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Z世代・アルファ世代のリアル-テックネイティブな未来の消費者を紐解く⑤~Z世代と異なるアルファ世代の実態

インテージでは、Z世代リサーチ研究分科会(1) を中心に複数の部署やグループ会社で連携し、産業能率大学の小々馬敦先生(2)とアルファ世代・Z世代といった“テックネイティブ”の情報接触・価値観・消費行動を明らかにするための共同研究を行っています。第1回~第4回はこちらからご覧ください。
 ・第1回:消費価値観から得る、未来の消費者理解のヒント
 ・第2回:テックネイティブの消費者行動モデル
 ・第3回:TikTok売れは本当に存在するのか?SNSを活用した「〇〇売れ」
 ・第4回:テックネイティブとテレビとの新しい関係

第5回は、インテージ先端技術部の小林が担当します。今回のコラムでは、ポストジェネレーションZと言われるアルファ世代に着目をして、定量・定性調査(インタビュー)から得られた結果を複合的に考察していきます。

アルファ世代とは

突然ですが、なぜアルファ世代と呼ばれるようになったのか、ご存じですか。アルファ世代は、およそ2010年~2025年生まれ、2030年以降に成人となる人達を指します。この世代は21世紀に生まれた最初の世代であり、この世代が生まれる頃には、テロの脅威や世界的な不況、気候変動などの様々な国際的な問題が解決され、新しい時代を迎えていると予測されています。本当の意味での“新しい世代の始まり”として、「Generation α」とオーストラリアの世代研究者・コンサルタントのマーク・マクリンドルが2005年に命名しました(Mark McCrindle,2021)。
Z世代もアルファ世代もデジタルネイティブと言われますが、アルファ世代は生まれた時にはすでにインターネットが広く浸透し、テレビ、パソコン、スマートフォンのようなデジタル機器が身近にあり、Z世代よりも物質的 にも技術的にも恵まれていると言われています。加えて、幼少期に新型コロナウイルスパンデミックを経験した最初の世代です(Amrit Kumar Jha, 2020)。そのため、私たちは未来を牽引する生活者の1つの切り口として、現在の日本のアルファ世代を調査対象として含めることにしました。

アルファ世代の仮説探索

第4回では、アルファ世代のテレビの利用実態を説明しましたが、普段利用できるデバイスを改めて見てみると、テレビ以外にもタブレットやゲーム機の利用率もアルファ世代が他世代に比べて最も高いことがわかります。普段利用しているデバイス数の平均値は、世代間で差がなく、アルファ世代は、幼少期から複数のデバイスが利用できる環境で生活していることがわかります(図表1)。

図表1

合わせて、スマートフォン、タブレット、ゲーム機の利用開始の平均年齢は、同じデジタルネイティブと呼ばれているZ世代よりも利用開始年齢が下がっていることがわかりました(図表2)。

図表2

年代別 デバイスの平均利用開始年齢

1章で述べた世界的に共通する傾向として言われている通り、デジタル機器が幼少期からアルファ世代の身近に存在していることがわかります。

これらのデバイスを何に利用しているか、動画以外のコンテンツも含めて追加調査を行いました。テレビは、未だテレビ番組の視聴に利用されている比率が高い一方で、アルファ世代に注目すると、半数以上が無料動画視聴サービスを利用、4割強がゲームに利用していました(図表3)

図表3

加えて、私たちが驚いたことは、ゲーム機利用者のうちの34%がゲーム機で無料動画視聴サービスを利用していたことです(図表4)。

図表4

他世代に比べて10ポイント以上も多いという結果となっています。さらに、同時期に行った行動観察調査(動画解析ツールLabel Note を使用)では、アルファ世代とZ世代の兄弟が別々のゲーム機から無料動画サービスを利用し、別々の動画を視聴する、という自宅での様子も観察することができました(図表5)。

図表5

複数デバイスが利用できる環境にあることで、テレビではテレビ番組、スマートフォンでは動画、SNS、ネットサーフィンといったデバイス毎の利用方法の常識が変化していることを感じます。このような変化に応じ、様々な情報経路を想定した情報提供の仕方を考える必要性がありそうです。

情報の関わり方の違いからみるアルファ世代

利用デバイスや利用コンテンツによって、得られる情報はそれぞれ異なります。また、アルファ世代は幼少期から複数デバイスが利用できる環境にいることで、自身の興味関心に応じた情報の取捨選択、時間の使い方など、より能動的な行動を求められながら成長してきたのではないかと考えられます。私たちは、この利用デバイスや利用コンテンツの特徴からアルファ世代をタイプ分けし、さらなる理解を試みました。

ここからは、行動指標に近しい「普段利用するデバイス」と「コンテンツ視聴時間」を用いてクラスター分析を行い、ライフスタイルや価値観、消費への意識の違いを分析した4つのタイプのプロフィールを紹介します。

デバイスやコンテンツとの関係はライフスタイルや情報との接点を物語っているものなので、それらが価値観などに直接的に影響を与えているかはわかりませんが、情報経路に応じたアルファ世代へのコミュニケーション方法を考える上で、非常に役に立つ情報だと思います。

最後に

ポストジェネレーションアルファと言われて、2030年に成人を迎える小学生以下の子どもたちの特徴をすぐにイメージできる人は少ないかと思います。また、自分の身近にいるアルファ世代の特徴が一般的なのか、特徴的なのかもわからないと思います。振り返ると、実は私たちも調査設計を検討する段階で、仮説が思い浮かばず苦労しました。調査を行って、情報との関わり方は、私たちが考える“一般的”から変化していると感じました。第4回で「新しい関係への変化」と表現されていましたが、まさにその通りと言えそうです。

先日のテクノロジーとマーケティングセミナーでも地域別・国別比較に関する質問を多くいただきました。アルファ世代を対象とした調査は、世界的にも始まったばかりで、参考文献も少ない状況です。インテージグループとして、未来の生活者をテーマに引き続き、アルファ世代を対象とした調査を進めていきたいと思います。


(1)【Z世代リサーチ研究分科会】
インテージグループR&Dセンターの分科会の一つ。マーケティング活動に資するZ世代の特性を理解し、グループの事業発展に繋がるZ世代の調査法・調査結果の活用法の確立を目指しています。これまでさまざまな形でZ世代にまつわるプロジェクトに関わったメンバーが集まり、社内外の知見の収集や自主調査の実施など精力的に活動を始めています。
(2)【小々馬敦先生】
産業能率大学経営学部マーケティング学科教授。ゼミの取り組みでは「Z世代の生活価値観」からマーケティングのニューノーマルを探究することを行っています。2015年から若者の価値観変容を追跡調査し、日本マーケティング協会と学生と社会人の対話「ミライ・マーケティング研究会」を開催するなど、精力的に若者のリアルについて研究されています。


【参考文献】
・Mark McCrindle, 2021, Generation Alpha, Hachette UK
・Amrit Kumar Jha, 2020, Understanding Generation Alpha, OSF Preprints

【調査概要】
期間:2022年4月29日から2022年5月9日
対象者:10歳から40歳までの989人(内訳:アルファ世代321人、Z世代329人、ミレニアル世代339人)
調査方法:インテージのネットリサーチによる自主調査
     10歳~15歳は、承諾した保護者の聞き取りによる代理回答を加えた

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