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顧客満足度調査の進め方は?指標やアンケート設問の作り方を徹底解説

自社の商品やサービスの売上が伸び悩む局面では、顧客の生の声を集めて改善に活かすことが有効です。この記事では、専門知識がない方にも分かりやすく、顧客満足度調査の正しい進め方から、アンケート設問の作り方、分析方法までを詳しく解説します。

顧客満足度調査とは?

そもそも顧客満足度調査とはどのようなものなのでしょうか。2つの主な役割について解説していきます。

主要な役割具体的な内容
評価の数値化顧客が感じた価値を客観的なデータとして可視化する
認識のズレの把握企業側の認識と顧客の実際の評価の差を発見する

顧客の評価を数値化する

顧客満足度調査とは、商品やサービスを利用した顧客が感じた価値を、客観的な数値として可視化する手法のことです。感覚的に捉えられがちな顧客の評価を、誰が見ても分かるデータに変換するために行います。
飲食店の接客態度や料理の味について、お客様がどのように感じたかを5段階評価で採点してもらう仕組みを想像してみてください。この例から分かるように、目に見えない嗜好や価値観を定点観測できる数値に落とし込むことが調査の基本です。

企業と顧客の認識のズレを把握する

調査を行うことで、サービスを提供する企業側の認識と、顧客の感じ方の差を見つけることができます。企業が良いと信じている部分が、必ずしも顧客に評価されているとは限らないからです。
例えば、企業側は多機能なソフトウェアを強みだと考えていたのに、顧客は機能が多すぎて使いにくいと感じていたという状況は実務でもよく起こります。事実に基づいた評価を知ることで、独りよがりなサービス開発を防ぐことができます。

なぜ顧客満足度調査を実施するのか?

顧客満足度調査を実施する目的は、単に「お客様の声を聞く」ことにとどまりません。調査によって得られたデータは、商品・サービスの改善、優良顧客の育成、そして競合との差別化といった視点で、ビジネス成長に繋げることができます。
以下では、顧客満足度調査を実施すべき主な理由を詳しく見ていきます。

実施する目的期待できる具体的な効果
改善点の特定操作性の悪さやサポートの不足など、具体的な不満が明らかになる
ロイヤル層の獲得満足要因を強化することで、継続利用や他者への推奨を促進
差別化の実現競合にはない自社ならではの強みを把握し、訴求力を高める

商品やサービスの改善点を特定

顧客の不満を洗い出し、優先的に対応すべき課題を見つけることが主な理由の一つです。自分たちでは気づきにくい問題点も、利用者の視点から指摘してもらうことで発見しやすくなります。
実店舗のアンケートで「レジの待ち時間が長い」という声が多数集まれば、人員配置の見直しという具体的な対策が打てます。このように、顧客の不満はサービスを成長させるための貴重なヒントになります。

リピーターやロイヤル層を獲得

満足度の高い顧客を大切に育成し、長期的な関係を構築するためにも調査は欠かせません。顧客が自社のどの部分に魅力を感じているかを把握できれば、その強みをさらに伸ばすことができるからです。
「手厚いアフターサポートに満足している」という声が多ければ、サポート体制をさらに強化してファンを増やす施策に注力できます。強みを研ぎ澄ますことが、それが継続的なリピート購入に繋がり、ロイヤルカスタマー獲得の可能性を高めます。

【関連記事】リピートと顧客体験の関係性 ~何がリピートにつながるのか?8つのカテゴリーで分析~

競合他社との明確な差別化

自社の強みと弱みを相対的に比較し、市場における独自の価値を提供するためにも役立ちます。同じような商品が溢れる現代において、優位性を確保するためには顧客に選ばれ続ける理由を把握する必要があるからです。
例えば、他社製品を使っていた顧客が自社に乗り換えた理由を調査することで、競合にはない自社独自の魅力が浮かび上がるケースがあります。調査結果はマーケティング戦略の土台としても活用できます。

顧客満足度を測る主な指標は?

顧客の評価を測るには、目的に合わせた指標選びが欠かせません。ここでは、主要な指標を4つ紹介します。

指標の種類測定する具体的な内容活用に向いている場面
NPS(ネットプロモータースコア)親しい友人や家族への推奨意向長期的なロイヤルティや収益性を測りたい場面
CSAT(顧客満足度スコア)特定の体験に対する直近の満足度カスタマーサポートの品質など短期的な評価を知りたい場面
CES(カスタマーエフォートスコア)目的達成にかかった顧客の労力や負担サービスの使いやすさや操作性を改善したい場面
JCSI(日本版顧客満足度指数)期待値や品質など複数の要素による評価自社の業界内での立ち位置を客観的に比較したい場面

推奨意向を測るNPS

NPS(ネットプロモータースコア)は、自社の商品を他人にどれくらい勧めたいかを数値化する指標です。
「このサービスを親しい友人に勧めたいですか?」という質問に対し、0点から10点の11段階で評価してもらう形式が一般的です。単なる満足にとどまらない、顧客の強いロイヤルティを測るのに適した指標と言えます。
顧客の行動意向に踏み込んでいるため、将来の売上や企業の成長率との相関が強いと言われています。

直近の満足度を測るCSAT

CSAT(顧客満足度スコア)は、特定のサービスを体験した直後に、その時点での満足度を直接的に尋ねる指標です。測定方法がシンプルであり、顧客の直感的な評価をすぐに収集できる利点があります。
例えば、カスタマーサポートの電話が終わった直後に、オペレーターの対応を5段階で評価してもらうアンケートがこれに該当します。個別の顧客接点における短期的な評価を可視化するのに適しています。

顧客の負担を測るCES

CES(カスタマーエフォートスコア)は、顧客が目的を達成するためにどの程度の労力や手間がかかったかを測る指標です。例えば、ネットショッピングで商品の返品手続きを行う際に、その操作がどれくらい面倒だったかを実際に評価してもらいます。
サービスを利用する際の負担が少ないほど、顧客の継続利用に繋がりやすいという考え方に基づいています。手軽さや使い勝手の良さを改善するための有効な手がかりになります。

客観的な評価指標JCSI

JCSI(日本版顧客満足度指数)は、日本のサービス産業向けに開発された総合的な評価指標です。業界全体の平均値と自社のスコアを比較することで、客観的な立ち位置を把握できます。
期待値や品質など複数の要素を組み合わせてスコアを算出するため、多角的な視点で顧客心理を分析できる点が特徴です。他社との比較や社会的な信頼性をアピールする際に有効です。

顧客満足度調査はどのように進めるのか?

実際に調査を実施する際の正しい手順について確認していきましょう。

基本の手順具体的な内容
目的と仮説の策定調査によって解決したい課題と、想定される原因を明確に定義します
対象と手法の決定調査対象を選定し、インターネット調査等の手段を決めます
設問の設計属性情報や満足度、推奨意向など必要な項目を洗い出して調査票を作成します
データの回収と集計期限を設けて回答を集め、分析しやすいように数値を整理します

調査の目的と仮説を明確化

調査を始める前に、何を知りたいのか、そしてどのような原因が考えられるか、仮説をしっかりと設定します。目的が曖昧なまま質問を作ると、後からデータを分析しても具体的なアクションに繋がらないからです。
例えば、「最近顧客満足度が下がっているのは、適切な問い合わせ先がわかりにくいからではないか」という仮説を立てます。精度の高い仮説を持つことが、実りある調査の第一歩です。

ターゲットと調査手法を決定

アンケートに答えてもらう対象者の条件を絞り込み、最適な調査手法を選びます。例えば新機能の感想を聞きたい場合は「直近一ヶ月以内にログインした既存顧客」に絞り、「メールでアンケートURLを送る」とします。
誰に聞くかによって得られる回答の質が大きく変わるため、重要な工程です。目的に応じてターゲットとアプローチ手段を柔軟に組み合わせましょう。

目的を満たすアンケート設計

仮説を検証するために、設問を組み立てていきます。対象者が答えやすく、かつ分析に必要なデータが漏れなく集まる構成を考えることが求められます。知りたい結論から逆算して、無駄のないアンケートを作成しましょう。

回答の回収とデータの集計

設定した期限までに回答を集め、分析ツールなどを利用して数値を整理できる状態に整えます。
回答されたアンケートには意味のない記号だけが入力されている場合などもあるため、このようなデータを排除し、回答の信頼性を高める作業が必要です。丁寧な下準備が分析の精度を大きく左右します。

アンケートにはどのような設問を含めるのか?

顧客満足度を測る指標だけでなく、様々な設問を入れることで調査の精度を高めることができます。ここでは、必要な具体的な設問項目について確認していきましょう。

アンケートに組み込むべき主な設問質問を設定する意図
認知経路と購入状況顧客の流入経路や購買行動を把握する
総合評価と項目別評価全体の満足度と個別要素の満足度を分けて測定する
継続利用意向と他者推奨将来の購買行動や口コミの可能性を予測する
自由回答選択肢では得られない評価の背景や具体的な要望を把握する

認知経路と購入状況を把握する設問

商品・サービスを知ったきっかけや、普段の購入頻度など、顧客の基本的な行動履歴を確認します。どのような接点から訪れた顧客なのかを知ることで、マーケティング施策の費用対効果を測ることができ、集客戦略の最適化を図ることができます。

総合評価と項目別評価を分けて尋ねる設問

商品・サービス全体に対する満足度と、価格やスタッフの対応といった細部の要素に対する満足度を分けて評価してもらいます。全体としては満足していても、細部には不満を抱えているケースを逃さず見つけるためです。
例えば、「総合的には満足だが、スタッフの対応スピードだけは不満」という貴重な意見を拾い上げることができます。評価の粒度を分けることで、改善の焦点がより明確になります。

継続利用意向と他者推奨度合を確認する設問

今後もその商品を使い続けたいか、そして誰かに教えたいかという未来の行動意向を確認します。現在いくら満足していても、「次も購入する」と答える人が少なければ、顧客離れのリスクが潜んでいると判断できます。
顧客の頭の中にある満足感が、実際に売上という行動に結びつくかを予測するための重要な指標です。事業の安定性を測る健康診断のような役割を果たします。

評価の背景を探る自由回答

選択肢の数値だけでは見えてこない、評価の理由や具体的な要望を自由に記述してもらいます。あらかじめ用意した選択肢からは得られにくいリアルな声を把握することができます。
例えば、「マニュアルの〇〇ページの解説が分かりにくい」といった、現場ですぐに直せるピンポイントな課題が見つかることもあります。自由回答は顧客のホンネに触れるための特に重要な項目の一つです。

【関連記事】自由回答設問の役割と、聞き方のキホン(前編)

有効な回答を多く集めるための工夫は?

顧客からの回答率を高め、信頼できるデータを集めるポイントについて具体的に確認していきましょう。

回答率を高めるための具体的な工夫現場で実践すべき対応策
設問数の最適化必要な項目だけを残し、全体の設問数を10〜15問程度に抑える
表現のわかりやすさ専門用語を避け、直感的に理解できる言葉で記述する
実施のタイミング商品到着直後やサポート直後など、体験が鮮明な時に依頼する

 設問を最大15問に厳選する

回答者の負担を減らし、途中で回答を諦めてしまう離脱を防ぐために、設問数は最小限に絞り込みます。スマートフォンでスクロールしなくても全体が見渡せる程度の分量に抑えるのが理想的です。

専門用語を排除した平易な表現にする

誰もが直感的に質問の意図を理解できるように、業界特有の難しい言葉は使わないようにします。意味が分からない質問が続くと、顧客は適当な選択肢を選んでしまい、データの信頼性が損なわれるからです。
例えば「UIに満足していますか?」という質問は、「画面の操作のしやすさに満足していますか?」と言い換えるべきです。中学生が読んでも迷わず答えられるレベルの表現を心がけましょう。

体験直後のタイミングでアンケートを依頼する

顧客の記憶が新しく、印象が鮮明な瞬間にアンケートの回答を依頼します。商品の到着日や、実店舗での買い物の直後にメールでアンケート案内を送る方法が効果的です。
時間が経つと細かな印象を忘れてしまい、正確なフィードバックを得ることが難しくなります。熱量が高いうちにアプローチすることが、高い回収率と精度の高い回答に繋がります。

【関連記事】 ネットリサーチ回答品質改善ガイド~正しい生活者理解のために~

調査結果をどのように分析し活用するのか?

集めたデータを無駄にせず、改善アクションに繋げる方法について確認していきましょう。属性別の傾向を探るクロス集計や、改善の優先課題を視覚的に示すポートフォリオ分析の手法を解説します。

属性別の傾向を探るクロス集計

年代や性別、購入頻度などの属性データと、満足度のスコアを掛け合わせて詳細に分析します。全体を平均した数字だけを見ていても、特定のターゲット層が抱える隠れた不満を見落としてしまうからです。
例えば、「全体の満足度は高いが、20代女性に限るとデザインへの不満が大きい」といった事実がクロス集計によって浮き彫りになります。顧客を細かいグループに分けて観察することで、より精度の高い打ち手が打てるようになります。

クロス集計結果例

【関連記事】アンケート調査の方法とコツ④ アンケート結果のまとめ方・集計の基本とコツ

優先課題を示すポートフォリオ分析

重要度と満足度の二つの軸を用いて評価を視覚化し、改善の優先順位を論理的に決定します。
顧客満足度を分析する一般的な手法として、CSポートフォリオ分析という枠組みが存在します。これは、横軸に総合満足度との相関(重要度)、縦軸に個別項目の満足度をとり、各評価項目を座標上に配置する手法です。
重要度が高いにもかかわらず顧客の満足度が低い領域に配置された項目は、優先的に改善すべき弱点となります。限られたリソースをどこに集中させるべきかが視覚的に明らかになる点が利点です。

CSポートフォリオ分析イメージ

参考:総務省統計局「顧客満足度の把握」

調査結果を関係部署へ迅速に共有し連携

得られた調査結果を、開発部門や営業部門など顧客と接点のある現場へすぐにフィードバックします。マーケティング部門がデータを抱え込んでいても、実際のサービス改善は現場の担当者が行うからです。
サポート窓口に関するお褒めの言葉をオペレーターに共有すれば、現場のモチベーション向上にも貢献できます。調査結果は全社で共有して初めて生きたデータになると言えるでしょう。

変化を捉えるための定点観測

顧客満足度調査は一度きりのイベントで終わらせず、定期的に繰り返し実施することが重要です。半年や一年に一度のペースで同じ設問のアンケートを行い、前回のスコアと比較して推移を観察しましょう。改善施策を実行した後に、その効果が表れているかを確認し続ける必要があるからです。
変化の波を捉え続けることで、顧客の期待に応えるサービスを維持しやすくなります。

まとめ

この記事の要点をまとめます。

  • 調査の目的と仮説を明確に設定し、自社の課題に最適な指標を選択すること
  • 設問数は最大15問程度に抑え、回答者の負担を最小限にする工夫を施すこと
  • ポートフォリオ分析などを活用し、優先的に対応すべき課題を特定すること
  • 分析結果を現場へ迅速に共有し、具体的な改善アクションを実行すること

得られた顧客の声を日々の業務改善に活かし、より強固な信頼関係を築いていきましょう。
もし、具体的な調査手法や業界ごとの活用事例をさらに詳しく知りたい場合は、専門家による資料も参考にしてみてください。
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