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行動変化が影響 「2022年、上半期売れたものランキング」

2022年も折り返し地点。今年の上期はどのようなものが売れたのでしょうか。全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+®(全国小売店パネル調査)で、日用消費財の中で何が特に売れたのかを振り返ります。

上半期好調だった“健康系”カテゴリーは?食品の売れたものトピックス

図表1は2022年5月までの日用消費財カテゴリーの、前年比ランキングです。

図表1

1位となったのは、2021年の年間ランキングでも1位だったオートミールでした。昨年同時期比で245%と、今年も大幅に数字を伸ばしていますが、コロナ前の2019年と比べると販売金額は驚きの1,348%にまで達しています。低カロリーで豊富に食物繊維を含むなど健康・美容の需要にこたえました。爆発的な広がりを見せたオートミールですが、日本の朝食の顔でもあったコーンフレークを昨年11月に販売金額で逆転しています(図表2)。いかに急激に日本の食卓で存在感を大きくしていったかが分かります。

図表2

同じく9位・乳酸菌飲料(119%)も、腸内環境の改善やコロナ禍で多くの人が問題を抱えたという睡眠関連の改善などの需要があり数字を伸ばしました。昨年1位だった麦芽飲料も体力増進や貧血対策などで人気が出ていたことを考えると、やはりコロナ禍における健康需要は大きかったようです。

オートミール同様に食品でコロナ前より数字を伸ばし続けているのが6位・冷凍水産(122%)です。魚介類を長期保存できるうえに、簡単に加えられてワンランク上の料理に仕上げることができるということで、大きな支持を得ました。11位・液体だし(118%)もコロナ前より市場規模が拡大している注目のカテゴリーです。

2022年上半期ランキングにも多く見られた「コロナの影響とその反動」

2位・検査薬は、市販のコロナの抗原検査キットなどが買われた影響で172%と大幅な伸びを見せました。7位・解熱鎮痛剤(119%)はコロナワクチンの副作用対策のほか、コロナにかかって自宅療養する時の準備としても広く買われて3年前より25%市場が拡大しています。
8位・口腔用薬(119%)と15位・鎮咳去痰剤(111%)は、感染予防のための手洗い・うがいの徹底により風邪・インフルエンザの発症が減少し、売り上げが落ち込んでいましたが、コロナ前には届かないものの復調し始めています。

昨年の上半期ランキングの順位を見ると(図表3)、麦芽飲料、プロテイン粉末と健康系が1位、2位で、3位に漫画・アニメのヒット関連商品が好調だった玩具メーカー菓子が入っていました。4位以降も血圧計やヘアートリートメント、テーピングなどのセルフケア需要のものが入るなど、どちらかといえば家の中での生活を充実させるものが多かった印象です。

図表3

しかし、今年はそのトレンドが一変、人が外に出ることで売れるものが上位に顔を出してきました。その代表格が4位・口紅で前年比139%まで回復しています。コロナ禍で口紅は、外出をしないので化粧をしない、外出してもマスクがあるのでさらにしない、という二重苦に苦しんでいました。14位・ほほべに(112%)も同様ですが、コロナへの国や生活者の対応・意識が変化して、外出が増えていくと数字を大幅に伸ばしました。5月20日からマスクの規制が緩和されたことでさらに伸びることも期待されます。

また同じく外出ということでは主に乗り物の酔い止めが含まれる3位・鎮暈剤(ちんうんざい)が152%と大幅に増加しました。特に大型連休や長距離旅行の時に売れるこの商品は、コロナ前の8割まで市場規模も復活してきています。地方自治体などの旅行支援施策もある中、さらなる伸びもありそうです。外出ということでは10位・日焼け・日焼け止め(118%)や、運動や外出に重宝される12位・スポーツドリンク(116%)も昨年より2割近く増えています。
人々の行動の変化が明確に売れたものに表れる結果となりました。

販売苦戦カテゴリーにもコロナの影響

最後に今年販売苦戦したランキングを見てみましょう(図表4)。1位は殺菌消毒剤(75%)。コロナ禍では建物などに入るたびに置いてあった手指消毒剤を含むカテゴリーで、以前より利用頻度や持ち運んでいる人が少なくなっている可能性があります。2位・しわ取り剤(84%)は衣服用のもので、ウイルス除去などを訴求したものが昨年は売れましたが、まだ完全に外出が戻っていないこともありふるいませんでした。3位・体温計(85%)も昨年までの需要増の反動です。とはいえ、コロナ前に比べると169%と大きく伸びています。9位・エッセンス類(88%)は家庭で一時増えたお菓子作りの反動、同じくステイホーム系では12位・住居用ワックス(88%)、14位・ガラスクリーナー(89%)と、家の掃除用品もランクインと、一時的な需要増が落ち着き、一部の行動が戻りつつあることが読み取れます。

その他には、4位・洗濯のり(86%)、5位・米(86%)、6位・海藻サラダ(87%)といったダウントレンドが長年続いているカテゴリーが目立ちました。

図表4

今回ご紹介したランキングで目立ったのは、外出増や巣ごもり消費の反動減といった、日常に戻りつつある生活者の動きでした。この後どのような動きを見せるのか、引き続き注目していきます。

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【SRI+®(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2022年6月現在

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