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消費税増税後の消費の落ち込みは?購買行動データにみられた駆け込み需要の反動

2019年10月1日から実施された消費税増税。8%から10%に上がりましたが、今回は初めて軽減税率が導入され、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を対象に、税率が据え置かれました。本記事では増税により日用消費財で、どのような購買活動の変化があったのかを、前回増税時とも比べてご紹介します。
※改定週(9/30-)以降は速報値となります。
※前回の消費税増税は2014年4月1日に行われています。

日用消費財全体での、購入金額の落ち込みは前回よりも縮小

10月1日に10%に上がった消費税。前回までの増税時に駆け込み需要、およびその反動が大きかった日用消費財で、購入金額を前年同時期と比べてみると、改定週から102%、88%、92%となっています(図表1)。2014年の時の92%、85%、90%と比べると、減少が小幅になっていることが分かります。増税後も負担が変わらない、軽減税率の対象が多く含まれる食品・飲料のカテゴリーで駆け込み需要、反動ともに小さかったことが要因にあげられそうです。

Key Point1

日用消費財全体では、前回増税時ほどの購入金額の落ち込みは見られず

軽減税率の対象外は前回並みの大きな反動が

一方で軽減税率の適用がないカテゴリーでは、増税開始日が近づくにつれて駆け込み需要が大きくなり、その後に大きな反動が見られました。前年同時期の購入金額と比べて、日用雑貨品は改定週こそ109%と前回増税時を上回りましたが、翌週は68%まで落ち込み、その次週も82%にとどまっています(図表2)。化粧品は、さらにその動きが顕著で126%、65%、76%(図表3)となり、ヘルスケアも115%、78%、86%(図表4)となっています。2014年と同じような動きが、これらのカテゴリーでは起きていました。

図表2
日用雑貨品の購入金額前年比(14年vs.19年)
図表3
化粧品の購入金額前年比(14年vs.19年)
図表4
ヘルスケアの購入金額前年比(14年vs.19年)

Key Point2

軽減税率の対象外となるカテゴリーでは、2014年の増税とほぼ同水準で購入金額が落ち込む

軽減税率対象を含む、食品・飲料が購入金額を下支え

これらの3カテゴリーに比べて駆け込み需要とともに、購入金額の減少も小幅だったのが食品・飲料です。前年同時期に比べ、改定週から98%、95%、96%となっており、前回の89%、88%、92%より高い水準で推移しました(図表5)。今回から導入された軽減税率の対象が多く含まれるこのカテゴリーは、基本的には税率が変わらないため、駆け込み需要も、その反動もあまり起こらなかったことが推測されます。

図表5
食品・飲料の購入金額前年比(14年vs.19年)

Key Point3

軽減税率対象が多く含まれる食品・飲料では、購入金額の落ち込みは、前回より縮小

アルコール飲料は前回と同じような動きに

全体的に増税前後で動きが少なかった食品・飲料のカテゴリーの中で、購入金額が乱高下したのがアルコール飲料です。改定週こそ98%と前回の86%を大きく上回りましたが、その後は75%、84%と、前回とほぼ同水準(77%、86%)となっています。軽減税率の対象外であることが広く認知されていただけに、安い時に買いだめをして、10月に入ってからは買い控えた生活者の行動がうかがえました(図表6)。

図表6
アルコール飲料の購入金額前年比(14年vs.19年)

Key Point4

食品・飲料のカテゴリー内でも、軽減税率対象外のアルコールは大きな反動があった

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使用したデータ
SCI®(全国消費者パネル調査)
全国15歳~69歳の男女50,000人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データです。食品、飲料、日用雑貨品、化粧品、医薬品、タバコなど、バーコードが付与された商品について、「誰が・いつ・どこで・何を・いくつ・いくらで、購入したのか」という消費者の購買状況を知ることができます。
※SCIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開しておりません。


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