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そのCX、本当に大丈夫ですか【中編】理想のCXをかなえるためのアクションとは?

近年、顧客の獲得・維持・ファン化における取り組みとして重要視されているCX(Customer Experience)。多くの企業がCX向上に注力する一方で、「思うように成果が挙がらない」といった声も聞こえてきます。
そこで、CXを考えるうえで大切にすべき視点を全3編にわたって解説。中編では、「理想のCXをかなえるための具体的なアクション」について紹介していきます。

「どのような取り組みから始めるべきか」を見極める

前編では、理想のCXを実現するためには、下記の要素について考える必要があると述べました。

  • CXを通じて、企業として何を実現したいのか?
  • 「As is(現状の顧客体験)」と「To be(理想の顧客体験)」を整理できているか?
  • それらが部門を超えて全社の共通理解になっているか?

しかし、いざ検討し、実行に移そうにも、「何から着手するべきか」「自分たちのどこに問題があるかがわからない」と頭を抱えてしまうこともあるかもしれません。企業によって抱えている課題が違う以上、取り組むべき事柄も千差万別です。

そこで、まずはどのような取り組みが考えられるのか整理してみましょう。
インテージではCXを実現するための取り組みは以下の8つのプロセスに分かれると考えています。

①「現状把握」:客観的な視点で現状を問い直す
➁「CX推進体制構築」:進みたい方向性を定め、ロードマップを描く
③「CXインサイト探索」:ターゲット顧客に関わるインサイトを把握する
④「CXデザイン」:独自の魅力を放つCXを生み出す
⑤「モニタリング&アクション」:CXを左右するファクターを常に測定し、問題に対処する
⑥「CXのシンカ」:改善の施策をやり切って、CXを磨き込む
⑦「従業員エンゲージメント向上」:CXを磨き込む活動を支える従業員のエンゲージメントを高める
⑧「CXMトレーニング」:自立的な推進と継続のためのトレーニングを行う

この8つのプロセスは、大きくは図表1の様に「問い直す」「生み出す」「磨き込む」という3つのフェーズに分類されます。

どのフェーズ、どのプロセスから着手すべきかは、各社の悩みや課題によって変わってきます。たとえば目指すべき方向が部門ごとにバラバラだと感じているのであれば、「問い直す」フェーズから始めるほうが効率的と言えます。あなたの企業は、今どの取り組みが必要か、図を確認しながら整理してみると良いかもしれません。

CX実現のプロセス

「可視化」「測定」「フィードバック」「改善」 この一連のプロセスでCX向上を実現する

ここからは、CX向上のために特に鍵となる「磨き込む」フェーズの取り組みについて詳しくお話したいと思います。「磨き込む」フェーズは、「5.モニタリング&アクション」と「6.CXのシンカ」の2つのステップから成り立っており、顧客体験の可視化・測定・フィードバック・改善の一連のプロセスになります。

「可視化」とは、その企業が「モニタリングすべき体験価値」のファクターを導き出すことです。それがすなわち調査項目にもなります。体験価値を測る調査項目は、挙げようと思えば無数と言ってよいほどピックアップできますが、顧客にとって本当に大事な体験は限られています。この絶対に測るべき体験の指標が調査できなければ、良いCXの創出は困難です。だからこそ、顧客の生の声を聞く、社内でディスカッションを尽くすなどの検討を重ねて、真にモニタリングすべきファクターを導き出す(可視化する)必要があります。

モニタリングすべき体験価値のファクターの可視化が完了したら、実際の「測定」に入ります。導き出したファクターにもとづく調査項目を定期的に調査し、結果をモニタリングしていきます。

顧客体験を可視化しモニタリングへ

測定した結果は、しかるべき部署に「フィードバック」します。フィードバックは、その都度資料を作成して行うこともできますが、さまざまなツール(調査結果を分かりやすく提供するシステム)を活用することで、簡単に管理・共有が可能になります。ぜひ検討してみてください。

そして、モニタリングした結果は「改善」につなげなければ意味がありません。CXを磨き込むための改善の取り組みとして、定期的な測定の結果だけではわからない実態や要因を探るために、まずはフィールドワーク(現場観察と解釈)を行うことが理想的です。また、施策を実行する部署や顧客接点を担うメンバーも含めた関係者で調査結果を読み解き、効果的なアクションを検討する機会を設けることも効果的です。

しかしながら、「測定」「フィードバック」までは出来ていても、「改善」につなげられていない企業が非常に多いと感じています。調査をすることが目的ではなく、調査結果を踏まえてさらに深堀の議論を重ねるなどして具体的なアクションへと取り組むことで、はじめてCXの向上を実現することができるのです。

進むべき方向も、異常も確認できる 「コックピット」をつくる

「可視化」「測定」「フィードバック」までのプロセスは、いわば企業オリジナルの「コックピット」をつくる作業です。「可視化」によりコックピットで見るべき計測内容を設計。それを正しく「測定」し適切な「フィードバック」も得られる計器を実装することで、CX向上の羅針盤となるコックピットが手に入ります。たとえば何らかの計測値に異変があることを計器が知らせてくれれば、その部分の問題把握・要因探索を重点的に行い、アクションと検証を繰り返して「改善」していくことで、CX向上につなげることができるのです。

この「コックピット」は、CXの重要なファクターを中心に構成され、しかも誰でも容易に確認ができます。だからこそ、経営目線ではどの部分を改善すれば前進できるかが明確になり、現場のスタッフは目の前の顧客に対してどのようなアクションを起こせばいいのか判断しやすくなるのです。

顧客体験を可視化しモニタリングへ

インテージのCXマネジメント事例

ここからは、インテージが支援した事例をいくつか紹介します。似たような課題を抱えている企業の方にとって、参考になれば幸いです。

自動車メーカー|継続的な顧客ロイヤリティの獲得

この自動車メーカーは当時、販売台数を伸ばすことをKPIとしていました。しかしそこに注力するあまり、販売後のアフターフォロー面に課題があり、自動車の継続利用率が伸び悩んでいました。そこで、どのような価値を提供すれば長期保有してもらえるかをディスカッションし、仮説を立て検証を行うプロセスをご一緒し、カスタマージャーニーを磨き上げることで改善へとつなげていきました。また、実際に顧客と接するディーラーへの、CX向上を目的としたアクションプラニングもサポート。ディーラーの意識改革を実現することができました。

交通系企業|コックピットの設計とデータ活用のサポート

こちらの企業では、利用受付窓口や待合所など、あらゆる部門の顧客体験を書き出した結果、約500もの項目が出てきました。この中から本当に必要なCXファクターを抽出・整理し、「コックピット」を設計。それをもとに各部門の担当者が現場のスタッフとコミュニケーションを図っていきました。また、調査データの活用方法についてもアドバイス。データから読み取れる課題は何かということをディスカッションし、実践できるものはテストを重ね、CXの向上に貢献しました。

産業機器メーカー|部門を超えた連携を実現

こちらの企業では主要3部門が独立して活動しており、横の連携が十分にとれていませんでした。そこで、各部門に対して個別にヒアリングを実施。課題や顧客へのアプローチを抽出し、部門を超えて力を合わせるメリットが生まれるような組織設計をご提案しました。これにより顧客に対する認識を合わせることができ、会社として一貫性のある施策や顧客への価値提供が可能となりました。横の連携を生み出すことで、CX向上に貢献した事例です。

後編では、CXに取り組む際に陥りがちな「落とし穴」について、まとめてご紹介していきます。

(後編に続く)


関連サービス:CXマネジメント
CXマネジメントは、長年、顧客体験の創出と持続的向上に向けた取り組みを支援してきた当社が持つCX領域の課題解決ノウハウを凝縮したサービスです。顧客向け調査の実施だけにとどまらず、CXマネジメントにおける豊富な支援実績を持つ専任のコンサルティングチームによる総合的な支援と、これまでに蓄積されたノウハウを集約したリサーチサービスやデータ分析サービスを組み合わせ、唯一無二の顧客体験の創出と持続的向上を成し得る企業への変革を支援します。

事例や、さらに詳細の内容をご希望の方は、ぜひお問い合わせください。
お問合せ先:株式会社インテージ 事業開発本部 CXコンサルティング部

著者プロフィール

森川 秀樹プロフィール画像
森川 秀樹
2010年より、JCSI(日本版顧客満足度指数)利用推進パートナーを務める。運輸・航空、自動車、流通、金融など幅広い業界で、データ活用型のコンサルティングを多数行っている。著書に「サービスエクセレンス:CSIによる顧客経験[CX]の可視化」。

2010年より、JCSI(日本版顧客満足度指数)利用推進パートナーを務める。運輸・航空、自動車、流通、金融など幅広い業界で、データ活用型のコンサルティングを多数行っている。著書に「サービスエクセレンス:CSIによる顧客経験[CX]の可視化」。

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