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生活者インデックスデータ

日本での自動車購入への影響 オンライン販売のポテンシャルは?~コロナ時代のアジア自動車ビジネス④

インテージでは、日刊自動車新聞に「コロナ時代のアジア自動車ビジネス」をテーマに連載枠をいただき、中国、インド、タイ、日本の4カ国について、現地スタッフを交えて生活や自動車市場の変化をレポートしました。その内容を、知るGalleryでもお届けします。
4回目は日本。新型コロナウイルスの影響で見られている生活者行動の変化が自動車購入にもあらわれるのかを考えていきます。
1回目の記事はこちら 中国自動車市場の現在とオンライン販売の可能性
2回目の記事はこちら モビリティと購買行動に対するインド生活者意識の変化
3回目の記事はこちら コロナに負けないタイのモーターショー

オンラインでの新車購入 日本におけるポテンシャルは?

まずは国内の販売状況を振り返ってみましょう。日本自動車販売協会連合会によると「乗用車(普通+小型)」の前年比販売台数は72.5%(4月)、58.2%(5月)、73.4%(6月) 、80.4%(7月)、83.9%(8月)、84.0%(9月)と厳しいながらも徐々に回復を見せています。

過去の記事では、新型コロナの影響を受けて各国で見られているオンラインでの新車購入の兆しを紹介しました。日本の生活者にはどの様に捉えられているのでしょうか。
ここからは生活者を対象にした調査データから、新型コロナによる、外出行動やオンラインショッピング利用への影響、オンラインでの新車購入に対する意識について見ていきます。

7月10日から全国の15~79歳の男女3千人を対象に「不要不急の外出を減らすようにしている」かどうかを毎週聴取していますが、8割近い人が外出を減らしている状態が続いています(図表1)。

図表1asia-carbusiness-4_01.png

外出頻度が減ると自然と増えるのが家の中で過ごす時間。では家の中にいながら買い物ができるオンラインショッピングの利用頻度はどれほどなのでしょうか。9月に行った全国の15~79歳の男女3千人を対象とした調査から見ていきます。結果は図表2の通り、約3人に2人が月に1回程度以上オンラインショッピングを利用していることがわかります。

図表2asia-carbusiness-4_02.png

ここで気になるのはオンラインショッピングの利用に新型コロナの影響は出ているのかどうかです。利用頻度の変化を確認したところ、「増えた」:29%、「変わらない」:69%、「減った」:2%となっています。特に10~30代では約4割が「増えた」と回答しており新型コロナの影響が色濃く出ていると言えそうです。

次に、本題である自動車に目を移し、オンラインで新車を購入したいかどうかの結果を紹介します。(図表3)

図表3asia-carbusiness-4_03.png

全年代を通して利用したいという回答は1~2割程度にとどまります。年代が上がるにつれて利用したくない、の割合が顕著に増えています。回答理由を自由記述式で聞いたところ、否定的な理由では「実際に見て試乗したうえで購入したい」「高額なので店舗で契約したい」「価格交渉など、対面で交渉したい」といったものが多く見られました。
一方で肯定的な回答では「便利だから」「人との交渉がわずらわしいから」「ポイントが貯まるから」といったものがあり、特にポイントについてはクレジットカード支払いなどによる還元を期待している人が一定数いました。
まだまだ新車をオンラインで購入するには物理的・心理的障壁が多々ありそうです

発展途上にある新車のオンライン購入。例えばVR(仮想現実:バーチャルリアリティ)のような、家にいながら実物をリアルに感じることを可能にする技術が発達すれば、オンライン購入の後押しとなるのでしょうか。一般的に、VRが発展すれば車のインテリアやエクステリア、走行イメージなどをより把握しやすくなると考えられます。

VRは新車のオンライン購入に影響を及ぼすのか、意識を聞いた結果が図表4です。

図表4asia-carbusiness-4_04.png

全体を見るとそこまで強い後押しになるとは現状では言えませんが、若年層を中心に好影響を及ぼす可能性がありそうです。若者の車離れと言われて十数年経ちますが、オンライン購入、VRといった先進技術によって、これまでアプローチできなかった顧客層に接近するチャンスの芽は出始めているのかもしれません。

新型コロナウイルスによる自動車購入への影響は?

最後に自動車から一歩引いて、経済状況についても生活者の意識を見てみましょう。9月に行った調査を図表5に紹介します。

図表5asia-carbusiness-4_05.png

目に入ってくるのはマスク着用の意識の高さですが、経済状況という観点から、「家計の節約」「高額商品の買い控え」を見てみると、こちらもスコアが高く、財布の紐を締めている人が多いことがわかります。
また、「収入・家計の不安」についても聞いたところ、「不安あり」:45%が「不安なし」:25%を大きく上回っており、先行きが見えない状況は続きそうです。特に働き盛りの20~50代は10代・60代・70代よりも「不安あり」の割合が高く、50%を超えてきます。自らの仕事だけでなく家計を支える立場にあり、さらには介護などに従事している方もいるでしょうから、不安の大きさはうなずける内容です。

収入・家計への不安、節約志向、高額商品の買い控えといったことは、大きな買い物である自動車にとっては逆風です。とはいえ自動車は地域によっては生活の必需品です。
実際、2019年に全国の自動車免許保有者1万人(20~89歳の男女)を対象にしたインテージの調査によると、週に1~2日以上運転する人は、全国平均で71%です。最も低い20代でも59%、30代:67%、40代~80代は7割以上です。電車を週に1~2日以上利用する人は全国平均で同26%、バスは同11%であるため、全国的にマイカーに強く依存しています。

上記より、新型コロナの影響はあれども、必需品である自動車の国内需要は底堅いと言えるのではないでしょうか。一方で、各家庭内での購入予算の縮小は進む可能性が高いため、価格や機能の説明責任はこれまで以上に求められるようになるかもしれません。また今後の家計状況から、リセールバリューを考慮した車種やグレード、ボディカラーなどの検討が以前より強まる可能性もあるため、中古市場においてもニーズの変化をよりスピーディーに読み取る必要があるでしょう。

著者プロフィール

三浦 太郎 (みうら たろう)
国内最大規模の自動車に関するパネル調査「Car-kit®」の企画・運用を担当。
2019年から日刊自動車新聞にて、コラム『インテージ生活者インサイト』を連載中。
2020年からは東洋経済オンラインにて個別車種の分析記事を連載。
テレビ、セミナー等の出演複数。

国内最大規模の自動車に関するパネル調査「Car-kit®」の企画・運用を担当。
2019年から日刊自動車新聞にて、コラム『インテージ生活者インサイト』を連載中。
2020年からは東洋経済オンラインにて個別車種の分析記事を連載。
テレビ、セミナー等の出演複数。

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