%で、今年利用予定の人は19.5%と7ポイント高い結果でした(図表4)。中でも、利用率、伸び幅ともに最も高いチョコ/スイーツの専門店は9.1%から16.1%と7ポイント増、デパートの通販サイトは4.9%から9.5%とほぼ倍増し、ECモールも4ポイント増えています。リアル店舗は、ほぼ横ばいから微減の中、通販サイトで数字を伸ばしたデパートが、約4ポイント落としていました。特にデパートでの購入層がリアル店舗利用からオンラインサイト利用にスイッチした可能性が考えられます。
図表4
「今年のバレンタインへの思い」を自由記述していただいた女性の回答には、コロナ禍のバレンタインに対する不安や迷い、対策が多かった一方で、「こんな時だからこそ贈りたい、楽しみたい」という声も見られました。
●渡したいけど、コロナで結構敏感な方が多いから渡すのをやめようかな (10代)
●今年は手作りせずに良いチョコを通販で買いたい (20代)
●今年はネットで美味しそうなチョコをじっくり選んで贈ります。デパート等は行かないです (60代)
●コロナ疲れもあるので、高級なチョコレートと手料理で楽しみたいと思います (40代)
男性にとってのバレンタイン コロナ禍ならではの想いとは?
ここまで女性のデータをご紹介してきましたが、男性のキモチも見てみましょう。バレンタインに何かもらうとしたら、手作りのものと市販のもの、どちらが嬉しいかを聞いたところ、もらう相手によって違う結果となりました(図表5)。
図表5
コロナ禍でありながらも恋人がいる男性の約半数は、恋人からの贈りものは市販より手作りが嬉しいと回答。また、独身男性が、自分に好意を持っている人からもらう場合では4割弱が手作りが嬉しいと答えている一方、配偶者からもらう場合、既婚者の3割弱、職場・取引先の人からと友人・知人からの場合ではそれぞれ有職男性と全男性の10%前後にとどまりました。
男性に「今年のバレンタインへの思い」を自由記述いただいた結果でも女性同様、コロナ関連の回答は多く、感染不安や自粛の声がある一方で「こんな時期だからこそ」という思いも見られました。
●コロナで経済があまり回っていない中、こういうイベントが少しでも助けになればいいなと思う。友達と家族にあげる! (10代)
●感染防止対策をとった上でいつもお世話になっている人に渡したい (20代)
●職場のコミュニケーションツールの一助にできれば (40代)
●去年と同じように貰えたら嬉しい (60代)
様々な変化が出そうな今年のバレンタイン。来年はコロナも収まり、不安なく楽しめるイベントに戻るといいですね。
今回の分析は、下記の設計で実施したインテージの自主企画調査結果をもとに行いました。
【インテージのネットリサーチによる自主調査データ】
調査地域:日本全国
対象者条件:16~69 歳の男女
標本抽出方法:「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を、2015年度実施国勢調査データをベースに独自推計値でウェイトバック
標本サイズ:<2021年> n=2,535(ウェイトバック前n=2,536) <2020年>n=2,400
調査実施時期: <2021年>1月22日~25日 <2020年>1月17日~21日
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