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生活者インデックスデータ

n=1からみる令和の新ライフスタイル Case8:20代女性Hさん

新型コロナ感染拡大が始まって2年が経ちました。感染拡大が始まった直後はテレワークの推進、密を避けた行動、外出自粛や消毒など、今までほとんどの人が経験しなかった変化が一気に押し寄せました。コロナが生活者の行動や意識に与えた影響は、短期的な変化に留まらないものも少なくないでしょう。
そこで、株式会社インテージクオリスでは自主企画インタビューを実施。生活者ひとりひとりにどのような変化が起こったのか、そしてその変化は感染収束後も定着するのか。生活者の生の声を聴き、行動や気持ちを理解することで今後の生活がどう変わっていくかの兆しを捉えるために10名の方にオンラインのデプスインタビューを実施しました。

今回は、東京でご両親とともに生活している20代有職女性、Hさんのお話です。

在宅勤務に変わったら、体が不調に その対策は?

コロナ感染拡大を受けて、Hさんの在籍する会社では、2020年の3月から早々に在宅勤務へと切り替わりました。

在宅勤務になったことで、「働き方」の面では時間・気持ちに余裕が生まれた一方で、当初は慣れない在宅勤務で、体の不調を感じることも。肩こり・腱鞘炎などに悩まされつつも、自分で対策を考えて問題解決ができているように感じていました(図表1)。

図表1

在宅勤務が続き、通勤がほぼなくなったことで、歩く機会がぐっと減りましたが、iPhoneのヘルスケア機能を使って、毎日の歩数の減少や、体重・脂肪率の増加にも気づくことができたとのことでした。

ちょうどその頃、母親が参加していたヨガ教室がコロナ禍でオンラインに切り替わり、Hさんは運動不足解消のために、自宅にいながらオンラインで母親と一緒にヨガ教室を楽しむようになりました。自分一人でやっても続かないと思っていたHさんにとっては、オンラインでできることが、ヨガを楽しむのにちょうどよかったようです。YouTubeなどのフリーの動画コンテンツとは違い、オンラインのヨガ教室では画面越しに適宜指導を受けられます。それにより、適度な緊張感があることに加えて、正しいフォームでできている安心感もありました。

在宅勤務になったことで、ファッションに変化

そんなHさんは、在宅勤務になったことで、コロナ感染拡大前とは選ぶ服が大きく変わったとのこと。具体的にどのような変化があったのでしょうか。

コロナ感染拡大前、Hさんが好んでいたファッションは、通勤のときも休日に出かけるときも、ウエストラインに沿ったロングワンピースにハイヒールパンプスというスタイルでした。
ファッションアイテムは駅ビルなどファッションビルに入っているブランドのショップで購入。ワンピースの場合、1着2万円程度の価格帯でした。

「誰の目を意識しているわけではないけれど、周りの人からちゃんとして見られたいから、カジュアルではなくキレイめのものを選んで着ていた」というHさん。選ぶ服のカテゴリーははっきりしており、ワンピース、ニット、スカート。あとはパジャマのような寝間着。それしか持っていませんでした。外出しない休日も、家の中でワンピースを着ていたHさん。それを見た家族から、「あれ?ワンピース着てるけど、今日どこかにお出かけするんじゃないの?」と言われたほどでした。

ところが、コロナ禍でファッションが一変しました。転機が訪れたのは2020年の4月頃、在宅勤務に慣れだしたタイミングです。「家の中にいて、過ごしやすいアイテム、体を締め付けないアイテム」という基準で、洋服を買いに行くようになりました。

それまでは、本当にワンピースかパジャマかの2択だったHさんのワードローブに、パーカー、ストレッチのきいたスキニーパンツ、スニーカーといった、新たなアイテムが加わりました。

LifeWearと称してルームウェアから日常のファッションまで広く展開している大手アパレルメーカーの店で購入し、カジュアルウェアの良さに気づき、それがすっかり定番化したHさん。2021年になると、より安価なブランドのアイテムも取り入れるようになりました。

外出時もカジュアルリラックスウエアを着るように

その後、2021年10月頃にコロナ感染拡大が一時落ち着いて、出社する機会や友人と会う機会が戻ってきたときには、以前のようにワンピースやニット、スカートなどをまた購入したとのこと。つまり、「お出かけ=キレイめファッション」というHさんの基本的な考え方自体に大きな変化が訪れたわけではなかったようです。

しかし、カジュアルなアイテムがワードローブに加わったことで、キレイめアイテムにカジュアルアイテムを組み合わせるという新たな楽しみが加わりました。在宅勤務がきっかけでカジュアルアイテムを利用するようになったものの、組み合わせ次第ではキレイめな恰好もできるという気づきが生まれました。

「ルームウェア以上、タウンウエア未満」の、自宅の近所であればそのまま出かけていける、いわゆる「ワンマイルウエア」となっており、スーパーや病院など「ちょっとそこまで」のお出かけファッションに活用しているそうで、今後もHさんのレパートリーとして定着し続けるだろうとのことです。Hさんにとっては、それまでの自分のファッション意識はなかった、新たなカテゴリーが創出された大きな変化になりました。

ファッション意識や価値観も変化

新たな着こなしを楽しみつつも、Hさんはちょっとした葛藤を抱えているようです。ファッション好きを自認し、自分のスタイルがきれいに見えるファッションを意識して、イベントごとに新しいアイテムを購入していたHさん。トレンドを意識し、ファッションに対する熱量も高く保っていたところ、コロナ感染拡大がきっかけでファッションアイテムを購入すること自体が少なくなってしまいました。カジュアルウエアを着て外出する自分は「ファッションが好きって言えないかも・・・」と感じたり、街中の至るところでカジュアルウエアを着ている人を見ては「今の流行は何だろう??」とわからなくなったりと、自分の変化に戸惑いを感じている様子でした。

また、「周りの人が着る服」に対するHさんの意識にも変化が訪れました。それまでは、会社でカジュアルなファッションの人を見かけると、「どうしてそんなラフな格好で会社に来るのだろう?周りからきちんと見られたい自分にはできないな」と距離を感じていました。ところが、カジュアルウエアの良さを実感したことで、「カジュアルウエアなら、仕事中もラクだもんね、その気持ちわかる」と、カジュアルウエアで出社して仕事をしている人に共感できるようになりました。

このように、一見「ラクな服を取り入れる」ようになっただけに思われるHさんの変化ですが、実は「ファッション好き」だと思っていた自身のアイデンティティや「仕事をするときの服」に対する価値観にまで影響を及ぼしていました。

重視するのは、過ごしやすさ、洗える、生活全体が快適であること

Hさんは、以前には自分が着るものに強く求めていたファッション性を、カジュアルウエアに対しては求めていないそうです。トレンドも気にしていません。もちろん、カジュアルウエアの中にはファッション性が高いものもあると思うものの、デザイン性は重視していないそうです。

では、何を重視するようになったのかと言えば、「過ごしやすさ」「洗えるかどうか」「着ていて快適と感じる着心地の良さとサイズ」。さらに、それを着ることで「生活全体が快適で過ごしやすくなるかどうか」が大切な要素になりました。

このように、コロナ感染拡大で在宅勤務に移行したことにより、過ごし方が大きく変わり、選ぶ服が変化したことに加え、自分や周りのファッションに対する考え方、重視点・選択基準、ファッションに対する価値観全体が激変し、新しい考えが定着してきたと話していました。Withコロナの生活が続く中で、なにげないファッションの変化を機に、生活全体をもっと快適にしていきたいと意識を持つようになった生活者の姿がうかがえたインタビューでした。

次回はIさんのインタビュー結果をお届けします。


今回の分析は下記の設計で実施した株式会社インテージクオリス・株式会社インテージの共同自主企画の調査結果をもとに行いました。
・調査主体:株式会社インテージクオリス・株式会社インテージ
・調査実施日:2022年1月26日~2月10日
・調査対象者:一都三県在住の20~60代男女10名
・調査手法:デプスインタビュー(オンライン)※WEB環境を利用し、会場に集まらなくても任意の場所からオンラインでインタビューを行う手法です。自宅でインタビューを行うケースが多く、リラックスして参加できるので、よりリアルな消費者の声がみえてきます。

インタビューに先立ち実施したアンケート調査結果に関する記事も掲載していますので、あわせてご覧ください。

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著者プロフィール

若井 博昭 株式会社インテージクオリス リサーチ推進部 グループリーダープロフィール画像
若井 博昭 株式会社インテージクオリス リサーチ推進部 グループリーダー
ソフトウェアのプログラマー業、大型スーパー勤務を経て
1990年からマーケティングリサーチ業界へ。
インテージクオリスの前身の会社時代を含め、
様々な商品・サービス、生活者の意識・価値観などに関する
定性調査の企画・インタビュー・分析を実施し、現在に至っています。

ソフトウェアのプログラマー業、大型スーパー勤務を経て
1990年からマーケティングリサーチ業界へ。
インテージクオリスの前身の会社時代を含め、
様々な商品・サービス、生活者の意識・価値観などに関する
定性調査の企画・インタビュー・分析を実施し、現在に至っています。

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