

ことしのゴールデンウィークは日並びがよく、「暦どおりでも5連休、有給を組み合わせれば最大12連休まで可能」と、大型連休のとりやすさが話題になっていましたね。その一方で、ニュース報道等では、物価の高騰や中東情勢の緊迫化による原油高から旅行・レジャーを控えるなど、生活者の慎重な姿勢も伝えられていました。
インテージでも4/16(木)付けのプレスリリースで、3月末に実施したインターネット調査の結果から、
・今年のGW予算は平均27,660円(前年比94.6%)で、外出・旅行需要が回復した2023年以降で最低水準
・GWには「予定なし」が41.2%と前年から増加
・イラン情勢の影響で「GWの予算・予定を控えめにする」と回答した人は19.6%、海外旅行も一定層が慎重姿勢
とご報告させていただきました。
https://www.intage.co.jp/news/7612/
このコラムでは、NTTドコモの「モバイル空間統計」をもとに、実際のGW期間での人の流れをデータで振り返ります。はじめに、47都道府県を12地方に集約したマクロな視点での人口移動状況を俯瞰したうえで、年末・年始と同じように”大都市圏からの長距離移動”に注目し、全国の空港(86箇所)・新幹線駅(115箇所)での滞在者数について、4/24(金)から5/7(木)までの14日間での推移をみていくことにします。
※注
データ集計は、全国の空港および新幹線駅について国土数値情報を参照しながら500mメッシュ単位でテーブル化し、モバイル空間統計(リアルタイム版)から日別・時間帯別の“エリア滞在者数”を合算するかたちで実施しました。したがって、該当エリアの居住者・勤務者を含んだ数字であることをご承知おきください。
まず、日本全国を以下の12地方に区分したうえで、GW期間中にどの地方からどの地方への移動者が多かったのか、を見ていきましょう。
| 12地方 | 都道府県 ※自治体コード順 |
| 北海道 東北 北関東 南関東 甲信越 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州 沖縄 | 北海道 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 茨城県、栃木県、群馬県 埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 新潟県、山梨県、長野県 富山県、石川県、福井県 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県 沖縄県 |
4/24(金)から5/7(木)までの14日間・各日14時台での滞在先について、居住地別ののべ人数を上記の地方単位で集計したところ、全般的には自地方(居住都道府県の所属する地方)内に留まっている割合が大きく、いずれの地方でも95%以上となっていました。
次に“自地方以外の都道府県に滞在していた人数”について12地方別にみてみたのが以下のグラフです。各地方とも南関東や近畿への流出がかなり多いことがわかります。北海道から甲信越までの東日本では南関東へ、中国・四国以西の西日本では近畿への流出が最多で、中間地点となる東海・北陸では南関東・近畿がほぼ同水準といった状況です。
地方ごとにみていくと、東北からは南関東・北関東・甲信越へ、四国からは近畿・中国へ、というように、距離的に近い地方圏への滞在が大勢を占めている様子がよくわかります。ただ沖縄だけは、空路での移動が主となるためか、距離の近い九州・近畿よりも南関東への流出が多くなっていました。南関東・近畿の居住者は、近場がメインではあるものの、全国各地方にバランスよく分散している印象です。

ちなみに同様の集計を前年(2025年)のGW期間についても実施し、比較してみたところ、他地方への流出者数は前年比で+2.3%と若干の増加となっていましたが、詳細に見ると、前年より流出人数が増加したのは大都市圏である南関東と近畿のみでした。
次のグラフは、この2地方について、移動先別の人数および前年からの増減を詳しくみたものになります。
南関東からの移動先としては北関東・近畿が微減し、かわって東北・甲信越等がわずかに増加したかたちになっています。一方近畿からの移動先としては、南関東・東海が減少、かわりに中国・四国・九州方面が微増となっており、いずれも距離的に近いエリアにややシフトしている印象です。そのほかの各地方からの流出先の構成比はほぼ前年と同じで、目立って大きな変動はありませんでした。

ここからは、年末年始のときと同様に、全国の空港・新幹線駅エリアについての“のべ滞在者数”の推移をみていきます。
事前の予測では、特に新幹線・特急での移動については「下りは4/29(水)・5/2(土)、上りは5/5(火)がピーク」とされていましたが、実際はどうだったのでしょうか。各日・6-23時台の空港・駅エリア滞在者数を積上げて、1日当たりの利用者数とみなして集計しました。
全般的には平日の方が休日よりも利用者数が多いので、休日や連休の初日でもそれほど大きな増加には見えませんが、GW期間・14日間での移動者の総量は、昨年同期間と比較すると空港で3.1%、新幹線駅で1.8%の増加となりました。
なお、空港・新幹線駅のいずれも4/25(土)・27(月)の前年比が大きく触れているのは、曜日ずれのためと考えられます。


次に、都市在住者がこのGWでどう動いたかを見るために、2大都市圏である京浜(1都3県)・京阪神(2府2県)の居住者に絞って、空港・新幹線駅の利用状況を追ってみることにします。
GWの14日間で、都市圏ごとに“6-23時台ののべ滞在者数”の多かった上位10地点を選定しました。東京・大阪の空港・新幹線駅は平日での集客力が極めて高いため、GW期間中の休日(土日祭日)に絞って、日中の滞在者数を比較してみます。
出発日としては5連休初日の5/2(土)がもっとも多く、ついで4/29(水)となっていますが、少し早めの25(土)からの移動者も(特に新幹線利用で)多かったようです。帰着日は予想どおり5/5(火)がピークとなりましたが、小笠原諸島からの戻りが集中する調布飛行場は翌5/6(水)が最多となっていました。京浜居住者の移動先としては、空港利用では福岡・新千歳・那覇と小笠原離島部が、新幹線利用では名古屋・仙台・京都などが多いことが確認できます。GW期間TOTALでの利用者数の前年同期比は、空港で7.8%増加、新幹線で6.7%増加となっています。




なおJR東日本は、5/7付けのニュースリリースで、GW期間(4/24-5/6)中の新幹線・在来線特急列車の利用者数を515.6万人、前年比105%と発表しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001419.000017557.html
京阪神でも、出発日としては4/29(水)・5/2(土)がもっとも多くなっています。 帰着日は、5/5(火)よりも5/6(水)の方が多かったようです。 京阪神からの移動先は、空港利用では羽田・那覇・中部国際・福岡・新千歳、新幹線利用では名古屋・東京・博多が多く、昨年からの順位の変動もありません。 利用者数の前年同期比は、空港で1.8%増加、新幹線で2.5%増加ということで、伸び率としては京浜よりもやや控えめな結果となりました。




以上から、今年のGWは以下のような人の動きがあったとまとめることができます。
・日並びがよく大型連休をとりやすかった今年のGW期間、居住都道府県の属する地方以外への“長距離移動”をした人は昨年よりも+2.3%とわずかながら増加。
・地方単位での移動状況をみると、昨年よりも長距離移動者が増えたのは南関東と近畿のみで、全体的には各地方とも近・中距離での行楽が多かった模様。
・京浜(1都3県)からの長距離移動者数は空港利用で対前年7.8%、新幹線駅利用で6.7%の増加。移動先は北関東・東海・近畿が多いが、東北・甲信越もわずかながら増加。
・京阪神(2府2県)からの長距離移動者数は空港利用で対前年1.8%、新幹線利用で2.6%の微増。移動先は南関東・東海が多いが、中国・四国・九州や北陸もわずかながら増加。
今回はGW期間中の人口移動の状況を「モバイル空間統計」データで確認してみましたが、次回(9月)は“お盆休み”に焦点をあてて、同様に「大都市圏から地方への長距離移動」の状況をウォッチしてみたいと思います。
データについて:
【モバイル空間統計®・国内人口分布統計(リアルタイム版)】
※モバイル空間統計®は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
ドコモの携帯電話ネットワークのしくみを使用して作成される人口の統計情報です。
集団の人数のみをあらわす人口統計情報であるため、お客様個人を特定することはできません。
インテージは「モバイル空間統計」の1次販売店です。
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