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有給休暇の義務化はどの程度定着した?取得の実態と取れない理由

2019年4月から始まった有給休暇の義務化について、民間企業、公社勤務者を対象に半年経過後に行った、意識調査の結果を公開しました。
すべての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、そのうち5日は使用者が時季を指定して取得させることが義務づけられました。この改正について4割は「知らなかった」と回答。さらに、6割の人が有給休暇を「もっと取得したい」と思っているものの、実際に取れない理由の1位に「職場の人に迷惑をかけたくない」があがりました。

有給休暇の義務化、改正半年後も4割は知らないと回答

4月1日から労働基準法が改正され、年10日以上の年次有給休暇が付与された労働者(管理監督者を含む)に対して、そのうち5日は使用者が時季を指定して取得させることが義務づけられました。しかし認知状況を調べたところ、民間企業・公社勤務者(経営者を除く)の39.2%が「知らなかった」と回答しました(図表1)。4割には情報が届いておらず、さらなる認知の拡大が必要そうです。

図表1

「有給休暇、5日以上取得義務化」の認知有無

Key Point1

有給休暇の義務化について、改正から半年も4割は知らなかったと回答

半年経過し、5日以上の取得者が6割近くも、1日もない人は10人に1人

それでは、実際に改正から6か月が経過し、どれくらいの日数を取得したかを見てみましょう。すでに半数以上、58.8%の人が5日以上の有給休暇を取得していて、「10日」が11.7%、「11日~20日」が14.9%、「21日以上」が1.4%と3割近くの人は10日以上を取得できています(図表2)。一方で1日も取得できていない、「0日」という人も9.5%いました。

図表2

4月~9月末での有給休暇、取得日数

Key Point2

6か月経過時点で、5日以上の取得者は6割近くも、10人に1人は1日も取れていない

6割は、もっと有給休暇を取りたいと希望

改正から半年の現況は分かりましたが、希望通りの日数を取得できているのでしょうか。有給休暇の取得について気持ちを聞いたところ、62.2%の人が「もっと取得したい」と回答していました(図表3)。今より多く有給休暇を取りたいと思っている人が6割程度いる一方で、そうはできない現実があるようです。

図表3

有給休暇、取得日数の希望

Key Point3

有給休暇を、もっと取りたいと回答した人は6割程度

有給休暇を取れない理由の1位は、周りの人への配慮

取りたくても、なかなか思うように取れない有給休暇。では、何が理由となっているのかを複数回答で答えてもらうと、1位は「職場の人に迷惑をかけたくない」(42.5%)でした(図表4)。制度として有給休暇は認められていますが、希望通りに取ることは同僚などへの影響も考えて、なかなかできないようです。2位以降は「後で忙しくなるのが困る」(39.5%)、「自分にしかできない仕事が多い」(28.2%)、「業務量が多い」(27.8%)、と主に本人に関連した理由が続きますが、5位に入ったのが「上司や同僚が有給休暇を取らないので、取りにくい」(23.9%)。4人に1人は職場の雰囲気から、取得に二の足を踏んでいるようです。

図表4

もっと有給休暇を取得する上での課題や問題、懸念

Key Point4

取れない理由は、1位「職場の人に迷惑をかけたくない」、2位「後で忙しくなるのが困る」


※本レポートに使用した当社調査データ
【インテージのネットリサーチによる自主企画調査データ】
調査地域:全国
対象者条件:20~69 歳の男女で、民間企業、公社勤務者
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を、2018年労働力調査の年齢階級別就業率をベースに、総務省統計局による人口推計で割り戻してウェイトバック。
標本サイズ:n=2,883
調査実施時期: 2019 年9月25 日(水)~2019 年9月27日(金)


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