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事例で解説! インターネットリサーチの進め方~調査票作成編①

これまで、知るギャラリーでは、「調査企画前のチェックポイント」や「課題設定・仮説の構築」といったプロセスの解説を通して、調査前の段階でリサーチの結果価値の大半が決まる、ということをお伝えし、課題整理のフレームワーク例やアンケート手法についてご紹介してきました。

具体的には、どのようにこの調査前のプロセスを進め、調査設計に落とし込んでいくのかを、「開発中のサービスコンセプトの受容性確認」の調査を例に、「事例で解説! インターネットリサーチの進め方~調査設計編」でご紹介しました。続いて上記事例でたてた調査項目を具体的な調査票にするためのプロセスを2回に分けて解説します。1回目の本稿では調査項目を細分類して調査票の流れを作成するとともに、調査結果を活用するための準備のステップを解説します。

※このコンテンツは、インテージの無料セミナー「i-college」で定期的に実施している「インターネットリサーチの進め方~企画・設計編」の一部を記事化したものです。

現在受付中のセミナーと過去のセミナーの一覧は、こちらからご覧ください。
https://www.intage.co.jp/news_events/seminar/2021/

過去の解説記事
アンケート調査の方法とコツ① アンケート調査の主な目的と役割・企画前のチェックポイント
アンケート調査の方法とコツ② 課題設定~仮説構築~調査手法の選び方編
事例で解説! インターネットリサーチの進め方~調査設計編

今回も、前回と同じ以下のケースを想定します。

調査実施者:インターネットサービスのシステム開発を手掛ける企業

調査背景:昨今の経済環境・社会環境の変化により外食産業市場も大きな影響を受け、様々な業態や新しいサービスコンセプトなどが登場し、飲食店間の競争も激化している。
この情勢の中、飲食店に消費者を誘導するための新しい飲食店検索サービス「自社ブランドA」の開発・リリースを検討している。

調査目的:
・ターゲットの選定
・「自社ブランドA」の受容性把握
・「自社ブランドA」のコンセプトブラッシュアップ

調査票の流れ作成~聴取する順序の組み立て

前回は3Cと4Pで調査項目を設定しましたが、アンケート回答者に提示する順番はこれらのフレームワークの並び順がよいというわけではありません。それを整理するために6つの要素を調査テーマに置き換えてみます。【図表1】のように調査テーマを定義することができますが、②と③と⑤は1つの枠の中に2つのテーマが混在しているようです。

【図表1】

まずこれらを整理することが必要なので、②と③と⑤を【図表2】のように整理分類しました。

【図表2】

②と⑤には「ニーズ確認」というテーマに分類された項目があるのでこれを1つにし、価格は2つのテーマに分かれたので、全部で8つの調査テーマがあることが分かりました【図表3】。

【図表3】

次に調査テーマを聴取する順番に並べてみましょう。聴取する順番を決めるときには以下の2つのポイントがあります。

①アンケート回答者が答えやすい順番であること

アンケート回答者の思考の流れが自然で答えやすいことは、得られるデータの精度の向上につながります。一般的には、あまり考えこまずに答えられるような広い話題や実態などから聴取し、徐々に細かな話題へとテーマを移していきます。今回の事例ならば、飲食店利用の実態把握を最初に聴取し、次にアプリやサイトの実態把握、そして具体的な競合サービスの名前を提示して実態や評価を聴取するという流れがよいでしょう。

➁前にある設問は後ろにある設問に対しての刺激になってしまうこと

調査において、アンケート回答者に提示される文章や選択肢は、過去を思い出しての回答や、今後の行動や意思決定を考えてもらうために必要な情報ですが、これらはその設問の後ろで聴取する設問にとっては「刺激」として作用してしまうことがあります。例えば、今回の事例で「新サービスのコンセプト評価」を先に聴取し、その後に「検索サービス利用時の重視点」を聴取したとします。新サービスのコンセプト文を魅力的だと感じた対象者は、「検索サービス利用時の重視点」で、コンセプト文の内容に近いことを「重視点」として答えてしまうかもしれません。

「コンセプトの評価」は重要なテーマであるため、調査票の前半に設定することもありますが、その後に聴取する設問の「刺激」となり得ることがあることを踏まえたうえで、調査・結果の分析を行う必要があります。この2点を考慮して決定した順番が【図表4】です。

【図表4】

広い話題から細かな話題へと移り、刺激となるであろう新サービスの評価の影響を考えた順番となっています。

調査結果を活用するための準備~調査目的を満たす指標と評価基準の設定

調査項目を調査テーマで整理して調査票の流れが決まりましたが、具体的な選択肢の検討を始める前に、これらの調査項目が調査目的を満たすものになっているかどうかを確認しておきましょう。

事前に調査目的のために必要な、重要な調査項目を「指標」として選定し、その結果の良し悪しの判断基準や判断にあたって比較する対象を決めておく「評価基準」を設定することで、調査を有効なものにすることができます。

今回の事例の調査目的のうち、「ターゲットの選定」を例に解説します。

この事例ではターゲットの選定を2つのアプローチで検討します。

1つは事前に想定していたターゲットが、新サービスに魅力を感じて利用の意思を見せてくれるか、仮説を確認するアプローチです。調査項目の中に、「魅力度」と「利用意向」があるので、この2つを指標としてターゲット属性の結果を確認し、一定のスコアを上回っているかどうかを確認します。また、非ターゲットと比較することでターゲティングが狙い通りに機能しているかを確認します。

もう1つは、魅力を感じて利用意向を示すのは、どのような属性の人が多いか、探索するアプローチです。利用意向が高い対象者に占める割合が多い性年代や競合サービスユーザーを確認することで、想定外のターゲットを発見できたり、コンセプトの方向性を修正するヒントが得られたりすることがあります。

このように、それぞれのアプローチは視点が異なるため、アプローチごとに「指標」と「評価基準」を設定することで、この調査項目が調査目的にかなっているかを確認できます。また、結果の活用方法が明確になり、関係者との共有や合意もしやすくなります。上記の事例を整理したものが【図表5】です。

【図表5】

また、評価基準をより精緻なものにするために、過去の調査の結果を蓄積して「ノルム値」を作成することもとても有効な方法です。

このように調査結果をどのように活用するかをあらかじめ明確にしておくことで、必要な項目の抜け漏れを防ぐことができるようになります。

終わりに

調査で有効な情報を得るためには、設問の順番によって調査結果が変わってしまうことがあることを意識して調査票の流れを考えることが必要です。また、調査項目を洗い出したら、調査目的に必要な情報が得られるかどうかを確認することで、調査の失敗を防ぎ、活用イメージの明文化が可能になります。この記事では、これらを整理し、実際に調査票の骨格を固める方法を「開発中のサービスコンセプトの受容性確認」という例に沿って解説しました。

次回は、調査項目を調査票に展開する際の、聞き方や選択肢選びのコツなどを具体的にご紹介する予定です。

調査が必要な背景・課題は様々で、調査テーマによって検討すべき論点も多岐にわたります。インテージの無料セミナー「i-collage インターネットリサーチの進め方~企画・設計編」では、この記事で紹介した事例以外にも様々な事例をご紹介しています。是非ご参加ください。
※不定期実施のため、実施の際には申込画面を案内いたします。

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