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生活者インデックスデータ

具体例で解説!インターネットリサーチの進め方~データの見方編①

これまで知るギャラリーでは、課題設定や仮説の構築から調査の企画設計、調査票の作成といった、調査実施までのプロセスを具体的な事例を用いて解説し、調査実施前の段階でリサーチの結果から得られる価値の大半が決まる、ということをお伝えしてきました。

ここからは、調査実施後の、集計結果の見方や分析におけるポイントを、具体例を用いながら2回に分けて解説します。1回目のこの記事では、集計データを見るときの流れと必要な基礎知識を紹介します。

※このコンテンツは、インテージの無料セミナー「i-college」で定期的に実施している「インターネットリサーチの進め方」の一部を記事化したものです。

これまでの記事
事例で解説! インターネットリサーチの進め方~調査設計編
事例で解説! インターネットリサーチの進め方~調査票作成編①
事例で解説! インターネットリサーチの進め方~調査票作成編②

集計データを見るステップ

集計データを分析する時は、マーケティング課題・調査課題を意識しながら以下の5つのステップで見ていくと、情報が整理されて結果の理解が深まり、有用なデータの活用に繋がります。

① 単純集計表(GT表)で全体の傾向をつかむ
➁ 基本クロス集計表で データ間の差や関連性を捉える
③ 過去に実施した比較できる調査データがある場合は、前回と今回の変化の有無を確認する
④ 調査テーマ・課題に対する結論を導くための情報を、大まかに整理して分析する
⑤ 分析した結果見出された疑問点や課題を明らかにするために、さらに分析を深める

調査課題の多くは、このステップの①②が重要な役割を果たします。単純集計表・クロス集計の分析で結論を導き出せるといっても過言ではありません。そこで、単純集計表やクロス集計表の分析に必要な知識について解説します。

データの種類と集計方法

データには、大きく分けて、提示した選択肢がどれだけ選ばれたかを表す数値データ 、数値で回答された数値データ、文字データの3種類があります。

1)提示した選択肢がどれだけ選ばれたか、を表す数値データ

アンケート調査で最も多く使用するタイプです。主に以下の2つの指標を見て解釈します。
①比率(百分率:%)
データを見るときは、「●人中(分母)」を100とした時の「■人(分子)」の割合(%)で見ます。この指標を使うことで、分母が200人のデータと500人のデータを比較することができるようになります。

②比率の差
2つの比率(%)を比較した時の「差」は「%」ではなく「ポイント」と表現します。「男性が32%、女性が15%で、17ポイントの差がある」といった使い方をします。

注意点:
分母である「●人中」を「ベース」といいます。 調査結果の比率を計算する時に、何を分母として用いるかで、計算された数値の意味は変わってきます。どの様な視点でデータを分析したいのかを念頭に集計の分母を選び、グラフや数表を作る際には必ず表記をしましょう。

【具体例で解説:比率の使い方】
ある飲料を飲んだことがある人の数を分子、調査の対象者全体を分母にして割ると、市場における「飲用経験率」となり、その飲料の浸透度合いを表します。その飲料を知っている人を分母にして割ると、知っている人のうちどれだけの人が飲んだことがあるのかを表す比率なので認知者のうちの「累積トライアル率」と解釈することができます。

2)数値で回答された数値データ

年齢や金額といった数量が数値で回答されたデータです。数値データは様々な指標を計算することができますが、アンケート調査では主に以下の2つの指標を見て解釈することが多いです。
①比率(百分率:%)
整数の場合は、数値で回答してもらった結果を選択肢として置き換えることで、1)の「提示した選択肢がどれだけ選ばれたかを表す数値データ」の様に比率を集計することができます。1から5までの数値をまとめて「1~5個」といったように幅を持たせて選択肢化して集計することも多いです。(カテゴライズといいます。)

②平均
平均とは、対象とする数値データの合計を、データの個数で割った値です。一つの値で対象全体を表現することができ、上記の「比率」よりも調査結果が理解しやすくなる便利な指標です。「1か月あたりのある商品の平均購入金額」などを集計します。

5段階評価のような設問に関しては、回答内容の強さに応じて「カテゴリーウエイト」という重み付けを行って数値化することで、端的にその高低を評価することが可能です。

【具体例で解説 :段階評価設問の回答の平均値】
図表1は、あるサービスの利用意向を聴取した調査結果に、「利用したい」から 「利用したくない」までの5つの選択肢が等間隔にあると仮定して、+2から-2の重みを付けて平均を算出した例です。平均がゼロよりも大きい値であれば利用したい人が多く、ゼロよりも少ないマイナスの値なら利用したくない人が多いことを表すことが容易にわかるようになります。

【図表1】

このように、平均値は直感的にデータを理解しやすく、便利な指標ですが、注意すべき点もあります。
注意点1:外れ値の影響を受けやすい
一部の少数の回答者の数値が極端に大きかったり小さかったりすると(外れ値)、その影響で全体像としての平均値が歪んでしまうことがあります。

注意点2:データの分布によっては、全体を表さないことがある

【具体例で解説:段階評価設問の回答分布と平均】
図表2のグラフはA社とB社のサービスの利用意向の集計結果です。A社とB社の選択肢の構成比はかなり異なっていますが、カテゴリーウエイトの平均値を算出すると両方とも「0.50」です。この場合は、平均値だけを見て判断すると、結果を見誤ることがあります。

【図表2】

このように数値データを分析する際は、回答の散らばり(分布)を確認することがとても重要です。

注意点3:平均の計算に「ゼロ」の対象者を入れるかどうかで指標が表す意味が変わる
ある商品の1か月の購入金額を聴取した場合、購入していない人は数値が「0」になります。購入していない人を集計対象に入れた場合(市場全体の傾向値)と入れない場合(購入者のみの傾向値)では集計された平均が表す意味が異なります。どのような視点でデータを見たいのかを考えて選びましょう。

3)文字

自由回答で聴取した言葉や文章といった文字データはそのままでは集計ができませんが、回答の内容を分類し、選択肢としての番号を付与することで、1)の「提示した選択肢がどれだけ選ばれたかを表す数値データ」の様に集計ができます。また、記入された文字や文章そのものを読むことが気づきにつながることもあるため、目を通すことをお勧めします。

単純集計表による全体俯瞰とデータ分析の基本

単純集計表は、回答者全体の集計結果のことで、GT表とも呼ばれます。全体を俯瞰してデータの大まかな傾向をつかむとともに、調査票を作成する時に設定した仮説の検証や、知りたかった項目の結果の確認に使います。ここでのデータ分析は、「数値は絶対値ではなく、相対的にみる」ことが基本です。

【具体例で解説:集計結果の相対評価】
ある化粧品の「若い人向け」イメージは30%でした。この30%という数字は高いと評価すべきでしょうか、低いと評価すべきでしょうか。この化粧品の「年配の人向け」イメージが60%であれば、「低い」と評価できるでしょう。また、競合品の「若い人向け」イメージが10%だったとすると、競合品よりは「高い」と評価できます。このように、他の選択肢や他の商品と比較する=相対的に見ることで、調査結果を正しく解釈できます。

単純集計表は、先に述べた数値データの分布の確認や、分析軸の各層のサンプルサイズの確認、調査票の選択肢を分析しやすいように加工する必要があるかを判断するなど、次のステップのクロス集計表に進む前の準備をする目的でも使われます。

分析軸の各層のサンプルサイズの確認は、サンプルサイズが小さいと、回答数が1違うだけで%の値が大きく変わるため、この段階で確認しておくことが重要です。一般にアンケート調査では、分析するサンプルサイズが30以上になるように設定し、30未満のデータは参考値扱いにします。

【具体例で解説:サンプルサイズチェック】
同居家族人数を分析軸と想定して調査を行った結果、図表3のGT表からは、「6人以上」のサンプルサイズが小さく分析には適さないことがわかりました。この場合、「5人」と「6人以上」を合わせてサンプルサイズを確保することで、同居家族人数の各層別に分析ができるように調整します。

【図表3】

分析軸の他にも、調査票の選択肢のままでは結果の解釈がしにくい設問がないか確認します。このような場合は、選択肢をまとめるなどの加工をして、解釈をしやすくしましょう。

【具体例で解説:選択肢のまとめ方】
図表4は「飲食店の利用頻度」です。アンケート実施時は、頻度のレンジを細かくして聴取しましたが、調査票の選択肢のまま結果を見ても数値が小さすぎて傾向がつかみにくくなってしまいました。そこで「1週間に~」の選択肢3つと、「1ヶ月に~」の選択肢2つをまとめる加工をして集計した結果が図表4です。傾向がつかみやすくなったのではないでしょうか。

【図表4】

このようなデータ加工は、段階評価の調査結果を解釈する時にもよく用いられます。
例えば7段階で利用意向を取った時、「とても利用したい=トップボックス」と「利用したい=セカンドボックス」を「意向がある人の割合」(TOP2率)として合算することで、それぞれの選択肢の値を見るよりも解釈のしやすいデータに加工することができます。

終わりに

今回は分析を進めていく大まかなステップと、集計結果を分析するために必要な基礎知識と、単純集計表の見方を中心に解説しました。次回の「具体例で解説 ! インターネットリサーチの進め方~データの見方編②」では、クロス集計表の作成のポイントや見方のコツを中心に解説して分析の勘所をお伝えする予定です。

調査が必要な背景・課題は様々で、調査テーマによって検討すべき論点も多岐にわたります。インテージの無料セミナー「i-collage インターネットリサーチの進め方~集計・分析編」では、この記事で紹介した事例以外にも様々な事例をご紹介しています。是非ご参加ください。


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